午前の為替予想は… 日米関税交渉を控え様子見ムード 米小売りは材料視されない可能性
作成日時 :2025年4月16日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
ドル円予想レンジ
142.000-144.000円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%上昇。日経平均株価の上昇を背景に143円台半ばまで上昇したが買いの勢いは続かず、米中貿易戦争激化への懸念から142.59円前後まで反落する場面も見られた。日米関税交渉を控え結果を見極めたいとの向きもあり方向感が出なかった。
本日は、米3月小売売上高が発表される。米国の相互関税発動を前に駆け込み需要があったとみられ、市場予想は前月比+1.3%と高い伸びが予想されている。相互関税発動前のデータであることから、強めの数字が出たとしても材料視されない可能性はある。ただ、米国の国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費を示す経済指標であることから注目はしておきたい。ドル/円は米国の関税政策への懸念から上値が抑えられやすい一方で、本日にも始まる日米関税交渉や18日からのイースター休暇を前に様子見ムードが強まりやすい。米関税政策がさらに悪い方向に進まなければ、11日安値の142.05円前後が下値目途として意識されそうだ。
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 日米関税交渉を控え様子見ムード 米小売りは材料視されない可能性
実際に、先ほどの米小売売上高や中国GDPの堅調な結果も、「関税強化前の駆け込みによって予想よりも上振れたと思われ、関税の影響が出始める次回(4月)以降に注意」という受け止めの方が優勢ですし、台湾TSMCよりも前に決算を発表したオランダのASMLでは新規受注が減少していることを市場がネガティブ視するなど、結局は、「米トランプ政権の動向次第で、状況が悪化するかもしれない」という、先行きの不安がくすぶっていることになります。
昨日のドル/円は終値ベースで約0.1%上昇。日経平均株価の上昇を背景に143円台半ばまで上昇したが買いの勢いは続かず、米中貿易戦争激化への懸念から142.59円前後まで反落する場面も見られた。日米関税交渉を控え結果を見極めたいとの向きもあり方向感が出なかった。本日は、米3月小売売上高が発表される。米国の相互関税発動を前に駆け込み需要があったとみられ、市場予想は前月比+1.3%と高い伸びが予想されている。相互関税発動前のデータであることから、強めの数字が出たとしても材料視されない可能性はある。ただ、米国の国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費を示す経済指標であることから注目はしておきたい。ドル/円は米国の関税政策への懸念から上値が抑えられやすい一方で、本日にも始まる日米関税交渉や18日からのイースター休暇を前に様子見ムードが強まりやすい。米関税政策がさらに悪い方向に進まなければ、11日安値の142.05円前後が下値目途として意識されそうだ。
その場合、「不安を先取り」する格好だった先日までの株価下落が現実になりつつあることを意味する可能性が出てきます。来週以降も日米の企業決算をにらみながらの展開が想定されますが、しばらくは目先の株価の上下に振り回されつつ、株価の戻りの強さへの期待と同時に、中長期の株価低迷シナリオの浮上にも警戒しておきたいところです。
一部報道で「米国と欧州連合(EU)の関税交渉はほとんど進展しておらず、米国の関税は維持される見通し」報じられた。ユーロを中心にストレートドルでのドル買いが進んだ。ドル/円はクロス円の下落につれた。
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