FX/為替「ドル/円、米関税を巡り乱高下　大統領議会演説に注目」 外為どっとコム トゥデイ 2025年3月5日号

主要通貨ペア（ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円）について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時　：2025年3月5日8時30分
執筆・監修：株式会社外為どっとコム総合研究所　調査部　中村勉

目次

▼4日（火）の為替相場
（１）：豪小売りは予想通り
（２）：トランプ関税発動
（３）：欧州委員 防衛計画を提案
（４）：カナダ・メキシコ 関税軽減の可能性

▼4日（火）の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し：米大統領議会演説に注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

4日（火）の為替相場

期間：4日（火）午前7時10分～5日（水）午前6時55分　※チャートは30分足（日本時間表示）　出所：外為どっとコム

（１）：豪小売りは予想通り

豪1月小売売上高は市場予想通り前月比＋0.3％となった。また豪中銀（RBA）は2月理事会の議事録を公表。基調的なインフレ率が予想よりもやや速いペースで低下していることを認めた一方で、「金融政策をあまりに早く緩和すると、インフレ圧力が高まるリスクがある」とし、「今回の緩和がさらなる緩和を約束するものではない」と追加緩和に慎重な姿勢を示した。

（２）：トランプ関税発動

トランプ米大統領は予定通り、カナダとメキシコに対して25％の関税、中国に対して10％の追加関税を発動。直後には中国が米国の農産物を中心に最大15％の関税賦課をする報復策を発表。カナダも即座に1070億ドル相当の米国産品に対して段階的課税の実施を発表。メキシコのシェインバウム大統領は対抗措置の詳細を9日に発表することを明らかにした。

（３）：欧州委員 防衛計画を提案

ドイツのメルツ次期首相が「防衛費増額に向けて債務ブレーキを改革する」と発言。また、欧州員会はこの日、防衛力強化に向けた総額8000億ユーロ規模の防衛計画を提案した。

（４）：カナダ・メキシコ 関税軽減の可能性

ラトニック米商務長官は「米国・メキシコ・カナダ協定（USMCA）」の対象となるメキシコ、カナダ製品について、関税軽減に向けた道筋を5日にも発表する可能性があると語った。

4日（火）の株・債券・商品市場

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し：米大統領議会演説に注目

昨日のドル/円は終値ベースで約0.2％上昇。米国は予定通りカナダやメキシコへの関税のほか、中国への追加関税を発動した。世界的な貿易戦争に発展するとの懸念からリスクオフの円買いにつながり、一時約5カ月ぶりとなる148.09円前後まで下落した。ただ、トランプ政権がカナダとメキシコへの関税の軽減を5日にも発表する可能性を米商務長官が語ったことで149円台後半まで急速に買い戻された。 米国の関税政策への警戒が残る中、本日は日本時間11時過ぎにトランプ大統領が米議会にて演説をする予定となっている。関税政策やウクライナとの鉱物資源協定などについて、発言内容に注目が集まる。また、本日は米2月ADP全国雇用者数や米2月ISM非製造業景況指数などが発表される。市場が米国の景気先行きに懸念を抱き始めているため、弱い結果には強く反応しそうだ。

注目の経済指標：ADP全国雇用者数

注目のイベント：米大統領演説

※時間は日本時間での表示になります。
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉（なかむら・つとむ）
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー（株）へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から（株）外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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