来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪CPIはRBAの追加利下げ期待を高めるか?」ハロンズ FX 2025/3/22 #外為ドキッ

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来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「豪CPIはRBAの追加利下げ期待を高めるか?」ハロンズ FX 2025/3/22 #外為ドキッ
 

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
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今週の振り返り

今週の豪ドル/円は94.02円前後で、ニュージーランド(NZ)ドル/円は85.42円前後で週初を迎えました。17日には翌日に米露首脳会談が開催されることがわかり、ウクライナ停戦への期待から世界的に株価が上昇。リスクセンチメントに敏感な豪ドル、NZドルが買われました。また、日米金融政策会合を控え米ドル/円がポジション調整とみられる動きで上昇したことも影響し、豪ドル/円は19日には一時95.75円前後まで上昇、NZドル/円は18日に87.37円前後まで上昇しました。その後は、世界経済の先行き不透明感や豪州、NZの景気悪化懸念などにより両通貨ペアともに上げ幅を失いました(執筆時)。

豪ドルは円や米ドルの動向に注意

20日に発表された豪2月雇用統計は雇用者数が市場予想の3.00万人増に反して5.28万人の減少となりました。豪州の雇用者数が減少したのは2024年3月以来となります。また、失業率は予想通り前月から横ばいの4.1%でした。雇用者数が減少したにもかかわらず失業率が横ばいだったのは、労働参加率が低下したためでした。豪統計局は「雇用者数が減少したのは、55歳以上の高齢労働者が減少したのが一因であり、15歳から54歳の雇用者は年間を通じて引き続き増加している」との見解を示しています。ただ要因は何であれ、これまで堅調だった豪州の労働市場に陰りが見えたという事実は変わりません。この豪2月雇用統計の結果を受けて、金利先物市場ではそれまで62%程度だった5月の豪準備銀行(RBA)理事会での追加利下げの織り込みが77%まで上昇しました。

来週は26日(水)に豪2月消費者物価指数(CPI)が発表されます。豪州の月次CPIを見ると2024年8月以降、RBAのインフレ目標である2~3%のレンジ内に収まっています。また、RBAが重視するコアCPIにあたるトリム平均CPIも2024年12月から2カ月連続で同レンジ内での推移となっています。市場予想ではCPIは前月から横ばいの前年比+2.5%です(トリム平均CPIの市場予想はありません)。市場予想を下回る結果となれば、追加利下げの織り込みがさらに進むことが予想されます。ただし、トランプ米政権の関税政策の影響により、世界経済の不確実性が高まっています。今週も、植田日銀総裁、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長、ラガルド欧州中銀(ECB)総裁、ベイリー英中銀(BOE)総裁と各国中銀のトップが「不確実性」という言葉を用いて、各金融会合ごとに金融政策の判断を下す姿勢を示しています。豪州は中国と交易関係が強く、中国は米国と関税合戦を展開しているため、その不確実性は一段と高いと予想できます。豪2月CPIが低下したとしても、RBAの追加利下げを期待した豪ドル売りは一時的なものにとどまりそうです。

【表1. 豪消費者物価指数の推移 】

 

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円の目先の上値目途は週足一目均衡表の転換線や3月18日高値の95.75円前後となりそうです。その上の水準では日足一目均衡表の雲がレジスタンスとして意識されそうです。
一方、下値は3月11日安値(91.82円前後)や3月4日安値(91.86円前後)がある、91.80円台が目先のサポートとして意識されそうです。その下の水準では2024年8月5日安値の90.08円前後や心理的な節目となる90.00円前後が下値目途になりそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:92.00-96.00、NZD/JPY:84.00-88.00

3/24 週のイベント:

03/26 (水) 09:30 豪 2月消費者物価指数(CPI)

一言コメント:

息子と年に何回かFC東京の試合を観に行きます。普段は雨が降っても大丈夫な屋根の下の指定席に座っています。ところが、先日息子が、「パパ、僕もうFC東京の歌覚えたから応援席(ゴール裏)でも良いよ!」と言ってきました。息子にとっては、みんなで飛び跳ねて歌うゴール裏はあこがれの地だったようです。私はビールを飲みながらゆっくり観戦したいです。

