外為どっとコムが提供するCFDサービス「CFDネクスト」の各銘柄(WTI原油、金スポット、銀スポット、天然ガス)と米ドルの「相性」(相関性)をランキング形式でまとめました。銘柄ごとの変動要因についても簡素にまとめています。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
「米ドルとの相性抜群ランキング」(過去1週間の対米ドルでの相関係数)
順位 | CFD銘柄 | 相関係数 |
---|---|---|
1 | 銀スポット | -0.30 |
2 | 天然ガス | -0.24 |
3 | 金スポット | 0.01 |
4 | WTI原油 | 0.17 |
集計期間中(3/7~3/13)に米ドルと負の相関が強かったCFD銘柄はなかった。米国の関税政策への不透明感やウクライナ情勢への懸念から金価格が上昇した。
米ドルの他通貨に対する相対的な強弱を示すドルインデックスの期間中の上昇率は0.01%でほぼ横ばいだった。
※米ドル建てで取引される資源は一般的に米ドルの動向と負の相関(逆相関)が強いと言われている
※数値が-1.0に近いほど米ドルの動きが直近の価格動向に影響を与えていたと考えられる
※資源価格は需給など様々な材料の影響で変動するため、必ずしも米ドルと負の相関関係が続くわけではない
WTI原油の変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:WTI原油価格は、やや反発も世界景気の減速懸念が重石
原油相場の変動要因は以下の通り
NEW!・期間中のWTI原油は0.8%上昇した
NEW!・米エネルギー省の週報で米国内の原油在庫は予想ほど積み増されておらず、ガソリン在庫は予想大幅に上回る取り崩し量だった
NEW!・トランプ米政権の関税政策の影響で世界景気が減速するとの懸念が高まっている
・石油輸出国機構(OPEC)プラスは4月から自主減産量を予定通り縮小することを発表した
・トランプ米大統領が国家エネルギー非常事態を宣言。「掘って、掘って、掘りまくれ」と発言した
天然ガスの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:天然ガス価格は、利益確定や米国が暖かくなる見通しで下落
天然ガス相場の変動要因は以下の通り
NEW!・期間中の天然ガスは5.66%下落した
NEW!・米国の北西部と北中部で、3月中旬の気温が当初の予想よりも高くなるとの見通し
NEW!・米エネルギー情報局(EIA)の週報では、米国内の天然ガス貯蔵量は62Bcfの減少。市場予想は47.56Bcfの減少だった。総貯蔵量は過去5年平均を約11.9%下回っている(3/7時点)
※Bcf=10億立方フィート
金(ゴールド)スポットの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:金(ゴールド)スポット価格は、トランプ関税への懸念で史上最高値更新
金(ゴールド)スポット相場の変動要因は以下の通り
NEW!・期間中の金スポット価格は2.65%上昇した
NEW!・米国を中心とした関税合戦が世界経済を悪化させるとの懸念が台頭している
NEW!・金価格は2025年3月13日に一時1トロイオンス=3001.5ドルまで上昇し史上最高値を更新した
・各国中銀による断続的な金の購入が金価格の支えとなっている
銀スポットの変動要因と過去3カ月の値動き
ポイント:銀スポット価格は、金価格の上昇につれて5カ月半ぶり高値水準
銀スポット相場の変動要因は以下の通り
NEW!・期間中の銀スポット価格は3.89%上昇した
・金同様に装飾需要がある
・幅広い産業需要があり、需要の5割以上が工業用需要。そのため経済が上向くと銀の需要が増える
・太陽光パネルなど幅広く使われているため、ここ数年は供給不足気味
・価格が低い分変動率が大きくなってしまう
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『CFDネクスト』においてスプレッド実績は日本N225では42%縮小し2.9(提示率は最も高く99.95%)、WTI原油では13%縮小し0.026(提示率は99.88%)となりました🌟
今後も、さらに低コストでお取引いただける環境を提供するために邁進してまいります。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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1年で15倍金価格が史上初の3000ドル乗せ週刊 米ドルと相性抜群ランキング 2025
