コメ高騰でも おにぎり人気なぜ
2023年産のコメの価格は高騰しているといわれていますが、それでもコメは小麦よりも比較的価格が安定しており、安価で食後の満足度が高いということもあります。
Q.では、企業がおにぎり店を出店すると、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。
小倉さん「店舗ごとにコメの種類や食感、具材のバリエーションなど、さまざまな特徴があります。また、握りたてのおにぎりを出す店や、購入した商品を店内で食べることができる店もあるなど、各店舗が付加価値をつけています。
Q.おにぎり店のブームは、今後も続く可能性があるのでしょうか。それとも、一時期急増した唐揚げ店のようにブームがすぐに終わる可能性があるのでしょうか。
手で握っている店もありますが、おにぎりの型を使っている店も少なくありません。料理のプロでなくても、店を出しやすいといえます。
日本人はもちろん、外国人観光客がファストフードとして買い求める姿を目にする機会も増えた「おにぎり」。米不足や価格の高騰など、おにぎりにとっては逆風ともいえる環境が続いていますが、コンビニエンスストアやスーパーでは新商品を投入するなど、おにぎりの販売に力を入れています。その背景を取材しました。
さらに、物価高や将来への漠然とした不安を感じる人が多い中、昔ながらの親しみのあるコメの安心感もあるのでしょう。最近では具材のバリエーションが豊富になり、安心感だけではなく新しさも加わっている点が人気につながっていると考えます」
Q.おにぎり店のおにぎりは、1個200〜300円程度で売られていることが多く、コンビニやスーパーで売られているおにぎりと比べても決して安いとは言えません。それでもなぜ売れ続けているのでしょうか。
小倉さん「今後も、需要はある程度維持されると思います。日本国内だけではなく、海外でもおにぎりの認知度は上昇しており、海外で出店する店も増えています。すしよりも手軽に作れて、地域や文化に合わせた具材を入れることができるため、利便性もあります。
また、近年は炊飯器の売り上げが伸びたり、コメの種類にこだわる人が増えたりするなど、老若男女問わず、コメのおいしさを再確認もしています。おにぎりは、日本人にとって飽きのこない食べ物でもあるため、定番料理として安定した人気が続くのではないでしょうか」
一方、出店しやすいからこそ競争も激しいため、今のブームが落ち着いたときからが勝負といえるかもしれません。専門店の中には、今後、コメの価格が本格的に上昇した際に利益を出すのが厳しい店が出る可能性もあります」
ハンバーガーのような形で、白米で具材を挟むタイプのおにぎりもあり、こうした『進化系おにぎり』には話題性があります。コンビニのおにぎりが売れていないわけではありませんが、ブームになったことで、より専門店ならではのクオリティーや個性を求める傾向があると考えられます」
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