
東京市場は一進一退か。米国株は19日は上昇し、20日は下落した。ダウ平均は19日は383ドル高となり、20日は11ドル安の41953ドルで取引を終えた。FOMCでは大方の予想通り政策金利は据え置かれた。年内2回の利下げ見通しが維持されたことや、パウエルFRB議長の会見が安心感を誘ったことなどから、19日は大きく上昇した。20日は序盤に買われる場面もあったが、失速して小幅安。トランプ大統領がSNSでFRBは利下げした方がはるかに良いと投稿したことで、政策不安が意識された。ドル円は足元148円70銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて65円安の37435円、ドル建てが30円高の37530円で取引を終えた。
強弱材料が入り交じる中、日本株は方向感に欠ける展開を予想する。FOMCを受けた19日の米国株が大きく上昇したことは安心材料。ただ、利下げ基調に変化なしとの見方から、ドル円は円高(ドル安)に振れている。20日の米国株は小幅安であったが、トランプ大統領がFRBに注文をつけるような投稿を行ったことで、この先も大統領の言動に振り回される状況が続くとの警戒がくすぶる。この先、大統領が利下げを強く要求するようであれば、円安(ドル高)に対する期待が大きく後退する。大型株は手がけづらさが意識されそうで、指数は不安定な動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは37500円-37900円。
(山下)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 今日の株式見通し一進一退か FOMCは波乱なく通過も円高は重荷
恒例の米大統領選のテレビ討論会は、今回、何かと異例な条件の下で開催されます。世界中が注目するイベントに、市場関係者も大きな関心を寄せており、移民政策やインフレ対策、さらには対中関係などが焦点となります。ただ、その一方で、市場関係者の間には、どこか冷静にこの一大イベントを迎えようとしている雰囲気があり、討論の内容自体が、目先の相場を大きく動かす材料にはなりにくいようにも思います。7月に入って程なくすれば、また企業の決算発表が本格化します。短期の株価動向を占う上では、むしろそちらの方が重要で、高値圏にある株価を正当化できるだけの実績と見通しを、企業側がきちんと示せるかどうかがポイントになります。
米国の景気減速懸念、日銀による利上げ、急激な円高進行、これら複合的な要因で過去最大級の下落を経験した株式市場では、依然として先行きに不透明感があります。過去の経験則から、一度大きく崩れた相場が立ち直るには、相応の時間がかかるとの見方が一般的です。その場合、当初想定した年内の強気の相場見通しを、より慎重に練り直すのも止むを得ないでしょう。ただ、だからといって、年末もしくは年度末に向けての相場の方向性を再考しなければならないような状況には至っていないように思います。7月に付けた過去最高値を、さらに更新するタイミングがやや先送りされたイメージです。長期投資の世界では、常に冷静さが求められます。
日経平均急落の背景には、ドル円相場(USD/JPY)で進む円高がある。25日には一時、1ドル=151円台をつけ、2週間で約10円も円高方向に振れた。日経平均の8日続落が始まった17日は、アメリカ大統領選挙の共和党候補、ドナルド・トランプ前大統領や河野太郎デジタル相の発言が円安是正の意図を示したとして材料視されたタイミングにあたり、円高見通しの強まりが日経平均に与えた影響の大きさがうかがい知れる。ドル円相場の26日のニューヨーク市場の終値は153.72円だった。
また、米国の株式市場をめぐっては30日以降、マイクロソフトをはじめとする大手ハイテク企業やアームの2024年4-6月期決算発表が予定されている。日銀の決定会合と同じ30、31日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く、米連邦準備制度理事会(FRB)の情報発信もドル円相場を揺るがすとみられ、日経平均の見通しにも影響が及びそうだ。
8月13日の大幅高の要因は、市場予想を下回った7月の生産者物価指数(PPI)と解釈されます。改めて、インフレ鈍化を示唆する内容が明らかになり、9月の利下げ見通しを補強する形となりました。そして、米国現地14日には消費者物価指数(CPI)、15日には小売売上高の発表を控えます。PPIの市場予想下振れを好感する流れからすると、CPIでも同様の傾向が示されることが期待されますが、悩ましいのはCPIと小売売上高がある程度、連動する傾向がある点です。CPIが弱めなら、小売売上高も弱めとなり、今度は米景気減速が嫌気される可能性もあります。米経済指標に対して、市場がその都度どのように反応するか、要注目です。
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