金に対する文化的親近感を持つ中国やインドを中心に、個人による金の購入も活発化しています。インドでは、宝石、金の延べ棒、コインに対する消費者の需要が2024年に616億米ドルに達し、前年比30%増加した。中国も10%増加して626億米ドルとなった。
突出した上昇となった2024年は緩やかな超長期上昇トレンドの頂上に位置する。2000年ごろの先物価格はまだ270ドル程度で、当時の価格が今に続く超長期上昇基調の始まりだ。
3000ドルへの上昇は、ほとんどの主流の予測者が予想していたよりも速いペースで起こった。過去1年に価格が2000ドル、2500ドルという重要な心理的節目を次々と超える中で、アナリストらは予想を上方修正してきた。既に次の大きな節目を予想するアナリストもいる。
コロナ禍に入って2020年には初の2000ドルを達成。1900ドルを挟み高原状態が数年続いた後、2023年半ばから再び上昇が始まったのである。
金(ゴールド)の国際価格が史上初めて1トロイオンス3000ドルの大台を突破した。1970年代後半、2000年代に続く戦後3回目の高騰の波だ。背景にあるのは基軸通貨ドルの揺らぎだ。国際政治が分断にさらされるなかで、実物資産としての金に行き場を失ったマネーが集中している。
金融状況を安定させるために、連邦準備制度理事会(FRB)は2001年に米国の金利を4.75%引き下げました。米国の金利が下がると、金の魅力が高まり、資本流入を引き付ける可能性が高まります。 2004年までに、米国で金上場投資信託(ETF)が上場されたことで流動性が高まり、欧州や米国の機関投資家からの資本流入も促進されました。
金価格は上昇しているとはいえ、インフレ調整後の過去最高値(1980年に記録した1オンス=約3800ドル)にはまだ遠く及ばない。当時は成長低迷、インフレ高進、地政学的な緊張の高まりが相まって価格高騰を招いた。一部のアナリストは、同様の要因により2025年には金が未開の領域に進むと予想している。
金価格上昇の最初の波はそれから100年後まで起こりませんでした。原因は1971年のニクソンショックで、米国政府が金と米ドルの交換を停止したことでした。第二次世界大戦後に確立されたアメリカを中心とした為替レート安定化の仕組みである固定相場制の終了後、金の価格は市場の需要と供給によって決まるようになりました。 1971年に35ドルに固定された金の価格は、1980年には873ドルに上昇しました。
金はこの傾向の恩恵を受けています。 2022年から、中央銀行の金購入量は年間1,000トンと過去最高に増加した。 1990年代から2000年代にかけては、毎年数百トンが純売却されていたが、2010年以降は14年連続で保有量が増加している。新興市場国などの国々からの需要増加を受けて、「金価格は金利上昇の影響を受けにくくなった」。
資産運用会社インクリメンタムAGは「2030年までにスポット価格は4,821ドルに達するだろう」と予測している。米ゴールドマン・サックス・グループも2月17日、中央銀行からの需要増加を理由に、2025年末の予想価格を2,890ドルから3,100ドルに引き上げた。世界経済の不確実性が高まっている中、金の絶好調はしばらく続く可能性が高い。
第二波は2000年代に起こりました。米国では、IT(情報技術)バブルの崩壊や2001年の9月11日の同時多発テロなどの問題により、「無国籍通貨」としての性質を持つ金の魅力が高まっている。 2008年に米国でリーマン・ブラザーズ危機が発生したとき、金は1980年以来の高値を記録し、初めて1,000ドルを突破した。
2025年に入ってからは、トランプ米大統領が導入した政策が金市場を押し上げる要因となっている。関税政策に関する不確実性だけでなく、米国の大規模な減税とそれに伴う財政問題がドルの信頼性を揺るがしている。
今起こっているのは第三波です。背景にあるのは、高まる地政学的リスクによって分断された世界だ。 2022年にウクライナに侵攻したロシアは経済・金融制裁を受け、ドル建て資産は凍結された。新興市場国は米ドル資産を保有することのリスクを認識し、米ドルからさらに遠ざかっています。
記録をさかのぼれる1975年以降の年間最大の上昇幅(当年最高値−前年終値)は、これまで、コロナ禍だった2020年の566ドル。今年の上昇幅がいかに大きいかが実感できよう。
2008年秋のリーマンショック直前に1000ドルに達し、その後やや反落するが、同ショック後には再び勢いを伴って上がり、2011年には1900ドルに至った。それから2019年前半まで大きなレンジで高止まりして、後半から再び上昇傾向が鮮明になる。
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