フォーエバー21 米国で事業終了か

フォーエバー21 米国で事業終了か
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フォーエバー21は1984年創業

「フォーエバー21」の日本再上陸に当たっては、アダストリアは22年5月に立ち上げた100%子会社のGateWin(ゲートウィン)が同ブランドのマスターライセンスを保有する伊藤忠商事とサブライセンス契約を締結した。

「フォーエバー21(FOREVER21)」が日本に再々上陸するという。余計なことかもしれないが、今回の「フォーエバー21」は正確には再上陸ではない。再々上陸である。元気だった頃の鈴屋だったかその子会社が1990年代に日本で取り扱いを行っていた。その後、合同会社FOREVER21 JAPANが2009年春に日本再上陸し、2019年10月末に日本再撤退していたのだ。

大手アパレルのアダストリアは2023年春、米国発のカジュアルファッションブランド「フォーエバー21」の日本での販売を始める。23年2月21日に自社通販サイト「ドットエスティ」での取り扱いをスタートするほか、春には関東と関西のららぽーとに出店する予定だ。従来のファストファッションから“トレンド&ハイクオリティへの転換”を掲げ、5年後には当該事業で売上高100億円を計画。そのうちEC売上高は自社ECを軸に60億円を目指す。

運営面にも問題があった。今の小売業には、リアル店舗とオンラインストアの融合による顧客エンゲージメントの向上や、ブランド体験の提供などが求められる。だが、フォーエバー21は日本に本社機能を置かず、合同会社フォーエバー21・ジャパン・リテールが米本国からのディレクションの下で、オペレーションを行う体制をとっていた。日本に合わせた品ぞろえや組織運営などを行うことができなかった。

フォーエバー21は1984年創業。スウェーデン発の「H&M」や、スペイン発の「ザラ」とともにファストファッションの代表格として世界的に人気を集めた。

アメリカのファストファッション大手「フォーエバー21」のアメリカ本社は9月29日、破産法の適用を申請したことを発表した。カナダの子会社も同様に破産申請したという。25日に日本撤退を発表したばかりだった。

なお、ブランド管理会社ABG社のケビン・サルターバイスプレジデントは、「フォーエバー21は非常に重要なブランドで、日本のマーケットはかつてフォーエバー21にとって主要な市場だった。日本で再びブランドを活性化するためにアダストリアと提携した。日本はファッショントレンドをリードする地域だ。伊藤忠商事およびアダストリアとのパートナーシップにおける我々の目標は、サステナビリティに焦点を当てたフォーエバー21というブランドを通じてトレンドを生み出し、世界中に広めることだ」としている。

アダストリアはライフスタイル提案型ショップブランド「ニコアンド(niko and ...)」や1400万人の会員を有する自社ECサイト「ドットエスティ(.st)」を構築するなど最近は、日本人のファッションシーンをリードする存在になったが、この「フォーエバー21」プロジェクトは好調な同社が手掛けるようなビジネスなのだろうか。

「フォーエバー21」は米ロサンゼルス発のブランドで、日本では2009年に1号店を出店した。2010年代のファストファッションブームを追い風に店舗数を増やしたが、その後、売り上げが低迷して19年に日本から撤退していた。

私の持論は、「再上陸ブランドに成功例なし」だ。40年間、日本のファッション業界を見て来た結論だ。さて再々上陸になった今回の「フォーエバー21」だが、このジンクスを覆すことはできるのだろうか。その成功を期待したい。

米国フォーエバー21社の売上高は、15年の売上高44億ドル(約4708億円)がピークで、直近では34億ドル(約3638億円)まで低下。負債は5億ドル(約535億円)といわれている。ECの台頭によるショッピングモールへの客数激減や、オムニチャネル施策の遅れなども背景にある。まずは米本国の立て直しが急務であり、日本での事業は当面考えられないだろうが、三度目の正直があるのか、これからも注視していきたいところだ。

このプロジェクトを仕掛けたのは、伊藤忠商事だろう。倒産したフォーエバー21を米国において安値で買ったブランド管理会社ABG(オーセンティックブランズグループ)と結託している。ABGはこの他にも、「バーニーズ・ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「ブルックスブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」「エディー・バウアー(EDDIE BAUER)」「リーボック(REEBOK)」など倒産や経営難に陥った有名ブランドを次々に傘下に収めている。無礼を顧みずに言えば、ブランドの廃品回収業である。「昔の名前で出ています」という歌があったがそんな感じである。もちろん、そういうブランドを欲しがる企業があるから、ABGはそうしたブランドを安値で買い漁るのだ。そういう傘下ブランドは50を超えるというから驚く。このABGと結託して日本企業にこの「昔の名前で出ています」ブランドを斡旋しているのが伊藤忠商事である。最近は2021年に日本撤退したばかりのABG傘下の「エディー・バウアー」を岐阜の水甚(みずじん)というアパレルメーカーにライセンス生産させるという契約を結んだばかりだ。直輸入方式よりもライセンス生産させてロイヤリティーを稼いだ方が安全に儲かるということなのだろう。今回のアダストリアの子会社のゲートウィンも、仕入れ商品20%、ライセンス生産80%という計画である。ローカライズで日本人にフィットした商品がメインと言えば聞こえはいいが、「フォーエバー21」という「昔の名前」に頼ったブランドがそんな簡単に成功するものなのか。

今回はアダストリアの子会社ゲートウィンが運営会社になって、日本でのオリジナル企画の商品80%、仕入れ商品20%という構成になる予定だという。ターゲットは10代前半から30代前半と以前よりも幅を広げ、平均商品単価は4000円、客単価は5800円というのだから、これはもうファストファッションではない。欲しかったのは、「フォーエバー21」というブランド知名度だったということになる。米国では、チャプターイレブン(連邦破産法第11条、日本の民事再生法のようなもの)を申請した「キズモノ」がそんなに欲しいのだろうか。

BBCの報道によると、フォーエバー21の店舗数は、ほぼ半減する見通しだ。アメリカでは最大178店、全世界で最大350店を閉鎖するという。

米ファストファッション大手「フォーエバー21」の運営会社は16日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。アメリカでの事業終了の可能性が高まっている。

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