高金利通貨の状況を動画で解説
動画配信期間:公開日から2週間
高金利通貨「メキシコペソ・南アフリカランド・トルコリラ」の状況をギュッと要約
IMFの成長見通し修正
メキシコ:1.4%成長から0.3%縮小へ大幅下方修正(マイナス成長)
南アフリカ:1.5%から1.0%へ0.5%下方修正
トルコ:2.6%から2.7%へ0.1%上方修正
3通貨の強さの順位
メキシコペソ(最も強い)
南アフリカランド
トルコリラ(最も弱い)
メキシコペソの状況
投資格付けはBBBマイナスを維持(3通貨中唯一の投資格付け)
経済政策と対外債務コントロールが評価される
為替レート:4月9日に6.84円をつけた後、現在7.28円まで上昇
ボルサ株価指数:10.58%高(特筆すべき強さ、米国・日本が10%以上下落している中)
多角的な経済政策で経済を維持
工場移転問題:日経新聞ではホンダ・日産のアメリカへの工場移転が報じられているが、メキシコ側は否定
トランプ政権と継続的に交渉中(シェインバウム大統領と経済相)
関税問題が今後の焦点
南アフリカランドの状況
トランプ政権から「土地収容問題」「反ユダヤ主義」で批判を受けるも回復傾向
現在7.7円台
連立政権が消費税引き上げで内部対立、民主同盟が反対し訴訟提起
金(ゴールド)価格上昇が経済を支える(約3,500ドル近くまで上昇)
株価指数も約7%上昇
金利:消費者物価上昇により利下げは当面見送りか
トルコリラの状況
政治的問題が経済より大きく影響
エルドアン大統領の政治スタイル(トランプと類似)
野党の有力大統領候補(イマモール氏)が立候補当日に逮捕され騒動に
為替介入を行うも効果薄く、外貨準備が3分の1減少
金利を3.5%引き上げるも通貨安が止まらない
外国(オマーン、中国、韓国)からの外貨預金で一時的に安定化
トルコ国民のドル・ユーロ保有率は約35%(日本より高い)
他の高金利通貨と比べて回復が遅い傾向
結論
メキシコペソとランドは関税問題が落ち着けば上昇する可能性あり
トルコリラは政治問題が大きく、回復には時間がかかる見込み
高金利通貨の中では現状メキシコペソが最も強く、次に南アフリカランド、最も弱いのはトルコリラと分析
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野村雅道 氏
FX湘南投資グループ代表 1979年東京大学教養学部を卒業後、東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。82年ニューヨーク支店にて国際投資業務(主に中南米融資)、外貨資金業務に従事。85年プラザ合意時には本店為替資金部でチーフディーラーを務める。 87年米系銀行へ転出。外資系銀行を経て欧州系銀行外国為替部市場部長。外国為替トレーディング業務ヴァイスプレジデントチーフディーラーとして活躍。 財務省、日銀および日銀政策委員会などの金融当局との関係が深く、テレビ・ラジオ・新聞などの国際経済のコメンテイターとして活躍中。為替を中心とした国際経済、日本経済の実践的な捉え方の講演会を全国的に行っている。現在、FX湘南投資グループ代表。
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トルコリラ 急速に減る外貨準備 中銀は大幅な利上げをするもメキシコペソ円
アーバル総裁は20年11月の就任後に大幅な利上げを敢行してそれまでのトルコリラ安を反転させましたが、3度目の利上げ直後に在任4カ月で解任されました。そして、利上げに対して批判的だったカブジュオール氏(元与党議員、エコノミスト、コラムニスト)が後任に指名されました。カブジュオール総裁が最初の利下げを行ったのが9月23日。就任から最初の6カ月間は政策金利を据え置きましたが、その間にエルドアン大統領から強い利下げ圧力があったことは想像に難くありません。
トルコリラ円相場は、先月のエルドアンショック以降、図表の通り、4円を下抜け、一時3.35円まで急落した。その結果、FX投資家のリラ買いポジションの3分の1が一夜にして消滅した模様であり、現在もリラ買い建玉の低迷が続いている。また、トランプ関税発動以降の金融市場の混乱がリスク回避の円買いを誘発していることもあり、トルコリラ円の上値は重く、今後、底入れするかどうかは、トルコ中銀の為替政策如何にかかっていると考えられ、今後の動静を注視していきたい。
トルコ中銀は、これまで高インフレを抑制するために、緩やかにトルコリラ安に誘導させる管理フロート制を採ってきたが、今回のリラ安ショックと海外資本の逃避を目の当たりにして、「目先リラ高誘導を図ることで、トルコ金融市場の信認を回復させる政策」に一時的に転換するのかが注目される。
トルコリラが下げ止まりをみせた11月24日、今度はメキシコペソが大幅安となりました。背景は、ロペスオブラドール大統領が次期中央銀行総裁人事に関して、6月に発表したエレラ前財務・公債相の指名を突如として撤回して、ロドリゲス財務副大臣を指名したことです。ロドリゲス氏はメキシコシティ公債長官など財務畑が長く、金融政策に関する経験が不足していると指摘されています。そのため、大統領に忖度して政策を運営するのではないかとの懸念が出ています。中央銀行の独立性が疑問視された場合にその国の通貨が売られる事例は、トルコリラが示したばかりです。
9月以降にジリジリと値を下げていたトルコリラが11月後半に入って急落しました。11月15日には心理的に重要とみられていた1米ドル=10リラを突破、23日には一時13.45リラまで下落しました。
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