個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2025年3月26日14時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
先週からドル/円は東京時間は底堅い値動きを続けておりました。
147-148円台で推移していたものの、今週は150円に乗せてきており、下落トレンドに一服感が見られます。
理由としましては、4月2日のトランプ関税発表に向けたポジション取りの影響が大きくなってきたこと、一部の関税に減免措置報道があったことはリスクオンでもあり、日本に関税がかかればリスクオフなのですが、ドル高円安で反応するでしょうから、これはリスクオフのドル/円上昇とも捉えられます。
この値動きに賭け始めたのは今週からです。向こう1週間は買いトレード優勢で考えております。
【参考】
https://jp.reuters.com/markets/commodities/FEPOUR53XBIELF4QB3TYGSJ66I-2025-03-24/
ドル/円、下降トレンドラインを明確にブレイク
出所:TradingView
ドル/円日足チャート分析です。
下降トレンドラインを明確に抜けてきてテクニカル的には反転上昇サインと見られやすいでしょう。
またRCI26(水色)は明日にでも0.00ラインをブレイクしそうです。
RCI的にこのタイミングから強い上昇トレンドが発生しやすく、一定の警戒が必要になります。
しばらくドル/円は下落で収益をあげてきましたが、今週は短期的に買いトレードで回し始めております。トランプ関税リスクは残りますが、ドル/円はもう一段高の可能性があると考えます。目先151円台後半で推移するSMA200(橙)に一度タッチしにいくようにも見えます。向こう1週間ドル/円は上昇目線としたいと思います。
ドル/円、SMA200からの押し目を狙う
出所:TradingView
ドル/円4時間足チャート分析に移ります。
下降トレンドラインとSMA200(橙)が近い位置に存在し、150円手前はテクニカル的にサポートされやすそうです。
ネックライン151.28円付近まで再上昇すればブレイクする可能性が高いと考えており、その場合は日足SMA200まで上値を伸ばすことになるでしょう。
現状からまだ1円以上は上昇余地があるため、買われやすいと考えます。
よってドル/円は向こう1週間、150円前半から買い下がるイメージで1-1.5円幅を抜きに行くトレードを意識したいと考えております。
日本、長期金利上昇はやはり不穏
出所:TradingView
日本の長期金利も上昇してきており、個人的には見通しの修正が必要になってきたように感じています。金利がこれほど上昇しても円が買われない状況を考えると、少々危険ではないのでしょうか。もしかしたら思わぬ通貨安相場があるようにも思えます。
今年に入ってから毎月0.20%前後ずつ上昇してきており、このペースですと月末までに1.60%を超えることになります。
5月末に2.00%でしょうか?さすがに2%ともなれば、国内金融機関の評価損が巨額になりつつありますので、金融危機に発展しかねません。
結局国債の買い支えを実行しなければならない状況と年内1度ぐらいは話題にあがるのではないのでしょうか。
そうなりますと、円の増刷になりますのでドル/円は上昇要因です。
ドル/円が上昇するとインフレ率はさらに上昇します。輸入物価はまた急騰し、国内景気が冷え込むので株式市場も下落することになるでしょう。
このあたりは日本円にとってはかなりネガティブです。通貨安防衛よりも国債下落を先に止めねばならない状況になるでしょうから、通貨安対策は後回しにせざるを得ない状況になってくると考えます。
4月2日以降、トランプ関税がひと段落したあと、このテーマが市場の中心になるかもしれません。なってしまった場合、再び160円方向に動き出すと思いますので念のため注意しておきましょう。
【ひろぴー氏出演動画】

ひろぴー
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。
2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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こうした中で 米ドル買いも急増したようだ
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は前日比1.73ドル(2.5%)高の1バレル=70.35ドル。前日付けた昨年12月10日以来の安値からは持ち直したが、月間では昨年9月以来の大幅安となる見通しだ。ロンドンICEの北海ブレント4月限は2.1%上げて74.04ドル。
