執筆:外為どっとコム総合研究所 小野 直人
執筆日時 2025年3月21日 15時03分
再び下降チャネル上限に抑制されることを期待!年度末控え見極めづらい展開も
米ドル/円、149円中心に振幅
米ドル/円は149.00円を中心に振幅。日米の金融政策を控える中で、ショートカバー主導で米ドル/円は149.93円レベルまで買いが先行しました。同水準からは149.10円レベルまで反落した後に、日銀の金融政策会合が思ったほどタカ派に振れなかったとの思いから、150.150円まで上値を広げました。ただ、年内の利下げ回数見通しが2回と12月の予想から変わらなかったFOMC(米連邦公開市場委員会)を受けて米ドル安が強まり、米ドル/円は148.173円まで下げ幅を広げました。もっとも、期末・四半期末を控えて積極的な取引は控えられた模様で、フロー主導で149円半ばまで戻すなど、結局、方向性は定まりませんでした。
(各レート水準は執筆時点のもの)
FX実践解説、相場分析&リアルトレード、ドル円などの注目材料
※相場動向については、外為どっとコム総研のTEAMハロンズが配信している番組でも解説しています。
日米当局ともに米関税策待ちの様相
米FOMCからは、年末のコアインフレ率が2.8%と12月見通し(2.5%)から上方修正された一方、成長率は1.7%(12月は2.1%)から下方修正され、米国のスタグフレーションが意識されています。トランプ大統領による大幅な政策変更に伴う不確実性が高まっていることが要因です。とはいえ、トランプ大統領の政策の影響が見通しづらいこともあり、それら政策が経済に及ぼす影響が一層明確になるのを待つことは可能だとし、次回以降の行動に対してはほぼ白紙の回答でした。かたや日銀も、「経済・物価見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整」していくとしながらも、「海外の不確実性、定量的に把握できる段階にはない」として、トランプ大統領による政策の影響を見極める姿勢を示しています。
日米ともに、トランプ大統領による4月2日の相互関税や自動車関税の結果を見た上で、次の行動やタイミングを精査していくのだろうと、考えています。来週発表の、米3月製造業・サービス業PMIや同3月個人消費支出(PCE)は、米景気や物価動向を確認する上で着目される指標で一応注目したいですが、トランプ大統領の政策に今後の経済見通しや物価動向が大きく影響されるため、これらの経済指標への注目度は高まり難そうです。引き続き米関税策に関連した米政府要人らの発言に注意したいです。また、月末・四半期末でフロー主導で値動きが定まりづらい展開が続く可能性もあります。
ちなみに、2月のPMIは速報値(製造業:51.6、サービス業:49.7)から確報値(製造業:52.7、サービス業:51.0)は上方修正され、2月後半に企業センチメントが持ち直した様子が明らかになっています。3月もその流れが続くのか注目されます。一方、PCEについては2月小売売上高が1月の鈍化から反発したことで、こちらもリバウンドが期待されますが、消費者心理が低下する中で全体的には消費の改善が遅れがちになる可能性もあり、米景気に対する安堵感は広がっても、強気な見方は広がり難いのではないかと、考えています。
チャネル上限付近の動向に注目(テクニカル分析)
米ドル/円は、期間21日のボリンジャーバンド(BB)が縮小期であるため、値幅が広がりづらく方向性が定まりづらいかもしれませんが、年初の高値158.866円(1月10日)からの下降チャネルがワークしているため、チャネル上限付近では売り仕掛けを検討したいと考えています。ただ、この抵抗帯を上抜けしてしまったときは、151.83円レベルの200日線に向けて下値を切り上げる可能性もあるため、売りポジションは決済して動向を見極めたいです。下方向は、BBの-2σラインが推移する147.25円レベルまでの調整はあるのではないかと、見ています。
【米ドル/円チャート 日足】
出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
予想レンジ:USD/JPY:147.000-151.000
3/24 週のイベント:
一言コメント
いや~。トルコリラの急落はすごかったですね。久しくこんな動き見ていなかったので、目が覚めました。
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来週の為替予想 米ドル 円
ドル円は、米大統領選でのハリス候補優勢との報道を受けて週明けは下落して始まったものの、投開票の結果が明らかになり、トランプ候補勝利との報道が続々と伝わると一気に買いが加速。一時154.71円まで買い上げられた。ただ、その後は急ピッチで上げた反動から失速。米長期金利の低下とともに152.70円まで調整売りに押されている。
2028年9月のドル円見通し。当月始値 167.58、最低 167.58、当月最高 174.38。平均 170.34。月末 171.80。変更 2.5%。
最新のドル円為替レート 150.59円。日の範囲の 149.09 - 150.99円。前日 149.78円。前日比 +0.54%。
2028年8月のドル円予想。当月始値 168.74、最低 165.07、当月最高 170.09。平均 167.87。月末 167.58。変更 -0.7%。
2029年1月のドル円見通し。当月始値 172.09、最低 171.92、当月最高 177.16。平均 173.93。月末 174.54。変更 1.4%。
この政治的転換を受けて、為替市場は早くも反応を示している。東京外国為替市場では、トランプ氏の勝利を受けて急激な円安ドル高が進行し、11月6日には1ドル151円台から一時154円台前半まで上昇、約3カ月ぶりの円安水準を記録した。新たなトランプ政権に市場は敏感に反応している。
