焼肉店倒産が23年度から倍増 最多
焼肉店の業績、大手と中小で二極化鮮明 値上げの成否で明暗分かれる 焼肉店の倒産ペースが加速している。2024年度(2024年4月~25年3月)に発生した「焼肉店」経営業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は55件(速報値)判明した。前年度(27件)から倍増となり、これまで最も多かった2019年度(28件)を上回って過去最多を更新した。ただ、個人営業など小規模店の閉店や廃業を含めれば、実際はより多くの焼肉店が市場から退出したとみられる。
牛肉などの原材料価格・人件費・光熱費と二重・三重でコストが増加し、焼肉店でも値上げは避けられない情勢となってきている。新メニューの開発や店舗の雰囲気・サービスの向上など、値上げしても客足が途絶えない創意工夫を求められる局面を迎えている。
帝国データバンクが2024年7月3日に発表した「『焼肉店』の倒産動向(2024年1-6月)」によると、焼肉店の倒産は昨年(2023年)の同時期の2.5倍に達し、過去最多のペースだという。
他方で、2024年度の焼肉店における損益動向をみると「赤字」は約2割にとどまり、「減益」を含めた「業績悪化」の割合は、コロナ禍で焼肉需要がピークを迎えた21年度以来3年ぶりに5割を下回った。既存の焼肉チェーンでは、大量仕入れなどの低コスト運営を強みとした割安な食べ放題メニューを充実させたことで「安く焼肉を食べたい」ファミリー層などの需要を取り込み、コスト増を売り上げの増加でカバーする動きが目立った。 半面、コロナ禍の焼肉ブームを背景に異業種から出店した企業や小規模な焼肉店では、客離れを警戒して十分な値上げに至らず、損益面で苦戦するケースもみられるなど二極化が進んだ。結果的に、消耗戦に耐え切れない中小焼肉店が淘汰され、倒産件数を大幅に押し上げた。 足元では、大手チェーン各社はメニュー価格を引き上げるほか、SNSの活用や季節限定メニューをはじめとした新商品の投入でファミリー層以外の新たな顧客開拓といった施策を進めている。近時はロードサイド以外にも、集客力の高いショッピングセンターに出店し、固定客の獲得を狙うケースもみられる。ただ、輸入牛肉など原材料価格の高止まりや、電気・ガス代や人件費など店舗運営コストの負担増も加わり、厳しい環境は今後も続くとみられ、焼肉店の倒産は2025年度も高水準での推移が続く可能性がある。
一方で、物価高騰による消費者の「値上げ疲れ」で客足が途絶えることへの懸念が強いことから大幅な値上げが難しく、小規模な焼肉店などでは厳しい価格競争に耐え切れなくなっていることも、近年、淘汰される中小焼肉店が増えた要因となった。
コロナ禍でニーズが高まり、出店が相次いだ焼肉店は、顧客の獲得競争が激化。加えて、円安などを要因とした食肉価格の高騰が経営を直撃している。焼肉店を中心に展開する外食企業のうち、2023年度の業績が「赤字」となった企業の割合は34.8%を占めた。
「食べると幸せな気持ちになる」焼肉に何が起こっているのか。調査担当者に聞いた。
コロナ禍でニーズが高まり出店が相次いだ焼肉店は、顧客の獲得競争が激化していることに加え、円安などを要因とした食肉価格の高騰が経営を直撃している。焼肉店を中心に展開する外食企業のうち、2023年度の業績が「赤字」となった企業の割合は34.8%を占めた。前年度から利益が減少した「減益」を合わせた「業績悪化」の割合は64.6%に上り、過去10年で2番目に高い水準だった。電気・ガス代や人件費など店舗運営コストの負担増に加え、米国産や豪州産などの輸入牛肉、さらには価格を抑えたメニューで採用される安価な豚肉でも円安で価格が高騰したことが重荷となった。
焼肉店の倒産が相次いでいる。帝国データバンクによると、2024年1~6月は20件で前年同期の約2.5倍になった。通年で過去最多だった19年を上回るペースだ。円安や米国産牛肉の生産減少で食肉価格が高騰し、収益を圧迫している。
焼肉店の倒産ペースが加速している。2024年に発生した「焼肉店」経営事業者の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は、6月までに計20件発生した。23年の同期間に比べて約2.5倍となったほか、年間としてはこれまで最も多かった19年通年(26件)を大きく上回る勢いで推移し、過去最多を更新することになる。さらに、個人営業など小規模店の閉店や廃業などを含めれば、実際はより多くの焼肉店が市場から退出したとみられる。
さらに、サービスの柔軟性を高める取り組みとして、「ビジネスモデルの多様化」も注目されています。特にコロナ禍以降、テイクアウトやデリバリーサービスを導入する焼肉店も増えており、これにより昼間の需要や家庭向けの需要を取り込むことができています。また、大手だけでなく個人店でも月額制の「サブスクリプションサービス」を導入する店舗も見られ、定期的に特典を提供することで安定的な来客を促す取り組みが進んでいます。こうした柔軟な営業形態を取り入れることで、経済環境が変動しやすい現代においても、一定の収益を確保できる工夫を施しているのです。
帝国データバンクの調査では、焼き肉店を運営する企業の1~6月の倒産件数(負債額1000万円以上)は20件で、前年同期の2・5倍に達した。消費税率が引き上げられ、最多だった2019年1年間の26件を上回る勢いだ。負債額が小さい個人営業などの事業者を含めれば、さらに倒産件数は膨らむとみられる。
帝国データバンクの飯島大介氏は「店舗運営コストが増え、焼肉店も値上げは避けられない」と指摘する。「地元のブランド牛や特産品を使ったメニューで客単価を上げたり、待ち時間を短縮したりするなどの取り組みが求められている」とした。
1000万円以上の負債を抱えて法的整理した焼肉店を対象に調査した。個人営業など小規模店の閉店や廃業を含めれば、実際はより多くの焼肉店が事業を停止したという。
大阪市中央区で「個室焼肉 味来(みらい) 難波 心斎橋店」を運営する岡田晃樹さん(37)は今月下旬、こう打ち明けた。昨年から各テーブルにタブレット端末の注文システムを導入し、これまでの約半数の人員で店を回している。人件費を抑えてしのいでいるという。
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