午前の為替予想は… ドルへの信認揺らぐ 休暇明け欧州勢の動きに注意
作成日時 :2025年4月22日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
ドル円予想レンジ
139.500-141.500円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は昨年9月18日以来となる140.47円前後まで下落。終値ベースで約0.8%安だった。トランプ米大統領がパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長への批判を繰り返す中でドルの信認低下。日米財務相協議で円安是正が議論されるとの思惑も相まって円高・ドル安につながった。
FRBの議長人事や独立性への懸念が広がる中で、昨日のNY市場は米株・米ドル・米債がそろって売られる「トリプル安」を示現。米国の信認が低下しており、ドルは売られやすい状況は続いている。本日は欧州勢を中心に多くの市場参加者がイースター休暇から戻ってくることから、改めてドル売りが強まる可能性があろう。下値では2023年12月安値の140.26円前後や、昨年安値の139.58円前後がポイントとして意識されそうだ。
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 ドルへの信認揺らぐ 休暇明け欧州勢の動きに注意
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は雨、豪ドル/米ドルは晴れ。7時に豪ドル/米ドルの移動平均でシグナルが点灯。
先週の米ドル/円はこの間の安値を更新し、146円半ばまで下落しました。ただその後は徐々に底堅い展開となり、一時は149円台まで反発する場面もありました(図表1参照)。米ドル/円は1月の158円から10円以上と比較的大きく下落しましたが、そうした米ドル安・円高へ戻す動きもそろそろ終わるのでしょうか。
以上のように見ると、日米金利差拡大はまだ当面は限られるでしょう。そうであれば、米ドル/円の反発にも自ずと限りがあるでしょう。一方で投機筋の米ドル売り・円買いに「行き過ぎ」懸念も強くなっていることなどを考えると、米ドル安・円高が一段と進むのも簡単ではなさそうです。以上を踏まえ、今週(3月17日週)の米ドル/円は146~151円で予想したいと思います。
これまでの米ドル/円の下落は、基本的には日米金利差(米ドル優位・円劣位)縮小に沿ったものでした。先週(3月10日週)は金利差縮小が一服となったことで、米ドル/円の下落も一息ついたことでしょう(図表2参照)。そして、もう1つ注目されたのは投機筋の動きです。
本日はイースターマンデー(復活祭後の月曜日)で欧州圏や豪州をはじめ、多くの国や地域が祝日となることから、東京時間から欧州時間にかけては積極的な取引は控えられるとみられる。米国は祝日ではないが、主要な経済指標の発表は予定されていない。そのため、豪ドルは米国の株価動向を睨んだ動きがメインとなりそうだ。 米国ではトランプ大統領がパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長への批判を強め、解任する方法を模索している。政治的干渉は中央銀行の独立性を損なう結果になりかねないとの懸念から、リスク回避の動きにつながりやすいだろう。 トランプ大統領の発言に引き続き金融市場が揺さぶられる可能性が高いだけに、発言等には注意したい。
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