
今晩は上値の重い展開か。昨日は4月2日に発動される相互関税を巡り、多くの国が免除される可能性が報じられたことで貿易戦争への過度な警戒感が後退し、リスクオンの動きが強まった。ダウ平均が597.97ドル高(+1.42%)、S&P500が1.76%高、ナスダック総合が2.27%高と主要3指数はそろって2営業日続伸した。ただ、月初来ではダウ平均が2.87%安、S&P500が3.14%安、ナスダック総合が3.49%安とそろって大幅に2カ月続落ペースとなった。
今晩はセンチメントの改善を背景に反発継続が期待されるものの、前日までに2営業日続伸したことや、トランプ関税について不透明感が残ることなどで上値の重い展開か。また、3月14日に発表された3月ミシガン大消費者信頼感指数速報値が予想以上に悪化したことで景気後退懸念も強まっており、3月消費者信頼感指数や2月新築住宅販売件数などの経済指標にも要注目となる。
今晩の米経済指標は3月消費者信頼感指数、2月新築住宅販売件数のほか、1月S&Pケースシラー住宅価格指数、3月リッチモンド連銀製造業総合指数、同サービス業売上高指数など。このほか、クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事やウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の講演なども予定されている。企業決算は寄り前にマコーミックが発表予定。(執筆:3月25日、14:00)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し NY株見通しー上値の重い展開か 経済指標は3月消費者信頼感指数など
主要経済指標の中では、やはり4月4日発表の3月の米雇用統計が注目となる。非農業部門雇用者数(NFP)は14万人増と、前月の15万1000人増を下回る見通しである(ダウ・ジョーンズ調べ)。仮にそうなると直近3ヶ月の雇用者増加数の平均は2024年10月以来の低水準になる。このところの各種指標からは米消費者の慎重姿勢の強まりが目立っているだけに、結果が下振れし雇用の鈍化が鮮明になると、米株式市場中心にリスクオフ・センチメントはさらに広がりそうだ。
さらに今週は4日の米雇用統計発表直後にパウエルFRB議長が経済見通しについて講演を行う予定となっているのも興味深い。結果に対しどのように言及するのか。同じ日にバーFRB理事、ウォラーFRB理事の講演も予定されている。
こうした中で今週(3月31日週)もNY金の堅調展開は続くとみられる。広範な米関税政策はいまや世界経済の先行き見通しを曇らせており、米国発の株安は世界同時株安の様相を呈すると、金市場への逃避資金の流れを加速させる。一方、2024年まではリスクオフに際して買われた米ドルは、現在むしろリスクオフで売られる状況にあり、米ドル/円相場が円高に振れることから国内金価格には押し下げ要因となる。
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