
日経平均株価は反発。上値と下値ともに限定的だったが、前日の長い下ヒゲに続いて底堅い推移となった。
RSI(9日)は前日の31.8%→17.8%(2/27)に低下。あすは上昇しやすいタイミングとなり、5日移動平均線(38418円 2/27)を超えられるかが焦点となる。
短期的な見方は前日から大きな変化はない。1/24高値(40279円)からの二段下げ目が続いているという認識である。一方、38000円前後は昨年11月以降で反転上昇してきた水準である。前日の下ヒゲパターンは1月安値時と同様であり、目先的には自律反発も想定される。
上値メドは、200日移動平均線(38676円 同)、10日移動平均線(38831円 同)、25日移動平均線(39068円 同)、心理的節目の39500円、1/31高値(39681円)などがある。下値メドは、2/26安値(37742円)、心理的節目の37500円、9/19高値(37394円)、9/12高値(36902円)、9/18高値(36675円)、心理的節目の36500円、9/17安値(35828円)などがある。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
テクニカル 日経平均株価テクニカル分析たくり足に続く底堅い動き
ところで、日経平均株価に関しては、2月14日の2万0950.15円が「1番底」になったとみています。2月14日終値は2万1154.17円と、200日移動平均線(14日現在2万1030.86円)を終値で割り込むことはありませんでした。
先週は、週始めの1月30日(月)に、アジア市場の軟調さや円高を受けて▼48の8,793円の3日続落となりました。しかし、その後は底堅い動きとなって3日連続高したあと、週末2月3日(金)は▼44の8,831円と、週間では9円のマイナスでした。出来高は、4日連続の1兆円超えとなって投資家心理が改善に向かっていることを示しています。週末2月3日(金)のアメリカ株式がリーマンショック後の高値を更新したことを受けて、日経先物は8,910円となっています。今月10日のSQ清算日を控えて9,000円のコールが急上昇しているため、9,000円台前後を見込んだ買いが入っていることになります。
ちなみに、2月9日時点の裁定買い残高(期近・期先合計)は、前週比6196億円減の1兆7398億円と、昨年9月15日時点以来、約5カ月ぶりに2兆円を下回りました。裁定買い残の減少は5週連続で、この裁定解消売りが日経平均株価の下落を加速させた一因といえます。
週末2月3日(金)のアメリカ市場では、注目の米雇用統計で非農業就業者数が2011年4月以来の高水準となり、失業率も0.2ポイント低下して8.3%となったことで、NYダウが△156の12,862ドルと終値ベースでリーマンショック後の戻り高値を更新しました。ナスダックは、ザラ場高値を更新する△45の2905Pとなりました。これを受けて、本日の日経平均は8,939円と大幅高で寄り付くものの、9,000円水準では大きな売り圧力があり、8,949円をつけたあとは、上下30円程度と値動きの乏しい展開となりました。物色は主力株に移っており、これまでの低位材料株は調整に入る可能性があります。NYダウがここでもたつくようですと、日経平均も9,000円を前に8,900円前後の値固めとなるかもしれません。低位材料株は十分な押し目を待つ必要があります。
その結果、市場では売り方の買い戻しと、自律反発狙いの買いが加速し、日経平均株価は15日から19日まで3連騰し、終値ベースで995.04円上昇しました。
しかし、先週の時点では、NYダウがリーマンショック前の高値に接近してきたことで一旦調整する可能性を考え、また、日経平均も騰落レシオが120%を超えていることで過熱感があり、もうしばらく日柄調整が続くことを想定しました。ただ、米雇用統計の結果によって1月25日の8,911円を終値で抜けることができれば、9,000円を試すともしています。
その買い残高がここまで減少したことで、解消売りによる日経平均株価の下落ピッチ加速効果や、下落幅の拡大効果は見込み難くなっています。このため、日経平均株価の下値は堅いと考えます。
この日経平均株価の急反発の主因は、米国株式市場が落ち着きを取り戻し、VIX指数が低下したことです。2月6日に50.30まで上昇したVIX指数ですが、16日終値は19.46、安値は17.44と、「一体あの急騰劇はなんだったのか?」と思わせるようなレベルまで低下しています。
一方、米国の金融緩和が続くとドル売りとなって円高が維持され、日本の株価にとってはマイナスという側面があります。しかし、日経平均は長期の底値圏にあり、世界株式が上昇すれば割安感から買われてきます。今年は14兆円を超える復興需要があるため、日本株は見直されてきます。NYダウと比較してみると、NYダウが目先13,000ドルを試す動きになると、日経平均は昨年10月31日の高値9,152円を抜き、そうなると9,351円が上値抵抗ラインとなります。NYダウは13,000ドル水準で一旦調整し、次の上昇で史上最高値14,198ドルを目指す動きが出てくると、日経平均も10,000円を目指す動きが出てきます。
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