ユーロ円今週の予想「160~164円のレンジ内から抜け出す可能性。」FXチャート分析 2025/4/14

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ユーロ円今週の予想「160~164円のレンジ内から抜け出す可能性。」FXチャート分析 2025/4/14

【ユーロ円週間予想】レンジ内から抜け出す可能性。ユーロやや強気。164.50超えで終えれば一段の上昇へ。158円を割り込んで終えた場合は一段の下落へ。 

 直近の日足は高値圏で引ける陽線引けとなり下値を切り上げています。先週の下値トライの動きの中でも実体ベースで160円を割り込んでおらず、短期トレンドは“ユーロやや強気”の流れにありますが、163.70-80,164.10-20に強い上値抵抗が控えており、レンジ内での揉み合いの中で上下動を繰り返す可能性があります。但し、164.50超えで終えれば揉み合いを上抜けた反動で上値余地が拡がり易くなります。逆に、160円台を維持出来ずに終えた場合は下値リスクが点灯、158円を割り込んで終えた場合は、レンジ内から下抜けて下落幅拡大に繋がり易くなります。日足の上値抵抗は、163.10-20,163.70-80,164.10-20,165.40~165.60に、下値抵抗は162.00±10銭、161.20-30,160.30-40,160.00±10銭にあります。21日、120日、200日移動平均線は161.96,161.37,162.06に位置しており、これらを上抜けて、短期トレンドをサポートし始めています。3線が収縮し始めており、エネルギーの蓄積が認められることから一方向へ動き出す可能性にも注意が必要です。

 一方直近の週足を見ると、前週足から下寄りのスタートとなりましたが、160円台を守り切って陽線で切り返しています。現状は160~163円台を中心とする揉み合いから抜け切れておらず、狭いレンジ内で上下動を繰り返していますが、昨年7月に付けた175.42を基点として上値を切り下げて来た流れからは上抜けた位置をキープしており、上値トライの可能性に繋げています。164.10-20に週足の上値抵抗がありますが、これをクリアして164.50超えで越週した場合は、揉み合い商状からしっかりと上抜けて、上値余地がさらに拡がり易くなります。逆に、158円を割り込んで越週した場合は再び下値リスクが点灯、156円を割り込んで越週した場合は、新たな下げトレンド入りの可能性が高くなり、150円方向へのユーロの下落幅拡大に繋がり易くなります。今週の週足ベースで見た上値抵抗は163.30-40,164.10-20,165.80-90,166.50-60に、下値抵抗は162.00-10,161.10-20,159.80-90にあります。31週、62週移動平均線は161.14と163.34に位置しており、これらに挟まれた状態が続いています。

 今週の戦略は、ユーロ買いは161.80-90の押し目待ちとします。損切りは160.90で撤退です。やや強気の流れにあるので、ユーロ売りは様子見か164.60に浅い損切りを置くなら164.10-20まで引き付けて軽く戻り売り。

 上値は、163.10-20,163.40-50,163.70-80、164.10-20に強い抵抗があり、上下動を繰り返す可能性がありますが、全てクリアして164.50超えで終えれば揉み合いから上抜けた反動で上値余地がさらに拡がり易くなります。上値抵抗は164.70-80,165.00-10,165.40~165.60,165.90-00にあります。下値は、162.40-50に軽い抵抗が、162.00-10,161.80-90,161.50-60,161.10-20にやや強い抵抗が出来ており、下値余地が限られる展開が予想されますが、全て切り崩して161円台を割り込んで終えた場合は短期トレンドを“ニュートラル”な状態に戻します。さらに159円台を割り込んで終えた場合は158.00前後の足元を固め直す動きへ。可能性が低いと見ますが156円を割り込んで終えた場合は新たな下げトレンド入りとなり、150円方向への一段の下落リスクが生じます。

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ユーロ円今週の予想 160164円のレンジ内から抜け出す可能性 FXチャート分析

ただし、日本のインフレ率は直近で前年比4%と2年ぶり高水準に達しており、労使交渉(春闘)で3年連続の大幅賃上げが実現するなど、今後の物価上昇圧力も根強い状況です(EUR/JPY advances beyond 200-day SMA and 163.00 mark; highest since January 27)。このため市場では「日銀は今年後半にも追加利上げに踏み切る」との観測が残っており(利上げ予想は第3四半期に集中(Japan inflation likely cooled in Feb on energy subsidy resumption: Reuters poll | Reuters))、金融政策の先行きが円相場を支える要因となっています。

