シカやイノシシ肉 入手難しい理由
狩るならば一発で仕留めろ。苦しませるな。それができない者は狩りをするなと。 農林業被害を抑えるためにエゾシカの有害駆除はしなくてはいけない。 だから有効利用として肉をおいしくいただく。 食べることで、山の命の循環に加わっていると考えお肉を無駄なく食べるために人の食べない部分も犬や猫のペットフード用として販売するそうです。
つまり、日本では肉というとほぼ99%が家畜の肉のことを指すため、そこで旬が意識されることはほとんどない。それゆえ、「肉の旬」という話をすると、「なにそれ? 肉に旬なんてあるの?」という感じでキョトンとした表情をされることが多い。しかし、狩猟で捕獲するシカやイノシシ、野鳥に関しては、捕獲した時期や場所だけでここまで違うのかといいたくなるくらい肉質に差が出てくる。狩猟をするうえではこの「肉の旬」をしっかり認識しておくことが必須となる。また、「ジビエ」などと呼ばれる狩猟で捕獲された肉を食べる機会がある人も、このことをちょっと頭に留めておくと、その肉に対する感じ方がぐっと変わってくるだろう。
捕獲対策では、猟師が害獣を駆除します。ジビエ料理は害獣駆除の一環で入手された食材とも言えます。害獣として駆除された動物も、そのまま捨ててしまうのではなく、ジビエとして食すことが可能です。
ジビエの狩猟では、銃弾によって可食部分が大きく損傷、また内臓が飛び散って味が悪くなってはいけません。さらに、獲物を仕止めた後も、血抜きや解体といった処理を適切かつ迅速に行う必要があります。これらはプロのハンターに求められる仕事です。野生の鳥獣は一般的には、冬に備えて身体に栄養を蓄えるので、秋がジビエの旬となります。冬になるとジビエの餌となる果実などが減少するので、年末にかけて一般に肉質は低下すると言われています。ジビエは狩猟によって食料を得てきたヨーロッパの人々にとっては身近であり、不可欠な食材なのです。ジビエの種類は4本肢の獣類と、2本肢の鳥類とには大別されます。つまり、シカ、イノシシ、マガモ、キジ、ヤマウズラ、山シギなどがあります。さらに変わったところでは、トナカイ、タヌキ、カンガルー、クマ、ハトなどがあります。
シカ肉は、古くから食べられてきました。シカ肉の特徴は、脂肪分が少なくヘルシーであることです。ヘム鉄と呼ばれる鉄分が多く含まれているので、貧血気味の人にやさしい食材です。牛や豚肉との違いは、カロリーが低いわりに高たんぱくであることです。100グラム当たりで比較すると、豚肉の5割程度しかカロリーがない一方、たんぱく質は牛肉や豚肉の130%あります。味わいとしては、牛肉に似ています。
ジビエ肉の中でも、シカやイノシシ、カモは比較的一般に知られており、受け入れやすい肉です。ジビエは人間に飼育されて大きくなった動物ではないので、個体によっては野性的な臭いが残ってしまうことがあります。牛乳やヨーグルトなどで臭み抜きをしましょう。
ジビエは野生動物ですので、禁猟期間が存在します。禁猟期間は地域によって違いますので、年中ジビエを提供したい場合は、入手先を複数確保しておくといいでしょう。ジビエの入手ルートとしては、猟師さんから入手するという方法が思いつきやすいですが、違法となってしまう可能性があります。
ジビエ肉とは狩猟を通じて入手される肉のことを言います。牛や豚、鶏などは家畜ですので、狩猟をする必要がありません。通常、牛や豚、鶏などはジビエとは呼びません。主にシカやイノシシなどの肉をジビエと呼びます。
ただ、シカは採餌できる植物の幅が広く、ドングリも食べるので秋以降のシカが痩せているかというとそうでもなく、猟期の前半に獲ったシカは十分太っている。また、シカは基本的には赤身肉主体なので、猟期後半に露骨に脂身が減っていくイノシシと比べて、猟期の終わりの頃に獲れたシカでもそこまで極端な違いはない。
