女性は中居氏から性暴力 第三者委
その上で、今回のトラブルをめぐるフジの対応について、幹部らが「プライベートの問題」と認識していることが女性に伝わり、女性に「会社は守ってくれない」「会社から切り離された」という孤独感や孤立感を感じさせたと批判。報告書は、一連の会社の対応について「被害者ケア・救済の観点からも不十分な対応だった」との見方を示した。
フジテレビのスポンサー企業の間では、一連の問題をめぐる会社の対応を問題視して自社のコマーシャルを見合わせる動きが続いています。フジテレビは、ことし1月17日に初めて記者会見を開きましたが、映像の撮影を認めないなど制限を加え、閉鎖的な会見だったことに批判が強まりました。さらにガバナンスや人権の観点からの懸念が払拭(ふっしょく)できないなどと受け止められたことから、企業の間で自社のコマーシャルを見合わせる動きが広がりました。これを受けてフジテレビは、企業が自社のコマーシャルを公益社団法人の広告に差し替えたものとキャンセル分については料金を請求しないことにしました。これに伴って広告収入が大幅に減少することから、ことし1月30日、親会社のフジ・メディア・ホールディングスは、ことし3月期決算の業績の見通しを下方修正し、グループ全体の売り上げは前の期の実績より3.2%減って5482億円、最終的な利益は73.6%減って98億円となる見通しだとしています。2月も多くの企業がコマーシャルを見合わせ、フジテレビの「放送収入」は前の年の同じ月よりおよそ9割減ったということで、ことし3月期のフジテレビ単体の通期決算が最終赤字となる可能性もあるという見方も出ています。このため、会社は信頼回復を急ぐため、3月27日、経営体制の大幅な見直しを公表しました。しかし、4月以降、7割弱のスポンサー企業が自社のコマーシャルを放送するかどうか、判断を保留しているということで、依然、業績回復の見通しは立っていません。フジテレビの清水賢治社長は今月28日、記者団に対し「第三者委員会の報告とその後の会社の改善策を企業の皆さんは見ているので、信頼を取り戻すため、着実にやっていく」と述べていました。
一連の問題の発端は、国民的アイドルグループの元メンバーで、テレビ番組の司会や俳優として活動していた中居正広氏と、女性との間でおととしトラブルがあり、解決金を支払ったとする記事が去年12月、「女性セブン」(19日発売)や「週刊文春」(26日発売)に掲載されたことでした。中居氏は民放で複数のレギュラー番組を抱えていましたが、民放各社は急きょ、放送をほかの番組に差し替えたり出演シーンをカットしたりするなどの対応をとりました。こうした中、中居氏は1月9日、自身の事務所のホームページでトラブルがあったことを認め「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました。心よりお詫びを申し上げます」などとするコメントを出しました。しかし、その後も批判は収まらず、中居氏が出演していた番組の放送終了や降板が相次いで決まり、1月22日、レギュラー番組はすべてなくなりました。さらに翌日、中居氏はファンクラブのサイトや事務所のホームページで芸能活動の引退を表明する文書を公表しました。この中では、これまで携わったテレビ各局などとの打ち切りや降板、契約解除などに関する会談がすべて終了したとしたうえで「これで、あらゆる責任を果たしたとは全く思っておりません。今後も、様々な問題、調査に対して真摯(しんし)に向き合い、誠意をもって対応して参ります。全責任は私個人にあります。改めて、相手さまに対して心より謝罪申し上げます」などとしていました。
フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスがことし1月に設置した第三者委員会は中居氏と女性とのトラブルをめぐる事実関係や会社の対応について調査してきましたが、31日、両社の取締役会に対して報告書を提出します。報告書の焦点です。▼中居氏と女性とのトラブルの経緯についてどう説明するか。▼トラブルへの会社の関与の有無。▼類似の事案はあったのか。▼芸能人と社員とのこれまでの関係に問題がなかったか。▼トラブルを把握したあとも、中居氏をおよそ1年半にわたって番組に起用し続けたのはなぜか。▼トラブル把握後の社内での情報共有、対外的な公表の方法など会社の対応は適切だったか。▼会社のガバナンスや企業風土に問題はなかったか。▼日枝久氏がグループの実力者として長年にわたって経営に影響力を及ぼしてきた問題をどう評価し、言及するか。▼一連の問題に対する経営責任の所在についてどう指摘するか。▼再発防止や経営再生、役員人事など新体制に向けた提言について。第三者委員会の報告書ではこうした点についてどのような指摘があるかが焦点となります。
