シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロング大幅に増加】
4月15日時点で円のポジションは、ドルに対して約17.2万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大きく積み増されたことから、ネットロングは前週から約2.5万枚増加し、2週連続で過去最大を更新した。
期間中のドル/円相場は、米国の相互関税については一旦停止となったものの、米中貿易戦争激化への懸念などから、一時142.05円前後まで下落した。
トランプ関税の影響で米経済が「リセッション(景気後退)」に陥るとの懸念があるほか、関税政策への反発からドルが売られやすい地合いとなっている。また、日米貿易交渉で円安を是正することが要求される可能性があるとみられていたことから、投機筋は円先高観をさらに強めたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング増加】
4月15日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約6.9万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増され、ショートが小幅に取り崩されたことから、ネットロングは前週から約0.9万枚増加した。
期間中のユーロ/ドル相場は、米中貿易戦争激化への懸念からドル売りが強まると、一時2022年2月以来となる1.147ドル台まで上昇した。
米国の関税政策を巡り、基軸通貨としてのドルに対する信認低下につながっている。ドルに次ぐ取引高を誇るユーロへの資金流入がユーロ押し上げの一因となったようだ。
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IMMポジション
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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