観光地にスーツケース放置 なぜ増
SNS上では「大仏殿の前で外国人観光客がビニールの音で鹿をおびき寄せ、つられて寄って来た雌鹿に子供が空の飴の小袋を投げていた」「優先席に土足のままベッドのように横たわりリラックスしている外国人観光客がいた」など、外国人観光客の行動がたびたび話題にされています。
オーバーツーリズムが最も深刻な京都では、祇園の一角から観光客が追い出されることになった(ただし、これがどのように実施されるかは不明)。広島では地元のソウルフードであるお好み焼き(偶然にもOEDに追加されたばかりの言葉だ)の店が、金曜日の夜は観光客の入店を断り県民と常連客だけを受け入れると決めた。
葛飾北斎の「富嶽三十六景」にも描かれた富士山を臨む観光名所に突然、景色をブロックするバリアーが現れた。山梨県富士河口湖町が最近、コンビニエンスストアの上に富士山が浮かんでいるように見えていた場所に目隠し幕を設置した。
DMOのポイントは、観光客を大事にするだけではなく、地域にとって「来てもらいたい観光客」を選んで呼び込むアイデア、施策にあります。地域を訪れるツーリストとコミュニケーションの接点をアレンジし、地元の人しか知らない自然や郷土食、芸能、風習などを体験してもらう。地元の人も歓迎できるプランを提案することで、軋轢も少なく、かつ異文化と触れ合うという旅行本来の目的にかなうわけです。
ある辛辣(しんらつ)な飲食店経営者は先月、あまりお金を使わない旅行者に対応する時間と手間は意味がないとソーシャルメディアに投稿。英語メニューや母国語でのサービスを求める観光客に応じなければならないことに不満をぶつけた。
ー外国人観光客に対して、スタッフ間で共有されているルールやマニュアルはありますか?
「観光立国」の最大の目的は、日本を訪れた人によい印象をもってもらい、いざというとき味方になってくれる国を一つでも多く増やすこと。たんに目先の経済だけの話ではないのです。日本という国を知ろうとして訪れてくれた外国人が、母国に帰って「日本はよかった」と語ってくれることが大切です。反対に私たちが外国人の文化や振る舞いに対して非寛容や排除を続ければ、やがて同様の仕打ちとなって返ってくるでしょう。
ー御宿コトブキさんに宿泊する外国人観光客の人も増えていますか?
――要は観光も飲酒、喫煙も文化ということですね。
かつてのように旅行代理店主体のマス営業ではなく、旅行者と個別にきめ細かなやりとりができるので、現地の文化やマナーも、双方のコミュニケーションのなかで伝達できます。オーバーツーリズムの問題から観光を救う一つの方法といえるでしょう。
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
同様の対策は関西国際空港以外の空港でも実施が可能なものとなっており、一定以上の効果が期待できるのではないでしょうか? 関西空港の場合、引き取りは国際線出発フロアで行っていますが、到着フロアで入国後の訪日外国人観光客に無料引き取りサービスを告知することでスーツケースの買い替えを積極的に行う観光客が増える可能性もあります。 同サービスの実施によって放置スーツケース問題が予測通り解決するかどうか、結果が楽しみです。
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訪日客だけが利用するサービスには、もっと高い料金を課すべきだ。例えば外国人観光客だけが利用できる新幹線乗り放題の「ジャパン・レール・パス」は昨年70%値上げされた。また、5000円以上の買い物で10%の消費税が免除される訪日観光客向けの免税制度は、購入品の転売など不正利用が横行し多額の税収が失われている。廃止するか最低購入額を大幅に引き上げるべきだ。
こうした問題の側面にあるのは、訪日観光客を相手にすることの大変さはすぐに感じられるのに対し、税収の増加やビジネスの活況がもたらす恩恵が見えにくいことだ。外国人観光客の約40%にとっては初めての日本で、ソーシャルメディアが同じ場所に人々を誘導するため、閑散としている観光地もあれば、受け入れ可能な人数を大幅に超えている観光地もある。
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