例えば「年内追加利上げの可能性を残す」といったタカ派サプライズなら米金利急騰・株安でリスクオフの円買いが優勢となり、一方「年内に数回の利下げを示唆」となればドル安を通じて相対的にユーロ高・円高双方が進み、結果的にEUR/JPYは方向感に欠けるかもしれません。3月20日(木)にはイングランド銀行(BOE)の政策発表がありますが、こちらも据え置き予想であり(17 March 2025 Events: Rate Decisions, Nvidia’s GTC & More | Plus500)、直接のEUR/JPY材料にはなりにくいでしょう。ただ、同日発表の米新規失業保険や20日夜の主要企業決算(フェデックスやナイキなど)を通じて株式市場が動揺すれば、リスクオン/オフの波及が円に影響する可能性はあります。

リスクオフ急浮上(円急騰)の場合FOMCや地政学要因で市場が動揺した場合、円が急速に買い戻されるリスクがあります。例えばFOMCで予想外にタカ派的なスタンスが示され米株が急落したり、トランプ政権が追加関税を発表したり、あるいは全く想定外のショック(地政学的衝突など)が起きた場合です。この場合、安全逃避先である円が全面高となり、USD/JPYが急落すると同時にEUR/JPYも下方向に振れるでしょう。ユーロ自体もリスクオフ局面では資金調達通貨として売られる傾向があるため、ユーロ安・円高が重なり急激な下落が起こりえます。テクニカルにはまず160円の心理的サポートが試される展開となりそうです(EUR JPY Analysis | Euro Yen Analysis | Euro Yen Forex Forecast)。160円を明確に割り込むと、投機筋のロング解消が加速し、次のサポート158.5~159円ゾーンまで短時間で下落するシナリオも否定できません(EUR/JPY Price Forecast: The cross keeps bullish vibe, first upside target emerges above 162.50)。もっとも、下落局面では日銀や日本当局の牽制も想定され、155~156円台の昨年安値圏まで一気に崩れる展開は考えにくいと思われます。

レンジ内トレードに徹するなら、160円近辺では買いエントリー、163~164円では利益確定または反転売りを検討するといった逆張り戦略も機能するでしょう。ただし、いずれの戦略でも突発ニュースによる急変動リスクは頭に入れておかねばなりません。特にイベント発生直後はスプレッドが拡大し想定以上のスリッページが発生する恐れがあるため、指値注文の運用には注意が必要です。

一方で「ピボット161.27から反発しており、第一レジスタンス163.74を目指す可能性」と短期強気を支持する声もありました(Euro / Japanese Yen Trade Ideas — OANDA:EURJPY — TradingView)。総じて、直近のムードは「強気トレンドだが慎重論も根強い」というものです。オプション市場やIMMで示されたように、投資家は基本シナリオではリスクオン・円安を楽しみつつ、同時に不意の円高リスクにも構えている状況です。

加えて、3月18日には独ZEW景況感指数が発表され、市場予想は48.1と前月(26)から大幅改善が見込まれていました(EUR/JPY advances beyond 200-day SMA and 163.00 mark; highest since January 27)。実際に投資家センチメントの改善が確認されればユーロ支援要因となり得ます。

ユーロと円がともに強気に傾いている点は興味深く、本来なら対ドルでの動きを反映した結果ですが、クロスであるEUR/JPYにとっては綱引きの構図です。すなわち投機筋は「ユーロも円も買い」姿勢であり、どちらかと言えば円の方を一層強気に見ている状況と言えます。

一方、欧州中央銀行(ECB)は3月6日の理事会で主要政策金利の25bp引き下げ(預金金利を2.50%へ)に踏み切り、今後の金融政策方針について「先行き不透明」との慎重なスタンスを示しました(Central Bank Meeting | Capital Economics)。これはユーロ圏のインフレ率低下傾向を受けた措置ですが、2月のユーロ圏インフレ率は前年比2.4%と予想よりやや高止まりしており、月次では物価上昇圧力が10カ月ぶり高水準になるなどECBの追加緩和路線に一抹の不安も残ります(Eurozone inflation falls less than expected: ECB rate cuts at risk? | Euronews)。したがって、ECBは当面様子見姿勢を崩さず、日銀は据え置きつつも将来的な引き締め観測が残るという金融政策の方向性の差が、直近のユーロ安・円高要因と考えられます(EUR/JPY Price Forecast: The cross keeps bullish vibe, first upside target emerges above 162.50)。

短期予測としては、まず3月19日(水)の日銀会合では予想通り金融政策据え置きとなる見通しです(17 March 2025 Events: Rate Decisions, Nvidia’s GTC & More | Plus500)。市場予想どおりであればサプライズはなく、直後の円相場への影響は限定的かもしれません。しかし、上田日銀総裁の記者会見での発言に注意が必要です。仮に総裁が将来の追加引き締めに前向きな姿勢(例えば「物価見通し次第では利上げも排除せず」等)を示せば、市場は織り込んでいないタカ派シグナルと受け止め円が急伸する可能性があります。一方、「現状の緩和維持を粘り強く続ける」といったハト派トーンが強調されれば、円売りが進みEUR/JPYは164円台突破を試みる展開もあり得ます。

