ミュゼ休業で給料未払い 従業員涙
新経営陣が従業員向けに送ったメールの中で給与の原資として挙げたのは、「融資等を含めた資金」「売上入金」「ファンドによる大型の資金支援」となる。
また、前社長の三原孔明氏は社内向けZoom会議で「神社でお祈りしてきました」と発言し、従業員の不信感を募らせた。サロンの備品削減が進み、施術時に必要な紙ショーツが有料化されるなど、サービスの質も著しく低下している。
「東洋経済オンライン」では、特集「船井電機・ミュゼ 倒産の『点と線』」で、破産に追い込まれた「船井電機」と大手脱毛サロン「ミュゼ」の関係や、混乱の真相を詳報しています。
いつこの日が来るかソワソワしていましたが、ついに。実は私もミュゼ利用者なのですが、予約できないなーと思ったら通っている店舗がここ1ヶ月でなくなり、他の店舗かぁと思っていたら全店休業。給料未払いなんて、従業員の皆さんがかわいそうすぎる。スタッフさんは何も悪くない。そして顧客対応はどうなるのでしょうか…自分ごとですが、広い心で見守りたいと思います。
その新経営陣は3月17日、従業員向けに「給与支給に関するご案内とお詫び」と題したメールを送信。「当初3月19日を目途としてお知らせしていた給与支給に間に合わず、3月25日支給分の給与も含めて(中略)資金が入り次第、順次支給させていただくこととなります」と通知した。
大手脱毛サロンの「ミュゼプラチナム」が3月22日から全店で営業を一時休止する方針を固めたことがわかった。給与の不払いが続くことに不満を感じた従業員の一部が、経営陣に抗議の意思を示し店舗運営がままならないことが背景にある。
筆者は過去に高橋氏と対面したことがあるが、その際、彼のオーラに圧倒された。確か恵比寿に会社があり、フロアに入ると、美女たちがずらりとデスクワークをしていた。その大部屋のなかに、ガラス張りの仕切り部屋があり、そこにスラリとした立ち姿の高橋氏がいた。腕には、見たこともないガチャガチャしたパーツのついた高級時計が見え、一代で富を築いた創業社長のパワーを象徴するかのようだった。馬主オーナーとしても由目立った彼の手腕によってミュゼは瞬く間に業界のトップへと駆け上がった。
「ファンドによる大型の資金支援」については、新経営陣が従業員に送った別のメールで、旧役員陣が妨害しているため経営陣交代に関する登記が行えず、こうした混乱によって資金支援が遅れていると説明。ただ先のメールで、入金時期は「4月中」としている。
ミュゼをめぐっては経営の混乱が続いている。
かつて一代で築かれたミュゼプラチナムは、急成長の代償として迷走を続けている。現在の親会社KOCの下で経営再建が成功するかは未知数だが、従業員や顧客からの信頼を取り戻すことは容易ではない。脱毛サロン業界の競争が激化する中で、ミュゼが再び市場で存在感を示せるのか、厳しい局面が続いている。
ミュゼでは従業員への給与遅延や未払いが昨年11月から続いている。サロンで使用するクリームなど備品も欠品しており、以前のような水準の施術を提供できていない状態だという。
莫大な広告費と急速な事業拡大が経営を逼迫し、2015年には旧ライブドアの流れをくむ医療機器メーカーRVHが買収。しかし、脱毛サロンの経営ノウハウがなかったRVHは事業再建に苦しみ、たかの友梨氏へと転売。その後、昨年倒産で話題となった船井電機が買収。そもそも美容家電とのシナジーを狙ったものの、ミュゼの放漫経営による負債を支えきれずに経営破綻したのが船井電機の真相だ。
事情に詳しい関係者によれば、こうした事態に不満を募らせた一部店舗の従業員たちが3月19日から抗議の自主休業を決行しているという。そのためMPHでは、3月22日から全店舗の営業を一時休止することを決めたという。
経営難の影響は顧客にも及んでいる。本来、契約後8日以内であればクーリング・オフ制度を利用できるはずが、資金繰りの悪化により返金が滞っている状態だ。従業員は本部から「システムエラーで処理が遅れている」と説明するよう指示されており、顧客からの信頼も失われつつある。
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