このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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ペソ先物買い越し増加 7.4-7.5円台突破なら底打ち感
米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した通貨先物(IMM)における非商業部門(投機筋)のメキシコペソのポジションは3月11日時点で約3万枚の買い越し。1月には売り越しに転じる場面もあったが、このところは一進一退ながらも買い越しが定着しつつある。米国のトランプ大統領による関税・移民政策で最も大きな打撃を受けるのはメキシコとの思惑が強かったものの、足元では投機筋のペソに対する過度に悲観的な見方は後退している公算が大きい。
トランプ米大統領は今月6日、シェインバウム・メキシコ大統領との協議を経て、「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」対象の製品に関しては4月2日まで25%関税を猶予すると表明した。シェインバウム大統領の米政権に対する冷静な対応を高く評価する声もある。こうしたペソを取り巻く市場環境は通貨安局面の一服を示唆していよう。
なお、週足チャート上でも7.4-7.5円台に位置する13週移動平均線と26週移動平均線に迫っており、これらを上抜ければテクニカル面でも底打ち感が広がりそうだ。少し気は早いが、3月第1週に付けた7.065円前後で底入れするようなら、昨年9月安値6.990円前後との「ダブル・ボトム」形成への期待(ネックラインは昨年12月の戻り高値7.843円前後)が浮上することも考えられる。
メキシコペソ/円 週足チャート
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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