
1日の香港市場は上値の重い展開か。トランプ大統領が3月30日、4月2日に発表予定の「相互関税」は「すべての国」を対象とするだろうと述べたことで、関税がより限定的なものになるという期待が後退しており、トランプ関税への警戒感が引き続き相場の重しとなりそうだ。
ただ、ハンセン指数は前日に続落し、終値で3月4日以来およそ4週間ぶりの安値を付けた後とあって、値ごろ感の出た銘柄を中心に買い戻す動きが期待できる。一方、日本時間午前10時45分に中国メディアの財新が3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)を発表する。
3月31日のNY株式相場はまちまち。ダウ平均とS&P500が上昇し、ナスダック総合が下落した。4月2日に発動されるトランプ関税への警戒感が強まり不安定な動きとなったが、月末、四半期末の持ち高調整の買いでディフェンシブ株が買われ相場を支えた。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、テンセント(00700)が香港終値を上回って引けた半面、美団(03690)やHSBC(00005)、アリババ集団(09988)が下回って引けた。
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
今回発表の3月分は49.9と 節目の50を下回る見通しだ
さらに今週は4日の米雇用統計発表直後にパウエルFRB議長が経済見通しについて講演を行う予定となっているのも興味深い。結果に対しどのように言及するのか。同じ日にバーFRB理事、ウォラーFRB理事の講演も予定されている。
一方で、トランプ氏の経済顧問ケヴィン・ハセット氏は、こうした暗い見通しを示す人々に反発している。
国内では日銀短観が発表になる。注目される大企業・製造業の業況判断DIは悪化が見込まれる。トランプ政権が鉄鋼製品とアルミニウムに関税を課したことで部品の調達や生産に影響を受けた企業が出ていることや、年明けから円高傾向となったことで輸出の採算が悪化したことなどがその理由だ。先行きの景気判断についても、アメリカの関税政策の不透明さが増していることなどを理由に悪化する見通し。問題はその程度である。短観では設備投資計画にも注目したい。
米国の主要な経済指標の発表は、3月31日にシカゴ購買部協会景気指数、4月1日に製造業PMI(確報値)、JOLTS求人件数、ISM製造業景気指数、2日にADP雇用レポート、3日に週次新規失業保険申請件数、サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、ISM非製造業景気指数、そして週末の4日に雇用統計と続く。雇用統計の重要性は言うまでもないが、まずは4月1日に発表されるISM製造業景気指数が最初の関門だ。前回2月のISM製造業景況感指数は50.3と、景気判断の分かれ目である50を上回ったものの市場予想を下回った。今回発表の3月分は49.9と、節目の50を下回る見通しだ。景気悪化懸念が一段と強まり、米国株の底入れが見えない状況になる恐れがある。
主要経済指標の中では、やはり4月4日発表の3月の米雇用統計が注目となる。非農業部門雇用者数(NFP)は14万人増と、前月の15万1000人増を下回る見通しである(ダウ・ジョーンズ調べ)。仮にそうなると直近3ヶ月の雇用者増加数の平均は2024年10月以来の低水準になる。このところの各種指標からは米消費者の慎重姿勢の強まりが目立っているだけに、結果が下振れし雇用の鈍化が鮮明になると、米株式市場中心にリスクオフ・センチメントはさらに広がりそうだ。
こうした中で今週(3月31日週)もNY金の堅調展開は続くとみられる。広範な米関税政策はいまや世界経済の先行き見通しを曇らせており、米国発の株安は世界同時株安の様相を呈すると、金市場への逃避資金の流れを加速させる。一方、2024年まではリスクオフに際して買われた米ドルは、現在むしろリスクオフで売られる状況にあり、米ドル/円相場が円高に振れることから国内金価格には押し下げ要因となる。
このところの相場の急落要因となったトランプ関税に引き続き警戒する地合いが継続するだろう。米国のトランプ大統領は貿易相手国と同じ水準まで関税率を引き上げる「相互関税」の詳細などを4月2日に発表する見通し。まずはその中身を見定めるまでは動きようがない。
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