トランプ政権の4年間、10年国債利回りは日米とも、基本的には両国の金融政策に沿った動きとなり、ドル円は米大統領選挙後のトランプ・ラリーがドル高・円安のピークで、その後は米中対立やコロナの影響でドル安・円高が進行しました。以上を踏まえると、米大統領選挙で誰が勝利しても、日米長期金利やドル円の方向性は、新大統領の経済対策や米中関係、日米の金融政策によるところが大きいと考えられます。
1月の米ドル/円は上値を試す展開が先行し、前月の高値を更新、一時159円近くまで上昇しました。ただ、20日のトランプ大統領就任式が近づくなかで徐々に下落が広がり、月末にかけて一時154円を割れる展開となりました(図表1参照)。
さらに日経平均にとってはドル円相場(USD/JPY)で進んだ円高も悪材料となった。日本銀行の追加利上げ観測が背景となって、日本時間の7日朝に一時、1ドル=150.96円をつけた後、152円台まで円安に振れたが、米国の1月雇用統計発表後には再び円高が進み、8日未明には150.93円をつけている。雇用統計は平均時給の伸び率の高さが米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しを弱める一方、労働市場の堅調さも示されていた。
ひとつ気になるのは、米ハイテク株の相対的な「上がり過ぎ」が2000年のITバブル並みに拡大していた点である(図表4参照)。今回株急落のきっかけとなった「中国のスタートアップ企業、DeepSeekのAIモデルが米欧企業の優位性を崩す」ということが、果たしてそのような「バブル破裂」をもたらすだろうか。それは、「トランプ関税」リスクを見込んだ取引、債券買い、米ドル買いなどの逆流も左右しそうだ。
個別企業のニュースとしては、アポロ・グローバル・マネジメントがメタ・プラットフォームズの約350億ドル調達を率いる方向で交渉中。テスラはカリフォルニア州で配車サービスを始める認可を申請。アマゾン・ドット・コムのクラウド部門は同社初の量子コンピューティングチップを発表した。
ただし、ともに金利低下傾向のなかでも金利水準はもちろん「米国>日本」ですから、金利差は米ドル優位・円劣位縮小となりました。そして、日米の金利差が縮小に沿う形で米ドル/円も反落したのでしょう。
減税については、米景気にはプラスだ。同時に、長期金利には上昇圧力がかかるため、為替市場という面からは、どちらかといえば米ドル高になりやすいというのがコンセンサスだ。
米ドル買い越しのほぼ半分を占めたのがカナダドル売り越しで、一時は過去最大規模に拡大した(図表3参照)。これは、トランプ大統領がカナダからの輸入に25%の関税を課すと述べてきたことが理由だと考えられる。
以上のことから、1月27日の米ドル急落は、「トランプ関税」関連の取引の逆流が基本だったのではないか。そうであるなら、さらに「トランプ関税」関連の取引、債券売り、米ドル買いなどの逆流が広がるかは、株安、リスクオフがどこまで拡大するかが鍵になるだろう。
金スポット価格は一時1.7%下落。ドル買いが優勢となり、外国人投資家にとってはドル建てで取引される金の割高感が強まった。週間では12月末以来のマイナスとなる見通し。最高値更新が続くなど、金価格は年初来9%余り上昇していることもあり、足元では利益確定の動きが出ている。
金スポット相場はニューヨーク時間午後2時52分現在、前日比36.80ドル安の1オンス=2879.59ドル。ニューヨーク商品取引所の金先物4月限は前日比34.70ドル(1.2%)安の2895.90ドル。
・1月の米ドル/円は、20日のトランプ大統領就任前後から反落に転じた。「トランプ関税」への警戒感による後退で、米金利が低下したことが主因か。
こうした中で、米ドル買いも急増したようだ。ヘッジファンドの取引を反映するCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の米ドル・ポジション(主要5通貨で試算)は、買い越しが30万枚を大きく上回るまで拡大した(図表2参照)。これは、経験的に米ドルの「買われ過ぎ」懸念が強くなった可能性を示すものでもあつた。
先週は「DeepSeekショック」を背景にリスクオフムードが高まり「円高ドル安」進行の場面がみられた為替市場。「トランプ・トレード」の修正も進むなか、2月第1週の米ドル/円はどのように展開するのでしょうか。マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が解説します。
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