5カ国パビリオン 開幕間に合わず
万博協会は各国と連絡を取るチームを作り、工程管理に努めてきた。途上国の事情に詳しい協会理事は「『最初の1か月はウォーミングアップ』と言う国もある。展示品が開幕後に届く国は、たぶん出てくる」とみる。
10月13日まで半年にわたって行われる万博の開幕まであと31日。万博協会幹部は気をもむ。「スケジュールがぎりぎりの国がいくつかある。間に合いますように、不測の事態が起こりませんように。そう祈っている」
4月13日の「大阪・関西万博」開幕が1カ月後に迫ってきました。魅力の発信不足に加え、パビリオンの建設の遅れや会場整備費の高騰による“負のイメージ”も重なり、入場券の販売は今も伸び悩んでいます。東京都内で、万博に行ってみたいか聞いてみました。
また、パビリオンの展示品の設置は3月13日を期限のめどにしていましたが、施設の使用許可を取得した国は1カ国もなく、開幕に向けて手続きが追い付かない可能性が出ています。一方で準備が順調で内覧会を開いてPRしたい国の中にも「隣接するパビリオンの工事に支障が出かねない」として内覧会を控えるよう言われたケースもあるということです。
海外パビリオンを巡っては、資材価格や人件費の高騰などを背景に参加国とゼネコンの交渉が難航し、建設の遅れが課題となってきた。石毛氏は「全てのパビリオンが設備や展示を整えて開幕を迎えるかというと、そうではない可能性もある」と話した。
日本博覧会協会は、インド・チリ・ネパール・ベトナム・ブルネイの5カ国のパビリオンについて、あす13日の開幕日には開館をしないことを発表しました。
2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の運営主体、日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長は5日、記者会見で参加国が独自に建設する海外パビリオンについて、内装など一部の準備が25年4月13日の開幕に間に合わない可能性があるとの認識を示した。開幕直前の同月4〜6日、来場者を入れ、会場運営の問題点を洗い出す「テストラン」を実施することも明らかにした。
万博で開幕に間に合わなかったというケースは少なくない。2005年愛知万博で、南米4か国が出展した「アンデス共同館」では展示内容に関する各国間の調整に時間がかかり、開館は開幕50日目にずれ込んだ。リビア館は約1週間後、チャドがアフリカ28か国の共同館でブースをオープンできたのは108日目だった。当時の担当者は「開幕に間に合わせるという意識がどうしても低い国もある」と指摘する。
背景には、建物ができた後も検査を先送りして館内装飾などを急ぐ国が多い事情がある。3月中の駆け込み検査で、万博協会は開幕までに全てが完成する見通しだとしている。
海外パビリオンの建設遅れや入場券の販売不振など様々な課題が指摘されてきた大阪・関西万博は、4月13日の開幕まで1か月に迫った。直前の準備状況を点検し、今後の展望を探る。
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