「ドル/円」をデイトレードする上でFX個人投資家が事前にインプットしておきたいトレードシナリオなどを、ギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 宇栄原 宗平
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最新のマーケット情報まとめ
現状の市場分析
ドル円相場は一時149円台まで上昇したものの、その後反落して148円を割り込む展開となっている
大きな流れとしては依然として移動平均線が「弱気のパーフェクトオーダー」を示しており、基本的な方向性は下向きのまま継続している
しかし、直近では146円台で3本連続で下ヒゲを伸ばして反発し、前日高値へ向けて切り替えの動きを強めるという動きも見られた
10日線が上値の抵抗となって徐々に下値を探る展開となっている
チャート上では高値は切り下げている状況にあり、この動きが今後も継続するかが重要となる
本日の重要な価格帯と注目ポイント
前日安値の147.5円付近が極めて重要な節目となる
この水準を下抜けた場合:再び146円台を探る展開が十分に考えられる
下抜けずに反発し、さらに10日線を上抜けて終値でも維持できた場合:反発基調が強まる可能性が高い
フィボナッチリトレースメントの分析では、149円付近が半値戻しのポイントとなり、ここが戻り売りの位置として機能した可能性がある
現在は半値を下回るかどうかのポイントにあり、さらに下には61.8%の水準である147.5円台が控えている
上昇の場合は、38.2%水準の148.20円を突破できれば本日も反発の動きが出やすくなると予想される
本日の注目経済指標と影響
米生産者物価指数(PPI)の発表(21:30)
予想値:総合指数は前月・前年比でやや鈍化、コア指数は横ばいで高止まりの状態
昨日のCPI(消費者物価指数)が予想以上に鈍化していたことを踏まえると、PPIも予想以上に鈍化を示せばドル売りの反応が予想される
逆に予想を上回り、前回の数値も上回る場合は、生産者側の物価上昇を意味し、現在の米国の景気減速懸念と合わさってスタグフレーションの懸念が強まる可能性
その場合、市場が乱高下する可能性があるため注意が必要
新規失業保険申請件数(同時刻に発表)
予想はやや増加程度だが、大幅に増加した場合は労働市場の弱体化が意識され、市場に影響を与える可能性がある
米国の金利見通しと市場予想
現在の市場は年内3回の利下げを織り込んでいる状況(一部の市場参加者は2回との見方も)
本日のPPIや失業保険申請件数の結果を受けて、この利下げ観測がどう変化するかも重要なポイントとなる
地政学的リスクと貿易摩擦
トランプ政権による関税政策が市場の懸念材料となっている
鉄鋼とアルミニウム製品に対して25%の関税が発動されたことに対し、対抗措置が講じられている
EU:260億ユーロ相当の関税を課す方針
カナダ:298億カナダドル相当の関税を本日発動
トランプ大統領はEUの対抗措置に対してさらなる対応を示唆しており、貿易戦争が拡大する懸念がある
貿易摩擦が深刻化すれば、リスク回避の動きが強まり、株価下落などにつながる可能性もあるため注視が必要
総括
短期的には前日安値の147.5円を割り込むかどうかが方向性を決める重要なポイント
本日21:30発表の米経済指標(PPI、失業保険申請件数)の結果次第で相場が大きく動く可能性がある
米国の関税政策と各国の対抗措置による貿易摩擦の拡大にも引き続き注意が必要
技術的な指標と経済指標、地政学的リスクのすべてを考慮した上での取引判断が求められる状況
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『最新のドル/円相場を解説』
経済指標・イベントの結果について
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe)
2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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