にんにく2倍 ボンカレー攻める訳
2024年3月には、カレーうどん専用の「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」を発売した。公式ブランドサイトではアレンジレシピを提案しており、「麺」を使うレシピが閲覧数上位だったことから開発に至ったという。カレーうどんの商品化は、「ボンカレー」ブランドで初となる。
そうした中で「ボンカレーネオ にんにくマシマシ 辛口」は、これまでのボンカレーのイメージを覆す“攻めの商品”として開発された。「ガツンとした刺激的な風味」と「電子レンジ調理の手軽さ」を両立させることで、従来のユーザーだけでなく、新たな層にも訴求していく。
そして、同社は「ボンカレー」の最大の差別化ポイントとしてイメージを挙げる。一般的に食品のイメージは味が多いが、「ボンカレー」は家族と一緒に食べた思い出など、情緒的な評価が非常に高いという。
「ボンカレーネオ にんにくマシマシ 辛口」の主なターゲットは、30〜50代や60代以上の男性。家族向けの商品とは一線を画し、「もっとニンニクを感じたい」という消費者の声に応えた一品だ。にんにくの量を従来の2倍に増やし、コチュジャンを加えたことで辛さと旨みの深みをプラスし、レトルトカレーでは珍しいスパイシーでパンチのある味わいにしたという。また、「ボンカレーネオ」の特徴である、赤ワインでソテーした牛肉と濃厚な味わいのソースを使用している。
この年発売されたボンカレークラシックのパッケージには、松坂慶子さんを起用。発売当初からの「おいしさ」と「安心感」により磨きをかけ「よりおいしく」「より体にやさしい」カレーとして、原材料や調味料のひとつひとつにもこだわりを持って仕上げました。これにはお母さんの「ずっと元気でいてほしいから」という家族への願いが込められています。
シールが甘い、振動などの衝撃にとても弱いなど、世界初の試みであったがゆえに「半透明パウチ」にはさまざまな課題点があり、商品の輸送中に破損するケースもありました。そこで包材メーカーと協力し、ポリエチレン/アルミ/ポリエステルの3層構造のパウチを採用。業界に先駆けて光と酸素を遮断するアルミ箔を用いた「アルミパウチ」によって、長期保存が可能になり、賞味期限も2年間に延ばすことができました。また、流通過程での破損も解決でき、大量陳列により消費者にアピールすることもできるようになって、1969年5月に「ボンカレー」はついに全国発売に至ったのです。
世界初の市販用レトルト食品として1968年に発売された「ボンカレー」は、この市場変化にどう対応しているのか。同ブランドは、コロナ前と比べて2ケタ成長となり、順調に販売を伸ばしている。「ずっと、家族のまんなかに。」をキーメッセージに掲げながらも、時代の流れに適応し、生活者の多様なライフスタイルに合わせた「個人消費」に対応する高付加価値商品の開発を進めている。
2023年8月に「ボンカレーゴールド うま辛にんにく 辛口」、「ボンカレーネオ 焦がしにんにく やみつきスパイシー辛口」を発売したところ好評で、“もっとにんにくを感じられるカレーが食べたい”のユーザーからの声に応えた。
そこで、販売店を相手に試食会を実施して直接ボンカレーを食べていただき、お店に置いてもらうように盛んに働きかけ、20人ほどいた営業マンがライトバンや自転車で朝から晩まで50軒、60軒の小売店を回りました。さらに、宣伝用に女優の松山容子さんがボンカレーをもったホーロー看板を製作し、1日15枚のノルマで営業に成功した店に貼っていったのです。なんとホーロー看板は全国で9万5千枚も取り付けられました。そうした営業マンの努力の甲斐もあり、ボンカレーは次第に売上を伸ばし、1973年には年間販売数量1億食を達成したのです。
70年代以降、経済が急成長し、都会を中心に核家族化が進みました。それによって食事も個食化が進み、おいしく手軽に食べられる一食完結型の食品の需要が高まりました。ボンカレーはまさにそういったニーズを満たす代表的な食品だったのです。1978(昭和53)年には市場に競合商品も増えたため、日本人の嗜好の変化に合わせて香辛料やフルーツを贅沢に使った新商品「ボンカレーゴールド」を発売。テレビCMには巨人軍の王選手を起用し、話題となりました。また、パッケージのイラストには「おいしさ三重丸」の意味が込められています。
〈レトルトカレー市場が拡大、1000億円規模に〉 レトルト食品のパイオニアである大塚食品の「ボンカレー」が、3月17日から「ボンカレーネオ にんにくマシマシ 辛口」を発売する。これまで、“ずっと、家族のまんなかに。”をキーメッセージに展開していた同ブランドが、好みが分かれる味の商品を投入するねらいは、生活者の嗜好や食シーンの変化が背景にある。
ボンカレーの主力商品である「ボンカレーゴールド」は、ファミリー層に支持されている。一方で、個々のニーズに合わせた製品を提案する中で、「ボンカレーネオ」シリーズが新たな柱となっている。同社は、これまで「ボンカレー」が築いてきたブランド価値を活かしつつ、ターゲットを広げる試みを続けている。
レトルトカレーの定番「ボンカレーゴールド」が、箱ごとレンジ調理に進化。これで全国展開しているボンカレーはすべてレンジ調理が可能になりました。レンジ調理になったことで、ソースも具材も短時間でムラなく温まり、スパイス本来の豊かな香りを引き出しています。また、辛さの違いは辛味成分を増減させただけではありません。辛さごとスパイスやカレー粉の配合を変え、オリジナルのレシピで作っています。食べたい時に、より早く、よりおいしく召し上がれる「箱ごとレンジ調理」のボンカレーゴールドは、レトルトカレーのスタンダードとしてこれからもたくさんのひとに愛され続けるカレーを目指しています。
それを防ぐために圧力をかけるのですが、この温度と圧力の兼ね合いが難しかったのです。パウチの耐熱性、強度、中身の耐熱性、殺菌条件などのテストを繰り返し行い、商品としての可能性を次第に高めていきました。試行錯誤の末、1968(昭和43)年2月12日、世界初の市販用レトルトカレーとして、「ボンカレー」を販売しました(阪神地区限定)。ただ、当時のボンカレーは、ポリエチレン/ポリエステルの2層構造の半透明パウチであったために、光と酸素によって風味が失われてしまい、賞味期限は冬場で3ヶ月、夏場で2ヶ月でした。
「ボンカレーネオ にんにくマシマシ 辛口」
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