都区部の 家賃 30年ぶり上昇率
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディー・サイン不動産研究所 所長を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、全国新聞社、地方新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は年間30本を超える。著書: 「データで読み解く賃貸住宅経営の極意」(芙蓉書房出版)、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)、「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等10冊。多数の媒体に連載を持つ。
家賃上昇は全国で起きている。3月の全国のCPIの上昇率は0・4%となった。上昇は2023年6月以降、20か月連続だ。
一般サービスに含まれる外食(一般サービス分)が434で、宿泊料が81にとどまることを考えると、これらの品目に安定的な物価目標達成を担わせるのにはあまりにも荷が重い。大きなウエイトを占める公共サービスは前年同月比マイナス0.3%、民営家賃と持ち家の帰属家賃がいずれも同0.1%にとどまっている状況に変化が必要であることは明らかである。
2022年の現金給与総額・前年比はプラス2.0%だった。2023年の春季賃上げ率は93年以来30年ぶりの伸び率になったと言われているのに、2023年の現金給与総額・前年比が2022年よりも低いのは不思議だ。2024年1月以降、調査対象の部分入替えで、2023年の低めの伸び率の反動が出る可能性が大きいとみられる。
最後に、「令和」6年間でみた住宅地価格の上昇率ランキングTOP30を【表5右欄】に示します。これらの住宅地は、「令和」最初のコロナ禍という試練をくぐり抜け、アフターコロナとなった今も通じて上昇期待度が高いエリアと言えるでしょう。
2023年の春季賃上げ率が93年以来30年ぶりの伸び率になった。2024年の春季賃上げ率が昨年を上回る伸び率になり、物価上昇率を上回り、実質賃金が増加に転じることで、所得から消費の好循環が生じるかどうかが、今、注目されている。
また、上位30位中、豊島区(駒込、東池袋、南池袋、北大塚、目白)が7地点ランクインしていることも目を引きます。豊島区は、池袋駅前の大型商業施設や目白・大塚駅等に多数あるスーパーマーケットなどで買い物利便性が高いほか、近年進められてきた公園整備や、女性・子育て支援の拡充により子育てしやすい街との認識が高まってきています。こうした子育て世代への人気が多数のランクインに寄与したものと考えられます。
住宅地では東京都区部が5.4%、区部都心部が7.1%と、その上昇率は2020年を上回っており、区部南西部、区部北東部とも5.0%と順調に上昇しています。周辺3県では、神奈川県(2.8%)や埼玉県(2.0%)に比べて千葉県(4.3%)の上昇率が突出しており、千葉近郊に注目が集まっていることがうかがえます【表2】。
サービスはCPI全体を10,000としたときに4954のウェイトを占めるが、そのうち公共サービスが1219で、民営家賃(225)と持ち家の帰属家賃(1580)が合計で1805で、その他の一般サービスが1930というバランスである。
東京圏(東京都区部や多摩地区、神奈川県・千葉県・埼玉県の主要地域など)では全用途平均で+5.2%の上昇(前年は+4.0%、前々年は+2.4%)、住宅地は+4.2%の上昇(前年は+3.4%、前々年は+2.1%、さらにその前は+0.6%)、商業地は+8.2%(前年は+5.6%、前々年は+3.0%)となりました。いずれも4年連続で上昇し、上昇幅も拡大しています。
不動産開発⼤⼿の幹部は「働く⼥性が増え、⾼い家賃を払っても職住接近で住む⼈が増えている」と指摘する。物件価格の上昇により「住宅購⼊に⼿が出ず、賃貸に流れる動きが起きている」(⽇銀関係者)。
今春、四国地方から上京して東大院に進学した男性は、東大本郷キャンパス周辺の東京都文京区内を中心に賃貸マンションなどを探したが、家賃の高さから早々に断念した。最終的に足立区の賃貸マンションを契約したが、「物価高で支出が増える中、払える家賃には限界があった」と振り返る。
12月の毎月勤労統計では調査対象が変わらず、全国消費者物価指数・帰属家賃を除く総合の前年同月比がプラス3.0%である、2023年12月は、実質賃金は21カ月連続低下になる可能性が大きいと思われる。
名目賃金(現金給与総額)の前年同月比と全国消費者物価指数・持家の帰属家賃除く総合の前年同月比の差として求める実質賃金の前年同月比2022年4月から2023年11月まで20カ月連続でマイナスとなっている(図表1)。
おまけに管理費、修繕積立費、固定資産税も上がっていますから、家賃を上げないと赤字になってしまいます。5月に更新予定の入居者の方には、5000円のアップをお願いしようと思っています」
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