中東に位置するトルコの通貨リラを取り巻く環境を分析し、トルコリラの今後の値動きを予想した。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也 X(Twitter)
予想外の利上げで政策金利は46%へ 政情不安はリラの重し
トルコ中銀は17日、大方の据え置き予想に反して政策金利を42.50%から46.00%に引き上げた。13カ月ぶりの利上げに踏み切った理由について、声明で「金融市場における最近の情勢が4月のコアベースのモノの物価上昇率をやや押し上げると見込まれることに加え、内需が想定から上振れている点を踏まえると、ディスインフレ(物価鈍化)の力が弱まっている様子がうかがえる」と説明。3月にエルドアン大統領最大の政敵とされるイスタンブール市長が汚職容疑で拘束されたのをきっかけにトルコの株式、債券、為替の各相場が急落したことへの対応措置と見られる。中銀はまた、「物価見通しが著しくかつ持続的に悪化する場合には追加的な引き締めが必要になる」としてさらなる利上げも辞さない考えを強調。市場の信認回復に向けて中銀が引き締め姿勢を強めた点は一定程度評価できる。ただ、エルドアン大統領がイスタンブール市長の拘束に対する抗議デモを「テロ行為」として厳しく取り締まるなど、強権的な政治姿勢を強める中では、トルコ市場の混乱は完全に収束することはなさそうだ。リラについても、中銀の予想外の利上げで一時的に上昇しているが、政情不安が根強い中で下落基調を止めるには至らないだろう。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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トルコリラの焦点 予想外の利上げでリラ上昇大統領リスクは拭えず FX予想
トルコ政府は6日、経済予測を大幅に修正した。今年2023年のインフレ予測を65%とし、従来の24.9%から大きく引き上げた。来年24年の予測も13.8%から33%へと修正。経済成長予測は今年4.4%、来年4%(従来5%、5.5%)に引き下げた。インフレ見通しを上方修正した一方で成長見通しを下方修正した形だが、従来予測に比べるとより現実に即した内容であり特段の驚きはない。一方でサプライズとなったのは、その後のエルドアン大統領の発言だった。大統領はこの日「インフレを鈍化させるためには引き締まった金融政策が必要だ」と発言。かねてから主張してきた「金利を下げればインフレも下がる」とする主張を明確に軌道修正した発言だ。また、大統領は「経済成長に関して譲歩するつもりはない」としながらも「政府として消費者需要を抑制する」と表明してインフレ抑制を優先する考えを示した。
トルコ国内の物価は上がり続け、お金の価値が目減りしています。
政治の混乱や物価上昇のニュースで、トルコリラへの不安が広がっています。
トルコリラで為替差益だけを狙う取引は、スプレッドコストによってリスクが極めて高くなります。
トルコリラは短期売買向きではありませんが、スワップポイントの高さから運用戦略次第で十分な利益を上げることも可能です。
トルコリラは基本的に下げやすい通貨なので、分散投資を心がけてください。
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スプレッドが安く、高スワップなので短期から中長期まで対応できる万能型のFX会社だ。
スプレッドが安く、高スワップなので短期から中長期まで対応できる万能型のFX会社よ。
厳密にはFX会社によって計算方法は異なりますが、トルコリラが他通貨と比べて高いスワップポイントを受け取れる点は同じです。
この推移を見ると、トルコリラが終わったという意見があっても仕方ないかも・・・。
トルコ経済の現状を見ると、早期に解決すべき3つの課題があります。
この高い金利収入を目当てに、多くの投資家がトルコリラ取引に注目しています。
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