【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、関税合戦の激化に警戒

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【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、関税合戦の激化に警戒

◆関税相場の継続で、相場全体に神経質な動き

◆ポンド、過去15年で4月は最高の月間平均リターンを示す

◆加ドル、米・加関税合戦が激化すれば売り圧力に

予想レンジ

ポンド円 188.00-195.00円 

加ドル円 102.00-106.00円 

4月7日週の展望

 今週発表されたトランプ米政権の相互関税は市場の予想以上に攻撃的なものになり、市場は動揺している。米政権の関税強化を受けて各国がどのような対応を示すかが注目される。貿易戦争がエスカレードすることが警戒されるなか、投資家のリスクオフの動きが続く可能性がある。

 来週、英国内では2月のGDP・鉱工業生産・製造業生産指数などの発表が予定されている。イングランド銀行(英中銀、BOE)は、引き続き物価の高止まりに警戒感を示しているが、2月の消費者物価指数(CPI)が予想比下振れしたことや米政権の関税強化で、市場の5月会合での利下げ確率は8割弱まで上昇している。BOEは雇用減少のリスクが大きいのか、高水準のインフレが継続するのかとの難しい判断に直面しており、経済指標を丁寧に点検していくことになる。なお、トランプ関税は英経済の先行きに対する不透明感を強めているが、相互関税が欧州連合(EU)は20%になったのに対し、英国は一律の10%にとどまり、比較的貿易関係が良好なことが示された。今のところ、トランプ米政権の関税強化に対し英政府は対抗措置を急がない方針を示している。

 ポンドは過去15年で4月は最高の月間平均リターンを示している。今年も4月はトランプ関税を受けて市場がドル売りで反応していることも追い風に、堅調な動きとなるのか見極めたい。

 加ドルは、国内では3月Ivey購買部協会指数や2月住宅建設許可件数が予定されている程度で注目度の高い指標発表はなく、引き続き関税をめぐる動きに左右されやすい。カナダは、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)により、現時点では相互関税の対象外となったが、これまで既に「フェンタニル関税」や鉄鋼やアルミへの関税が課されている上、3日からは自動車への関税が発効。貿易で米国と結びつきが強いカナダは大きな影響を受けている。

 トランプ関税のあおりを受けて、カナダの鉄鋼・アルミニウム業界で多数の従業員が一時解雇されている。関税次第では、こういった事態が単なる始まりにすぎず、その影響が拡大する可能性が高い。また、トランプ米大統領の「カナダは米国の51番目の州になるべき」との発言やカナダへの関税政策が嫌気され、国産品購入運動が新たな懸念要素として浮上しつつある。今のところ、予想以上のトランプ関税に円買い・ドル売りが目立っているが、カーニー加首相は「対抗策で関税と戦う」としており、関税合戦が激化すれば加ドルは対ドルでも売り圧力が強まることになりそうだ。

3月31日週の回顧

 今週の注目材料であったトランプ米政権の相互関税は大方の予想をはるかに上回る関税率となった。「相互関税砲」の発射は世界中の株式市場の急落につながり、リスクオフの円買いが加速。ポンド円は190円後半、加ドル円は103円前半に押し戻された。

 米長期金利の大幅低下に伴ったドル売りで、ポンドドルは一時昨年10月以来の1.32ドル台回復を果たし、ドル/加ドルは1.40加ドル前半まで加ドルの買い戻しが進んだ。(了)

・提供 DZHフィナンシャルリサーチ

[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル 【見通し】週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、関税合戦の激化に警戒

見通し 週間為替展望 ポンド

英国の10年債利回りは9日、2008年以来となる4.9%を付ける局面が見られた。財政リスクを意識した「悪い金利の上昇」はポンド安の要因となっている。インフレ再燃の懸念、追加の利上げ観測そして財政リスクが意識され日米欧の金利が上昇していることも英金利の押し上げ要因となっている。ポンドドル(GBP/USD)は昨日、2024年11月以来となる1.22台まで下落した。2022年の「トラス・ショック」がよぎる。 国内の長期金利は日銀の利上げが意識さ2011年以来となる1.185%まで上昇している。日米利回り格差がじわりと縮小ムードにあることでドル円(USD/JPY)の上値が重い。ポンド円(GBP/JPY)の下落幅拡大を警戒したい。

本日ポンド円が下落する場合、焦点は193円の維持となろう。昨日は直近高安の半値戻しの水準193.51がサポートラインとして意識された。89日線の下方ブレイクは、半値戻しを再びトライするサインとなろう。半値戻しの下方ブレイクは、193.0をトライするサインと捉えたい。

ポンド円が50日線を完全に上方ブレイクすれば、196.00のトライを想定したい。このラインはレジスタンスへ転換する可能性がある。

また現在はインフレ再燃に対する懸念、利上げそして財政リスク等で主要国の金利も上昇している。このトレンドが続く限り、英金利はさらに上昇する展開が予想される。英ポンドは、2022年に発生した「トラス・ショック」の再来を警戒する状況にある。

ポンド円が196円台へ上昇しても、現在の英ポンド安のトレンドを考えるならば、196.20台で推移している20日線がレジスタンスラインとして相場の上昇を止める展開を想定しておきたい。

悪い金利の上昇でポンドドル(GBP/USD)は昨日1.22台へ下落した。日米利回り格差がじわりと縮小し、ドル円(USD/JPY)の上値も重い。これらの状況を考えるならば、ポンド円(GBP/JPY)は現在、下値トライを意識する状況にある。

本日、ポンド円が192円をも下方ブレイクして終える場合は来週以降、2024年9月16日の安値183.77レベルを基点としたサポートラインを視野に下落幅が拡大する可能性が高まろう。

一方、米雇用統計が米ドル高の要因となれば、ドル円との相関性が高いポンド円は反発の展開が予想される。このケースでは、195.10台で推移している50日線の突破が最初の焦点となろう。

半値戻しの水準は188円台へ上昇できるかどうか?を見極めるテクニカルラインである。ポンド円がこのラインを突破した後、反落の局面で188円台を維持する場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準188.36レベル、そして76.4%の水準188.83レベルのトライを意識したい。

外為市場では、対米ドルで英ポンド安が進行している。昨年の秋以降、英国の10年債利回りは上昇基調にあり、この「悪い金利の上昇」は英ポンドの重石となっている。特にスターマー政権が予算案を公表した昨年11月以降、英ポンドの下落が加速している。

また、ポンド円が下値をトライする局面では、予想外に下落幅が拡大する展開を想定しておきたい。

ポンド円が後者の水準(185.21レベル)を難なく下方ブレイクする場合は、一気に183円台を目指す展開を想定しておきたい。

分足でRSIとMACDで相場の過熱感とトレンドを確認したい。上で取り上げたレジスタンスの水準をポンド円がトライする際、RSIが買われ過ぎの水準でデッドクロスへ転じ、MACDでも同じ状況が確認される場合は戻り売りを意識したい。

一方、ポンド円(GBP/JPY)の反発局面では、上で取り上げた10日線(189.60台)と21日線(190.00前後)の突破が焦点となろう。189円台への上昇は、これら移動平均線を目指すシグナルとなろう。

今日は米雇用統計(昨年12月分)が発表される。日米の利回り格差が縮小ムードにあるなかで雇用統計が米ドル安の要因となれば、ドル円は下値のトライが予想される。英ポンド安が続くなかでドル円までが崩れる場合は、ポンド円の下落幅が拡大しよう。

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