アマゾン配達中にけが 労災認定
プラットフォームを経由したギグワークの働き方はますます劣悪になっている。アマゾンの配達員は2年前には1日120個だった荷量がアマゾンがAIを導入して配送先を決める方式になった後に1日200個となり業務内容が過酷になっただけでなく、報酬が1個いくらといった歩合制から日当に変更されたことで、運んでも給料が増えることはなく、ただ過酷になっただけだという。
インターネット通販大手「アマゾンジャパン」に対しては、26日に東京都労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた労働組合「東京ユニオン」のほか、東北地方の配達員たちも今月労働組合を発足させ、アマゾンに団体交渉を求めている。個人事業主である配達員たちが問題視しているのは、多すぎる荷物量や、配達中にけがをしても労災が認められないといった立場の弱さがあるからだ。その実態を、組合側が明かした。
そして、昨年11月末には最大の商機であるブラックフライデーに合わせて「Make Amazon Pay」というキャンペーンが労働組合やNGOを中心に全世界で展開され、アマゾンは2022年第2四半期には3ヶ月間で1210億ドル(約18兆円)も売上があるにも関わらず、労働者の実質賃金が下がっているといった問題を提起した。
弁護団は「アマゾンが提供するアプリから配達に関する指示が出ていたことが重視された」とみている。労基署の詳細な認定理由は今後、男性側に開示される見込み。
彼らは「個人事業主」や「フリーランス」であるがゆえに、最低賃金や労災、有給休暇など労働者に与えられる様々な保護の対象外となっているが、実際には、契約上フリーランスとなっていても働く側にほとんど裁量がなく、実態は会社に雇われて働く労働者と同じ場合が少なくない。
アメリカでは今年5月、国内で初めてアマゾン配達員が労働組合を結成した。アメリカにはアマゾンから配送を請け負う企業が3000あるとされており、その内の一つであるカリフォルニアの企業で働く84人の配送員は、アマゾンとの直接交渉を求めてストライキに突入している。
また、アマゾンの倉庫でも問題が起こっている。アメリカのアマゾンの倉庫では2022年の1年間で3.9万件の労災が起こっているが、この労災発生率は他社の倉庫よりも70パーセントも多いとされている。
弁護団は、男性はアマゾンのスマホアプリを通じて配達先や労働時間が管理されていたことなどからフリーランスのような裁量はなく、「労働者」と判断されたとみている。
配達業務に携わる個人事業主が労災認定されたのは初めてということです。
男性を支援するアマゾン労働者弁護団は声明を発表し「労働者性を肯定し画期的」と評価。アマゾンと配達業務に当たる下請け会社に「全ての配達員を雇用契約とすべきだ」と求めた。
労組によると、男性はアマゾンの下請け運送会社と業務委託契約し、神奈川県横須賀市内の商品配達を担当。昨年9月、階段から落ちて腰を骨折し、今年9月末に労災が認められた。国による50日分の休業補償が決まったという。
男性はアマゾンの荷物を配達する運送会社と、雇用契約ではなく、業務委託契約を結んで個人事業主として働く。2024年3月に宮崎市内の集合住宅に荷物を運んでいたところ、外階段で足を滑らせて転落し、腰や胸の骨が折れる重傷を負った。
インターネット通販大手「アマゾンジャパン」の商品配達を委託された個人事業主の男性(65)が、配達中のけがについて、横須賀労働基準監督署から9月26日付で労災認定を受けた。男性と弁護団が4日、記者会見を開いて明らかにした。弁護団によると、認められたのは50日間の休業補償で、配達業務に携わる個人事業主が労災認定されたケースは初めてとみられる。
以上をまとめますと、アプリを通じて、配達先と労働時間が管理されていたことが重視されて、指揮監督を受けていたと評価でき、アマゾンの配達員は「労働者」に該当すると判断されたと考えます。
このような状況下で過労運転や自損事故が起こっているようだが、配達員に指示を送っているアマゾン自身はまだその責任をとっていない。
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