ドル円午前の為替予想、安値更新は回避もトランプ関税で上値重い 2025/4/15

FXブログ
ドル円午前の為替予想、安値更新は回避もトランプ関税で上値重い 2025/4/15

午前の為替予想は… 安値更新は回避もトランプ関税で上値重い

作成日時 :2025年4月15日8時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

ドル円予想レンジ

141.700-144.100円

前日の振り返りとドル円予想

昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。トランプ米政権の関税政策を巡り乱高下しつつも上値の重い展開が続いた。ラトニック米商務長官は、前週末に米政権が相互関税の対象から除外するとしたスマホなどの電子機器には別の関税を課す方針を明示。また、トランプ米大統領は「半導体への関税は遠くない将来に発動する」と述べた。そうした中でドル/円は142.20円台へと下落したが、前日に付けた約半年ぶり安値の142.05円前後を割り込むことなく持ち直した。ただ、144円台を回復するとすかさず戻り売りが強まるなど、上値の重さは鮮明で143円台前半に押し戻されて取引を終えた。本日もトランプ関税を巡り上値の重い展開が続く公算が大きく、再び142円台割れを試す流れになってもおかしくないだろう。週内に始まる日米関税交渉の担当者となる赤沢経済再生相は先週、米国側から為替の話題が出れば議論に応じる考えを示している。日米間で「円安是正」が協議されるとの思惑がくすぶっていることもドル/円相場の重しになると考えられる。

今朝 最新のドル/円チャート

ドル円 最新の為替チャート・FXチャート

レポートの本編は「外為どっとコムレポート」でチェック

「外為どっとコムトゥデイ 」記事一覧

 
kanda.jpg

株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル ドル円午前の為替予想、安値更新は回避もトランプ関税で上値重い 2025/4/15

ドル円午前の為替予想 安値更新は回避もトランプ関税で上値重い 2025

昨日のドル/円は終値ベースで約0.4%下落。トランプ米政権の関税政策を巡り乱高下しつつも上値の重い展開が続いた。ラトニック米商務長官は、前週末に米政権が相互関税の対象から除外するとしたスマホなどの電子機器には別の関税を課す方針を明示。また、トランプ米大統領は「半導体への関税は遠くない将来に発動する」と述べた。そうした中でドル/円は142.20円台へと下落したが、前日に付けた約半年ぶり安値の142.05円前後を割り込むことなく持ち直した。ただ、144円台を回復するとすかさず戻り売りが強まるなど、上値の重さは鮮明で143円台前半に押し戻されて取引を終えた。本日もトランプ関税を巡り上値の重い展開が続く公算が大きく、再び142円台割れを試す流れになってもおかしくないだろう。週内に始まる日米関税交渉の担当者となる赤沢経済再生相は先週、米国側から為替の話題が出れば議論に応じる考えを示している。日米間で「円安是正」が協議されるとの思惑がくすぶっていることもドル/円相場の重しになると考えられる。

トランプ米政権は1日、カナダとメキシコからの輸入品に対して25%の関税、中国の輸入品に対して10%の追加関税をそれぞれ課すことを正式に発表した。カナダとメキシコは対抗措置を取る構えを見せている。関税の報復合戦はインフレ再燃の懸念を高めるだろう。 米金利の上昇が抑制され、日米の利回り格差は縮小の傾向にある。しかしトランプ関税によるインフレ再燃のリスクがあらためて意識される場合、米金利には再び上昇の圧力が高まる可能性がある。今週は雇用統計など重要指標も発表される。インフレ懸念の高まりと強い経済指標が重なる場合は米ドル高を想定したい。一方、さえない経済指標は米金利の上昇を抑制する要因になり得る。ドル円の週間予想レンジは152.50-157.65。

PCEデフレーターでインフレ圧力の根強さが確認された状況で、雇用統計が労働市場の堅調さを示す内容となれば、今年前半の米利下げ期待がさらに後退することが予想される。堅調な労働市場とインフレ懸念による利下げ期待の後退は米金利の上昇もしくは高止まり、そして米ドル高の要因となろう。このケースでのドル円は、上で取り上げたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

一方、雇用統計をはじめ今週の重要指標が総じて市場予想を下回る場合は、米金利の上昇を抑制する要因になり得る。トランプ関税に対する米金利の反応が薄い場合は、その影響をかなり織り込んだサインと捉えることができる。このケースでのドル円は日米利回り格差の縮小傾向が続くことで、上述した各サポートラインの攻防を意識したい。

市場参加者が最も注目するのが、7日の1月雇用統計となろう。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが見送られた。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は定例会見で、労働市場の堅調さに言及した。堅調な労働市場は経済を支え、結果としてインフレ鈍化の足かせになっている。この点を示唆したのが、2024年12月の個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)である。前年同月比のコア指数以外、昨年11月から総じて上昇した。そのコア指数(前年同月比)も2.8%付近でインフレの粘着性を示す状況にある。

今週のドル円(USD/JPY)は、米金利にらみの展開が予想される。現在の米債市場では、各年限の利回りの上昇が抑制されている。このため日米の利回り格差はじわりと縮小の傾向にあり、ドル円の上値を抑制している。

中国3月貿易収支は1026.4億ドルの黒字となり、黒字額は市場予想(751.5億ドル)を上回った。輸出が前年比+12.4%と大幅に伸びたことが背景。トランプ米政権による4月2日の大規模な関税引き上げを前に、中国の輸出業者が出荷を急いだと見られる。

関税の報復合戦は、世界的にインフレを再燃させる要因になり得る。注目は米債市場の反応である。トランプ関税とそれによるインフレ再燃の可能性をある程度織り込み、10年債利回りは先月の中旬に4.8%付近まで上昇した。しかし、今週の市場でこの織り込み度合いの甘さが露呈する場合、米金利には再び上昇の圧力が高まることが予想される。 米金利が上昇すれば、日米の利回り格差は再び拡大傾向へ転じることが予想される。このケースでのドル円は、上で取り上げたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

トランプ米政権は1日、カナダとメキシコの輸入品に対して25%の関税を課すと発表した。中国からの輸入品に対しては10%の追加関税を課すとした。関税発動は2月4日からとなる。 カナダのトルドー首相はトランプ関税の対抗措置として1,550億カナダドル相当の米国産品に25%関税を課すと表明した。一方、メキシコのシェインバウム大統領は2日、トランプ関税の最初の対抗措置について3日に会見で説明するという。

コメント

タイトルとURLをコピーしました