
重要な米金融イベントを昨日通過し、本日のニューヨーク為替市場では米経済指標を確かめながらの取引か。ドル円は、指標結果を受けた米金利の上下に付いて行く展開が続きそうだ。またマックレム・カナダ中銀(BOC)総裁の講演が予定されており、内容次第でカナダドルの動意に繋がるかもしれない。
18-19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、トランプ関税による不確実性の高まりにより、米成長減速とインフレ上昇が懸念されていることが明らかにされた。そういったなか、まずは本日発表される米国の3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や2月景気先行指標総合指数で直近の景況感を探ることになる。市場予想は、前者が8.5と前回から9ポイント超下回り、後者は-0.2%と低下幅は改善するもののマイナス水準のままだ。
また、予想から上下に振れると相場の動意に繋がることもある「前週分の米新規失業保険申請件数」も気にかけておきたい。予想は22.4万件と若干だが前回から悪化が見込まれている。このところ22万件台で落ち着いているが、23万件や21万件など大台が変わるようだと市場も反応するだろう。
なお昨日公表されたFOMCメンバーによる金利見通しでは、0.25%の利下げは年内2回までと前回見通しと変わらず。一方、CMEがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、市場は年内3回目についても可能性を捨てていない。この辺りの変化も、今後の経済データやトランプ関税の影響で見定めることになる。
マックレムBOC総裁の講演については、トランプ関税を発端とした米国との貿易摩擦の影響をどのように見ているかがポイント。また、今週発表された2月カナダ消費者物価指数(CPI)が想定以上に加速したことへの見解も注目したい。なお一部メディアは、カーニー・カナダ新首相が4月28日の早期総選挙を要求すると報じている。
想定レンジ上限
・ドル円、ピボット・レジスタンス1の149.69円
・ドル/カナダドル(CAD)、13日高値1.4452CAD
想定レンジ下限
・ドル円、14日安値147.75円
・ドル/カナダドル(CAD)、18日安値1.4270CAD
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY為替見通しドル円 米金利に付いて行く展開続く
日経平均株価がかつてない急落となり、証券会社には個人投資家からの問い合わせが相次ぎました。東京 中央区の証券会社にあるコールセンターでは、およそ20人の社員が客からの問い合わせにあたっていました。問い合わせは、午前9時の取り引き開始直後から相次ぎ、今後の経済や株価の見通しに関する問い合わせのほか、保有する株式を売却したいという内容も多かったということです。岩井コスモ証券東京コールセンターの本間大樹センター長は「電話の件数がかなり増えているので待ってもらう場合も出ている。焦らずに対応しようと思っているが、それ以上に株価の下がるスピードが速くなっている」と話していました。
「米経済 軟着陸か景気後退か 確認必要」UBS証券の守屋のぞみ株式ストラテジストは「ここまで日本株を引っ張ってきた外国人投資家が、日銀の政策の変化やアメリカの経済情勢の変化で考え方が変わったことが大きな影響を与えた。一気に円高が進んだ点も日本株の変化が大きく出た理由の1つだ」と分析しました。その上で、今後の見通しについて「8月は投資家の動きが少なくなる夏休みの時期で、この短い時間軸で急にポジティブな展開になることを見込むタイミングではない。来週はアメリカの小売りの販売や消費者物価の統計の結果も出てくるので、アメリカ経済がソフトランディング=軟着陸するか、リセッション=景気後退のリスクが高まるか確認していく必要がある」と述べ、アメリカの景気の動向が重要なポイントの1つになると指摘しました。
【ニューヨーク=竹内弘文】26日のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1ドル=158円台に下落した。7月17日以来およそ5カ月ぶりの円安・ドル高水準となった。米連邦準備理事会(FRB)は利下げペース鈍化の見通しを示し、日銀は追加利上げを急がない姿勢だ。日米金利差の縮小観測は後退し、ある程度開いた状態が続くとの思惑から円売り・ドル買いが膨らんだ。
FRBは17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決定した一方、FOMC参加者の2025年の利下げ回数見通しは9月時点の4回から2回に半減した。パウエルFRB議長は金融政策運営について「新段階だ」と述べ、堅調な米経済を背景に今後の利下げについては慎重に検討していく考えを示していた。
「冷静に株価水準や個別銘柄見ていく局面」岩井コスモ証券の林卓郎 投資情報センター長は「想定外であり、これほどの下げがあるかと正直驚いている。きょうの日経平均株価は午後になって下げが再び加速し十分な説明ができないような状況になっている」と述べました。そのうえで要因については「アメリカのハイテク株の下落に加えて今まで株価を支えていた円安の流れが円高に転換したことが大きい。特に先週、日銀が利上げを実施し、今後も利上げの可能性を示唆したので思った以上に円高が進んだ。為替の円高進行は日本の企業業績にとって痛手となるので日本のファンダメンタルズに疑念が生じたのではないか。さらにマーケットの激しい動きを利用して、売買を重ねる短期筋がポジションを強制的に縮小するきっかけになり得るので、そういう動きも重なったのではないか」と指摘しました。今後の見通しについては「相場が急変しているので落ち着くのに多少、時間がかかると思う。円高がどれだけ日本企業の業績に響くかや、アメリカの景気の動きを注視しつつも、これほどの下げを説明する投資環境の悪化は多分ないと思うので少し冷静に、株価水準や個別銘柄を見ていく局面に来ているのではないかと思う」と話していました。
「売りが売りを呼ぶ」三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、今回のかつてない株価の急落の要因について「日本の景気の先行きが大きく危惧される状況では決してなく、小さな売り材料が積み重なった結果、売りが売りを呼ぶ状況になり、株価が下げ止まらなかった」と指摘しました。その上で、今後の見通しについて小林主席研究員は「企業の決算が順次、発表されているが、内容を見ても決して悪くない。『ここが底値だ』と信じることができれば、買いも入って、株価も上昇するのではないか」と述べました。
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