フジとFMHは今年1月23日、日本弁護士連合会のガイドラインに基づき、フジと利害関係を有しない弁護士で構成する第三者委を設置。第三者委は関係者からの聞き取りなどを進めてきた。
第三者委の竹内弁護士らは31日午後5時から会見する。それを受けて、フジの清水賢治社長も午後7時から会見し、再発防止策などを示す方針だ。
第三者委は報告書で、トラブルが起きた会合について、中居氏が誘ったもので「(フジ)社員が関与した事実は認められなかった」としたものの、中居氏と女性との間には「圧倒的な権力格差のある関係性が存在する」とし、女性は「やむなく断れずに食事に行っただけ」などと指摘。「中居氏と女性との関係性や両者の権力格差、タレントと社員との会食をめぐる業務実態などから『業務の延長線上』における性暴力であったと認められる」と結論づけた。
第三者委は「人権侵害が行われた可能性のある事案」とフジが説明してきたトラブルへの社員の関与や、中居氏を番組に起用し続けるなどした事後対応の不備の原因、類似事案の有無などについて関係者に聞き取り調査をし、分析を進めてきた。
事後対応については、フジが会社としてトラブルを把握した後も、女性のプライバシー保護を理由に、コンプライアンス(法令順守)部門と情報共有しなかったことが判明。中居氏に対して正式な聞き取り調査をしないまま、1年半にわたって番組に出演させていたことも明らかになっていた。
この問題では、1月17日に港浩一社長(当時)らが記者会見をしたものの「説明責任を果たしていない」などと批判を浴び、スポンサー離れが一気に広がった。それを受け、フジとフジ・メディアHDは1月23日、日本弁護士連合会のガイドラインに基づき、弁護士3人で構成する第三者委を設置した。
31日公表されることになっている第三者委員会の報告書について、メディア論が専門の同志社女子大学の影山貴彦教授に注目点を聞きました。影山教授は中居正広氏と女性とのトラブルにフジテレビの社員が関与していたのかどうかと、問題が発覚したあとの会社としての対応の問題点について、どう書かれるかが注目点だとしたうえで「中途半端なものになっては絶対にいけない。報告書の中身が具体的か抽象的かで大きな印象の違いがあり、いろんな制約はあると思うが、具体的なことがしっかり語られることが求められている。個人情報を守ったうえで報告書にまとめることはできるはずであり、必須だ」と指摘しました。また「仮に報告書がフジテレビの対応について厳しく問題があったと明記しているのであれば、フジテレビは真摯(しんし)に受け止めて、これからのアクションに向けて速やかに動くことが必要だ」としました。さらに、経営刷新された経営陣が、第三者委員会の報告書が公表された後にどう対応するのかも注目すべきだとし「勝負はきょうあすだ。フジテレビがどういう対応をするのか、社会は厳しく見ている。真摯に番組作りを頑張っている社員やスタッフのために経営陣は全力で頑張ってほしい」と話しています。
「女性のため」?
結論として「以上のとおり、中居氏と女性Aとの関性、両者の権力格差、CXにおけるタレントと社員との会食をめぐる業務実態などから、本事案は、CXの「業務の延長線上」における性暴力であったと認められる。本事案の報告を受けた港社長ら3名は、本事案の2日前に行われたBBQの会に女性が参加していた事実を認識していなかったが、番組出演者である中居氏とCXアナウンサーである女性Aの関係性が番組共演を通じたものであることは十分に認識可能であった」と指摘。
元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルを巡る一連の問題で、フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)が設置した第三者委員会(委員長・竹内朗弁護士)の調査報告書が31日、公表された。
中居正広氏と女性とのトラブルをめぐる一連の問題への対応を検証するため、フジテレビと親会社が設置した第三者委員会は、31日午後、両社の取締役会に調査結果を報告します。トラブルへの会社の対応やガバナンスの問題などについて、どのような指摘があるのかが焦点となります。
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