
東京市場は軟調か。先週末の米国株は下落。ダウ平均は715ドル安の41583ドルで取引を終えた。発表された経済指標から、景気が減速する中でインフレが続く「スタグフレーション」に対する警戒が高まり、幅広い銘柄が下落した。ドル円は足元149円50銭近辺で推移している。CME225先物は円建てが大証日中終値と比べて630円安の36380円、ドル建てが545円安の36465円で取引を終えた。
米国株の大幅安を受けて、売りに押される展開を予想する。ナスダックが2.7%安と大きくな下げとなっており、グロース株に対する売り圧力が強くなると思われる。トランプ政権が関税強化に注力する姿勢を変えない以上、インフレに対する警戒はくすぶり続ける。CME225先物からは大幅安スタートが想定される。米国株の下げ止まりに対する期待が大きく後退した中、安く始まった後も下値を探る動きが続くだろう。日経平均の予想レンジは36200円-36800円。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
見通し 今日の株式見通し軟調か インフレを警戒してダウ平均は715ドル安
セクター別では、不動産管理・開発や自動車関連が買われた一方で、医薬品・バイオテクノロジーが利益確定売りに押されました 。ハイテク株もまちまちでしたが、ナスダックは+0.46%と小幅に続伸しています。個別では、中古車販売のカーバナ(CVNA)がアナリストによる投資判断引き上げで急騰し、配車サービスのリフト(LYFT)もエンジン・キャピタルによる保有比率引き上げ報道(経営戦略の見直し要求を目的としたもの)を受け大幅高となりました 。またアルファベット(GOOG)は、自動運転子会社ウェイモが翌年からワシントンD.C.での配車サービス開始計画を発表し上昇しています 。一方で住宅建設のKBホーム(KBH)は決算で慎重な通期見通しを示したことが嫌気され、続落しました 。引け後にはゲーム小売大手ゲームストップ(GME)が第4四半期決算を発表し、調整後1株利益の予想上振れに加えてビットコイン購入を準備資産として取締役会が承認したことが明らかになりました 。これを受け同社株は時間外で急伸しており、投機的な動きも健在です。
またセクター間の資金ローテーションも顕著でした。貿易摩擦リスクに直面した自動車セクターでは、関税メリットを享受しやすい国内EVメーカー(例:テスラ)に資金が集まり、逆に海外生産比率の高い旧来型自動車メーカー(例:GM、フォード)は売り込まれる動きが見られました 。半導体セクターも、週初はAI需要期待でAMDやエヌビディアが買われましたが 、中国市場リスクが浮上すると一転して売りに転じています 。一方、生活必需品や公益など不況耐性のあるセクターには後半資金流入が見られ、典型的なリスクオフの資金移動が起きたといえます。週間騰落率でもハイテク色の強いナスダック総合指数が-2.6%と、ダウ平均の-1%前後に比べ下落が大きく、投資家がハイバリュエーションのIT・半導体株から資金を引き揚げた様子がうかがえます 。このような急激な心理変化の背景には、FRBの金融政策見通しも影を落としています。年内利下げ期待が後退しつつある中で、関税インフレが現実化すれば「今は嵐の前の静けさであり、数ヶ月以内にインフレは再加速する可能性が高い」という市場関係者の指摘も出ています 。投資家は将来のインフレ・利上げリスクを織り込み始め、防御的姿勢を強めたと言えるでしょう。
主要IT・半導体企業の業績動向も忘れてはなりません。4月中旬以降には2025年1-3月期の決算シーズンが本格化し、マイクロソフトやアップル、インテルなどのハイテク大手が最新の業績と見通しを発表します。足元では半導体需要に陰りが見られるものの、生成AIやクラウドへの構造的需要は強く、企業側が中国リスクや関税影響をどう織り込んだガイダンスを示すかがポイントです。特にエヌビディアやAMDといった半導体企業が米中規制やデータセンター需要について言及すれば、関連株のセンチメントを左右するでしょう。またアップルやテスラなど中国市場依存度の高い企業のコメントにも注意が必要です。
特にIT・半導体などグロースセクターへの打撃が顕著でした。朝方から大手テック企業には売りが殺到し、アップルが-2.7%、マイクロソフトが-3.0%、アマゾン・ドット・コムは-4.3%の急落となりました 。ハイテク主力株の下落率はダウ平均を上回り、市場全体の調整局面を主導しました。個別の材料もネガティブなものが目立きます。ソフト大手オラクル(ORCL)は米国防総省が人事管理で同社ソフトの使用計画を撤回したとの報道で売られ、Facebook親会社メタ・プラットフォームズ(META)もEU当局から巨額制裁金が科される可能性が報じられ下落しました 。また決済のペイパル(PYPL)は欧州連合が米関税への報復措置として同社サービスに追加手数料を課す可能性を示唆し売り込まれています 。半導体関連も総崩れで、この日のSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)は大幅安となった模様です(個別銘柄の下落率は後述のとおり)。一方、前日に売り込まれたアップラビン(APP)は空売り調査のため法律事務所に依頼したことや複数アナリストが投資判断を据え置いたことが伝わり、買い戻しが入り反発しました 。消費関連ではヨガウェアのルルレモン(LULU)が発表済みの決算で示した通期見通しが市場予想を下回ったことを嫌気され、14%安と暴落しています 。唯一の明るい材料はディフェンシブ資産で、この日は公益事業セクターが指数で上昇し、金価格の上昇を受けて金鉱株(ハーモニー・ゴールドなど)がそれぞれ9.5%、4.5%高と買われました 。このように投資家のリスク回避姿勢が一気に強まったことから、恐怖指数(VIX)も約3ポイント急上昇し1週間ぶりの高水準となっています 。
最後に投資家心理とテクニカル指標にも目配りが必要です。VIX指数が再び高水準に達したこと や、主要指数が50日移動平均線近辺まで下落したことで、短期的な売られすぎ感も出始めています。経験豊富な投資家は、過度な悲観が広がった局面での押し目買いチャンスと、悪材料出尽くしによるリバウンドのタイミングを計ろうとするでしょう。一方で、関税措置の具体化によっては企業業績見通しの下方修正が相次ぐ可能性もあり、楽観は禁物です。まさに「嵐の前の静けさ」が破られるのか、それとも杞憂に終わるのか、今後数週間の展開に市場の注目が集まっています。
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