なので、オスイノシシは猟期前半である12月中までに獲ってしまうのが望ましく、年が明けてからはメスイノシシだけを狙いたいところである。ただ、そのメスイノシシを追いかけて発情オスがやってくるのだから、その獲り分けというのはなかなか難しいのだが……。 一方、シカは夏が旬だといわれている。シカは草食動物なので、春の柔らかい草をふんだんに食べた夏のシカが一番おいしいというわけだ。シカの発情期はイノシシよりも早く、夏の終わり頃から始まり猟期の始まりの頃まで続く。イノシシほどではないが、シカも発情期のオスにはちょっと臭みが出る。夏は猟期ではないので、僕は有害捕獲で獲ったシカを何度か食べさせてもらったことがあるだけだが、確かにおいしかった。
日本では年中狩猟していいわけではなく、猟期というものが定められている。北海道などの一部の地域を除くと、長らく11月15日から2月15日までの3カ月間が猟期とされてきていた。しかし、近年はシカやイノシシの棲息数増加とそれに伴う獣害の発生を受け、都道府県ごとにその期間を延長しているところも増えてきている。僕が暮らす京都でも5年ほど前からシカ、イノシシに限り、3月15日まで狩猟可能になっている。猟期が冬の時季に設けられていることに関してはいろいろな理由があるといわれている。 まずは農閑期であるということ。日本では歴史的に見ても専業猟師というのは大変少数で、ほとんどの場合はほかの職業を持ちながら猟もしているというスタイルが一般的だった。そのなかで一番多いのが、半農半猟のような暮らしである。作物が育てられない冬場に、貴重なタンパク源の確保と自身の農地の防衛も兼ねた形で猟が行われていた。 次に、冬場は森の木々が落葉し、見通しが利くということ。銃による狩猟の場合、緑が生い茂った夏の山で獲物を見極めるのは大変難しく、また誤射の危険性も高まる。冬場は、山菜採りやキノコ狩りなどで山に入る人の数もほかの季節と比べると格段に少ない。また、ちょっと動くだけで汗ばむ夏場は激しく動く猟法には不向きであり、かといってじっとしていても蚊やアブ、ヤマビルにダニなどが寄ってくることもあり、いろいろと厄介な点が多い。
少し前までは、イノシシやシカなどの野生鳥獣は臭みが強い、固い、あまりおいしくないというイメージがあったかもしれません。 獲物を仕留めてから、どれほど素早く血抜き・解体できるかで、臭みのないおいしい肉にできるのかがかかっているそうなんですが最近では、狩猟者がその技術を身につけていたりすることもあるようで、ひと昔まえとは随分とその味は変わってきているようです。
この言葉は日本人にはあまり馴染みがありませんが、狩猟による鳥獣肉をジビエ gibier【仏】といいます。ジビエはハンターが狩猟によって、食材として捕獲した野生の鳥獣(ソバージュ sauvage【仏】)を意味します。しかし、その供給は必ずしも安定せず、また入手困難な場合には高価になってしまいます。このような理由で、飼育してから一定期間野放したり、生け捕り捕獲して餌付けしたものをデミ・ソバージュ(demi sauvage【仏】:半野生)と呼び、これらもジビエとして流通しています。また英語ではゲームミートと言い、古来より狩猟民族であった私たちの祖先はジビエなしには語れないと言っても過言ではありません。
産地や処理方法にもよりますが、シカ肉には独特の臭みが残ってしまう場合があります。肉の臭みを消せば幅広い調理方法をすることが可能です。背ロース肉はステーキに、もも肉はから揚げなどにできます。肉の臭みが気になる場合は、水や牛乳、ヨーグルトといった乳製品か、塩、塩麹などにつけて、しばらく置いてみてください。臭みが和らぎます。
このように、様々な理由から猟期は冬場に設定されている。近年は農林業などに対する鳥獣害が激しさを増すなかで、ほぼ通年的に有害鳥獣捕獲が行われている地域も増えてきており、特にシカやイノシシなどは猟期以外に捕獲された個体の肉も流通するようになってきているが、それでもやはり基本的には、野生鳥獣肉は秋から冬にかけての猟期に捕獲された季節もののお肉である。
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