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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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来週の為替予想 豪ドル 円

豪ドル/円は2024年7月にかけて110円寸前まで上昇し、2007年に記録したこの間の高値を更新しました。これは米ドル/円が161円まで展開する「歴史的円安」となるなど、円全面安が展開した影響が大きかったでしょう。このため、米ドル/円が8月にかけて一転して暴落すると、豪ドル/円も90円割れ寸前までやはり暴落となりました(図表5参照)。

こうした中で、豪ドルは10月下旬以降すでに1ヶ月以上52週MA(移動平均線、11月末現在0.66米ドル)を下回ってきました。さらに52週MAを下回る動きが続くようなら、豪ドル/米ドルは小動きが続く中でも、基本的には下落トレンドが展開している可能性が高いとの見方になります(図表4参照)。

2024年254営業日目は154.77円からスタート。東京時間朝に154.43円まで下落したが下げは限定的だった。今週のFOMCでFRB(米連邦準備理事会)が来年の利下げを9月時点の年4回(1.0%)から2回(0.5%)に狭める見通しを示したことに加え、日銀(日本銀行)がこの日の会合で政策金利の据え置きを決めたことで、円売りが加速した。

52週MAは11月末現在で100円弱ですが、過去の経験を参考にすると、下落トレンドに転換した豪ドル/円は、一時的な上昇局面でも52週MAを大きく上回ることなく一段安に向かう可能性が高いと考えられます。

来週さらに大荒れ予想のドル/円相場、円高と円安のメドは?

豪ドルは荒い値動きに警戒が必要となるだろう。来週は豪州から特段のイベントや経済指標の発表が予定されておらず、基本的には米ドルや円相場など外部要因に振らされる見込み。

その他では23-24日に控えている日銀の金融政策決定会合にも注目。今週は植田日銀総裁が「来週の会合で利上げなど行うか判断」との見解を示したことを受けて、日銀の早期利上げ観測を意識した円買いが強まる場面も見られた。実際に利上げに踏み切るかは不透明だが、会合直前まで豪ドル円なども含めた円相場は思惑的な動きに振らされそうだ。

以上を踏まえると、2025年の豪ドル/米ドルは、2024年のレンジを下方修正し、0.6~0.7米ドル中心での展開と予想したいと思います。

このような値動きは、過去の経験を参考にすると、豪ドル/円がすでに7月109円で天井を打って、複数年続く下落トレンドに転換した可能性が高いことを示すものです。

豪ドル/円の5年MAかい離率は、2024年7月に110円まで上昇した局面で25%程度まで拡大しました。これは、2007年に記録した過去最高にほぼ肩を並べるものでした(図表7参照)。その意味では、5年MAとの関係で見た場合、2024年の豪ドル/円はほとんど過去最高の「上がり過ぎ」という動きだったのでしょう。

しかし短期的には注意が必要だ。前回7月に158円台まで円安が進んだ時、トランプ次期大統領が「米国はドル高で大きな問題を抱えている」と懸念を示したことで、ドル/円は2円近く急落した。中期的な円安トレンドは変わらないとしても、海外市場がクリスマス休暇で流動性が低くなる今週末から来週にかけては用心が必要だ。

こうした中で豪ドル/円は52週MAを大きく割り込みました。その後の反発で一時52週MAを回復したものの、最近にかけて再び52週MAを大きく割れるところとなりました(図表6参照)。

予想レンジは、85~102円で想定したいと思います。

豪ドル/米ドルは、小動きが続く中でも、最近にかけての金利差変化からかい離する形で下落傾向が続き、年初来の安値更新含みの展開となりました。これには中国経済の不振の影響などがあるのかもしれません。

豪ドルは対ドルでは前週までの反動から買いが進んだ。豪ドル円もつれて98円手前まで下値を切り上げる場面が見られたが、日銀の追加利上げ観測が高まった週央以降は売りに押される展開となり、96円台前半まで反落した。

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