午前の為替予想は… 日銀会合とFOMCは据え置き予想 大幅円安の可能性あり
作成日時 :2025年3月19日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
ドル円予想レンジ
148.400-150.800円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は日経平均株価の大幅な上昇などを背景に、一時約2週間ぶりとなる149.94円前後まで上昇した。ただ、その後は米長期金利の低下や米株価指数の下落もあり上げ幅をほぼ失い、149.30円前後で取引を終えた。
本日は日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、政策金利が発表される。市場は日銀、FOMCともに政策金利を据え置くと予想している。日銀会合では声明や植田日銀総裁の会見から追加利上げの時期を巡るヒントが得られるかが注目となる。また、FOMCでは経済・政策金利見通し(ドットチャート)が公表される。米連邦準備制度理事会(FRB)メンバーの金利見通しやパウエルFRB議長の発言にに注目だ。市場は日銀の追加利上げやFRBの利下げについて、当局の見立てよりもやや先走っている感がある。植田日銀総裁やパウエルFRB議長の会見がともに市場の期待を削ぐ内容となれば、過去6週間に積み上がった円買いポジションの巻き戻しにつながる可能性があることから注意したい。その場合は、節目となる150.00円や3月3日高値の151.30円前後が上値目途として意識されそうだ。
今朝 最新のドル/円チャート
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 日銀会合とFOMCは据え置き予想 大幅円安の可能性あり
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、債券相場は米金利低下や日銀買い入れオペによる需給引き締まり期待などで堅調に推移していると指摘。過度な日銀12月利上げ期待の後退で「前週末に買い戻しとなった流れも続いているようだ」との見方も示した。
また、日銀、FRB、ECB(欧州中央銀行)総裁は金融政策委員会終了後、毎回記者会見を行い、市場との対話に努めています。この記者会見も重要です。
楽天グループの株価が大幅高。12月末時点で100株以上保有する株主に「楽天モバイル」の月30ギガバイト(GB)プランを1年間無料で提供すると6日発表した。アナリストのトラヴィス・ランディ氏はこの優待について、25年の加入者数を押し上げる可能性があるとスマートカルマへの英文投稿で予想した。
FOMCと日銀決定会合を経ても、円高方向への動きは限定的だと予想はしていましたが、正直想定外のドル高円安水準です。とは言っても、まだ155-160円のレンジ内で推移すると思われます。一方でここまで急激に円安が進むと、金融当局には「投機的な動き」と判断され、「口先介入」の口実を与えることにもなります。今日あたり、財務官や財務相からもそのような発言があるかもしれません。「実弾介入」に関しては、160円を超えなければないと予想していますが、それでもこのところの米金利の上昇スピードと、トランプ政権が始動すればさらに金利が上昇する可能性もあることを考えると、予防的な意味合いも含めて160円前にも「実弾介入」がある可能性は排除できません。いずれにしても「危険水域」に入っていることは間違いないと考えます。
東京外国為替市場の円相場は1ドル=150円ちょうど付近でもみ合い。米国の雇用統計を受けた12月利下げ観測の高まりが円の支えとなる一方、日銀の追加利上げ期待が低下している。来週の日米金融政策会合を見極める雰囲気が強かった。
本日のドル円は156円50銭~158円50銭程度を予想します。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、米利下げ期待の高まりで為替市場が1ドル=150円付近で落ち着いており、日銀が12月に慌てて利上げするとの期待が低下していることで債券が買いやすくなり、長期金利が1カ月ぶり水準に低下するなど中長期ゾーンはしっかりだと指摘した。
例えば、6日、米紙ワシントン・ポストがトランプ関税の対象品目が限定される計画があると報道しました。すると、全世界一律の関税ではないことからインフレ懸念が後退するとの思惑からドル安・円高に動きました。
日銀の金融政策については、先週のコミュニケーションを見る限り「利上げが12月なのか来年1月なのか、まだ決まってない感じだ」と述べた。その上で「今後どういった情報発信がなされるのか、来週の日銀会合に向けてヘッドラインリスクが大きい状況が続く」と指摘した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)のシニア・アナリスト、エリアス・ハダッド氏は「日銀の植田和男総裁の発言が円上昇の起爆剤となった」と指摘。ドル・円相場のテクニカルな支持線である151円60銭(200日移動平均線)を超えたことで、さらなるドル安・円高につながる可能性があると指摘。148円50銭近辺のトレンドラインの下値支持線が次の重要なサポート水準になるだろうと付け加えた。
米国債は年限全般で利回りが大幅低下。パウエル議長の発言に反応した。
ただし、ドル円の場合は、日本の企業決算の時期も考慮する必要があります。特に3月決算が多いため、年度末の3月や年度始めの4月には決算に関わる為替の需給要因が加わることに留意しておく必要があります。特に期末日の公示タイム(午前10時前後)には、予想外の動きをすることもあるため注意が必要です。
ノムラ・インターナショナルの通貨ストラテジスト、宮入祐輔氏(ロンドン在勤)は「日本側から見れば、日銀による0.25%への利上げはまだ小さな一歩だ。ただ最終的には、より大きなトレンドの始まりと見ることができるようになるかもしれない」と指摘。「市場の見通しがよりタカ派的になれば、円がさらに上値を伸ばす余地も大きくなる」と述べた。
午後3時半から始まった植田総裁の会見を、ブルームバーグが配信したライブ映像で見守りました。総裁が言葉を発するたびに円が大きく売られる展開は、前黒田総裁のそれを彷彿させるものでした。日銀は昨日の午前中に開催した金融政策決定会合で、政策金利を0.25%で据え置くことを決めました。政策金利据え置きは3会合連続となります。この会合では、田村審議委員が0.5%への利上げを提案しましたが、据え置き賛成多数で否決されています。この結果は、個人的な予想とも市場予想ともほぼ一致していました。市場にも「据え置き」はある程度織り込まれていたことから、円安が進むとしても限定的ではないかと考えていましたが、想定以上の円売り圧力でした。NYでは157円81銭まで円売りが進み、およそ5カ月ぶりのドル高水準を付けています。
日米の中央銀行が17日から19日にかけ、金融政策を決める会合を開く。米連邦準備理事会(FRB)の3会合連続の利下げが確実視されている一方、日銀は追加利上げを見送る可能性がある。
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