また発表内容によるブレイクアウトが起きた場合、ブレイク確認後について行くエントリーが有効でしょう。例えば、164円の抵抗を明確に上抜けた後に押し目買いすることで、次のターゲットである164.8~165円付近までの利幅を狙う戦略が考えられます。一方、上値での失速サイン(例:164円台で長い上ヒゲ陰線やダブルトップ形成など)が出た場合には、思い切ってショートポジションを構築し、まずは160円付近までの下押しを狙う戦略も有効です(Euro / Japanese Yen Trade Ideas — OANDA:EURJPY — TradingView)。この際、直近高値を少し上回る164.5~165円あたりにストップを置いておけば、万一上抜けしてしまった場合の損失を限定できます。

その他のリスク要因としては、欧州各国の財政政策や中国経済の動向も挙げられます。ドイツでは大規模な防衛費拡大を含む財政出動(総額約1兆ドル規模)が計画されており、近年低迷していたユーロ圏景気を下支えする見通しです(Forex Analysis & Reviews: 19.03.2025 - The Euro Fires a Bazooka)。これは短期的にGDP成長率を押し上げ(+1%寄与)インフレを高める可能性がありますが、その分ECBが金融緩和に踏み切りやすくなるとの見方もあります(17 March 2025 Events: Rate Decisions, Nvidia’s GTC & More | Plus500)。さらに中国政府が内需拡大策(景気刺激策)を発表したとの報道もあり、これが世界経済の追い風となるとの楽観が広がりました(EUR/JPY advances beyond 200-day SMA and 163.00 mark; highest since January 27)。中国景気刺激⇒世界景気改善⇒リスクオンという連想から、このニュースは円安・ユーロ高材料となっています(EUR/JPY advances beyond 200-day SMA and 163.00 mark; highest since January 27)。

反面、このレジスタンス帯を明確にブレイクすれば、次の節目である165円台半ば~167円(昨年12月高値付近)への上昇余地が開けると見る向きもあります。過去の類似局面として、直近3日間で3円以上急騰したケースを見ると、その後もしばらく上昇基調が続いた例が多いものの、一時的な調整を挟むこともありました(EURJPY price forecast, quote, news & analysis)。今回も3月12日以降の急伸(約+4円)に対し、13~14日にいったん調整が入っています。これにより日足チャートでは下ヒゲを伴う陽線が連続し、押し目を作りながら上昇する堅調なパターンが描かれています。

材料出尽くしでレンジ回帰の場合大イベント通過後に方向感がなくなるケースも考えられます。日銀・FOMCとも予想通りでサプライズなし、経済指標も概ねコンセンサス通りとなれば、「イベント待ち」で動いていたポジションが解消され、マーケットは再びテクニカルなレンジ取引に戻る可能性があります。この場合、EUR/JPYは概ね160~164円のレンジ内でもみ合い、目新しい材料が出るまでは方向感なく上下する展開になるでしょう。オプション市場のボラティリティ低下が進めば値動きもさらに収まり、IMMポジションの傾きから考えてどちらかといえば上値の重いレンジ(戻り売り優勢)が続くかもしれません。

具体的には、USD/JPYやEUR/JPYで低ストライクのプットオプション(=円高になると利益が出るオプション)のボラティリティが高まり、リスクリバーサルが円高方向に傾きつつあります(FX Options Insights 14/03/25 | Tickmill)。これは投資家が「万一の円急騰」に備え始めていることを示唆しており、特に米通商政策や金融不安など下振れリスク要因へのヘッジと考えられます。一方で、全般的なオプション出来高はさほど大きくなく、市場に強い確信的トレンドがないことも表れています(FX options wrap-Lack of FX conviction is taking its toll - TradingView)。総じて、オプション市場は「用心しながらも過度にリスクオフへは傾いていない」状態であり、これは適度な楽観(リスクオン)の中にも急変への備えを怠らない投資家心理を反映しています。

また、EUR/USDの動向も重要です。仮にFOMC後にドル安が進行すればEUR/USDは上昇しやすく、ユーロ高が直接EUR/JPYを押し上げる要因となります。逆に、欧米金利差縮小観測などでユーロが対ドルで売られる局面では、たとえ円も売られていてもユーロの下落ペースが大きければEUR/JPY全体として下押しされる可能性があります。

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