2026年11月のドル円見通し。当月始値 155.68、最低 155.68、当月最高 161.61。平均 158.05。月末 159.22。変更 2.3%。
2029年2月のドル円予想。当月始値 191.12、最低 188.64、当月最高 194.38。平均 191.41。月末 191.51。変更 0.2%。
2026年10月のドル円予想。当月始値 151.67、最低 151.67、当月最高 158.02。平均 154.26。月末 155.68。変更 2.6%。
2026年6月のドル円予想。当月始値 153.04、最低 153.04、当月最高 159.99。平均 155.93。月末 157.63。変更 3.0%。
3月3日(月曜日)のドル円見通し: 為替レート 151.40、 最高 153.67、最低 149.13。 3月4日(火曜日)のドル円予想: 為替レート 152.12、 最高 154.40、最低 149.84。 3月5日(水曜日)のドル円見通し: 為替レート 152.18、 最高 154.46、最低 149.90。 3月6日(木曜日)のドル円予想: 為替レート 151.49、 最高 153.76、最低 149.22。 3月7日(金曜日)のドル円見通し: 為替レート 151.94、 最高 154.22、最低 149.66。
2/24に148円85銭へ下落したものの、昨年12/3の安値(148円65銭)を前に下げ止まり対欧州通貨でのドル買いとともに149円87銭へ反発。その後も2/25の仲値に向けたドル買い観測とともに150円30銭へ上昇したものの、トランプ大統領が中国向け半導体規制強化を示したことが嫌気されアジア株全般が軟調となったリスク回避が上値抑制につながり、米2月消費者信頼感指数の下振れを受けて148円57銭へ急落。ただ、2/26には米長期金利低下が一服し、150円手前へ反発した一方、米1月新築住宅販売件数が予想に対し下振れたことから149円台前半へ反落。ただ、2/27発表の米10-12月期PCEデフレーター(改定値)が上方修正されたことやトランプ大統領がカナダ、メキシコへの3/4の関税発動を表明し、米インフレ再燃への思惑から150円16銭へ上昇。一方、NY株式市場ではナスダックが大幅安となり2/28の日経平均株価の大幅安を受けて149円10銭へ反落したものの、米インフレ警戒とともに150円99銭へ反発。しかし、米・ウクライナ首脳会談が決裂、ユーロ円の下落とともに150円24銭へ反落し150円62銭で取引を終えました。今週は3/3に米2月ISM製造業景気指数、3/4にトランプ大統領の議会演説、3/5にADP全米雇用報告やISM非製造業景気指数、3/6に1月貿易収支、3/7に2月雇用統計と重要イベントが目白押し。こうした中、先週末2/28のウクライナ和平を巡る米・ウクライナ首脳会談決裂により、大統領選挙で掲げた公約の一つであるウクライナ和平を巡る停戦が遅れる可能性が高まったため、トランプ大統領は関税策による米経済の復活をより強硬に推し進めると見込まれ、3/4の議会演説が注目されます。先週末から続く、米インフレ再燃の思惑とともにFRBの追加利下げが一段と先送りされることになると見込まれる中、主要米経済指標を受けた米長期金利の反応とともにドル円は、日足・転換線(150円44銭)を下値支持線として基準線(152円57銭)を目指して再び円売り圧力が高まるか、3/5の内田日銀副総裁の会見を受けて日銀の早期追加利上げ観測にも円買いが限られることになるか注目されます。
10年後の2010年、日本のインフレ率は0.72%まで上昇しましたが、米国は1.64%にまで下がっています。ドル/円相場は1ドル87.78円まで下落しました。現在のインフレ率は、日本0.23%、米国0.62%、ドル/円相場は 107円となっています。このことから言えることは、インフレ率は為替レートに影響を与えるものの、それ以外の様々な要因も関係していることを明らかにしています。
第一週 3月28日(金曜日)のドル円見通し: 為替レート 149.95、 最高 152.20、最低 147.70。 3月31日(月曜日)のドル円予想: 為替レート 150.77、 最高 153.03、最低 148.51。 4月1日(火曜日)のドル円見通し: 為替レート 150.33、 最高 152.58、最低 148.08。 4月2日(水曜日)のドル円予想: 為替レート 150.82、 最高 153.08、最低 148.56。 4月3日(木曜日)のドル円見通し: 為替レート 151.34、 最高 153.61、最低 149.07。
2/24の8円17銭を高値に ?トランプ政権が南アに対する経済援助を停止したこと ?連立政権内で付加価値税引き上げを巡る意見の不一致により予算案提出が延期されたこと ?トランプ政権による関税政策への警戒感などがランド円の下落につながりました。また、2/26発表の1月消費者物価は前年比+3.2%と12月(+3.0%)から上昇したものの、南ア中銀のインフレ目標(+3〜6%)の下限に近く、反応が限定するとともに8円07銭へ下落。さらに、2/28にはドル円、クロス円の上昇とともに8円18銭へ上昇したものの、米・ウクライナ首脳会談の決裂を受けて南ア全株指数が2/3以来の水準まで下落して取引を終えたことから9/18以来の8円04銭へ下落し8円06銭で取引を終えました。先週予定の政権による予算案提出が延期されたほか、トランプ大統領が南ア最大の貿易相手国である中国に追加関税を課すと表明した影響が引き続き、今週も上値の重い動きが続くと見込まれます。こうした中、3/4発表の南ア10-12月期GDPや3/5の2月経済PMIが下振れる可能性や3/4のトランプ大統領による議会演説で関税強化策を表明することも想定されます。加えて、米2月雇用統計をはじめ主要米経済指標が上振れ、米長期金利が上昇に転じればランド売りが一段と加速する下振れに注意が必要です。
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