FX/為替「円安是正懸念後退で円高・ドル安は一旦終了」 外為どっとコム トゥデイ 2025年4月24日号

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FX/為替「円安是正懸念後退で円高・ドル安は一旦終了」 外為どっとコム トゥデイ 2025年4月24日号

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2025年4月24日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉

目次

▼23日(水)の為替相場
(1):米大統領「解任する意図はない」
(2):独PMI悪化
(3):英PMIも悪化
(4):対中関税引き下げ検討報道
(5):米総合PMIが悪化
(6):米財務長官「通貨目標を求めない」

▼23日(水)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:方向感を模索する動き/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

23日(水)の為替相場

期間:23日(水)午前6時10分~24日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):米大統領「解任する意図はない」

トランプ米大統領は「パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長を解任する意図は全くない」「利下げ検討の面で彼にはもう少し活発になってほしい」と語った。また、以前にパウエル議長の「解任は一刻も早く実現すべきだ」などと口撃し、市場の動揺を誘ったことについては、市場の反応は「行き過ぎだ」との認識を示した。

(2):独PMI悪化

独4月PMI・速報値は製造業が48.0と前月(48.3)から悪化したが市場予想(47.6)は上回った。また、サービス業は48.8となり予想や前月(50.2、50.9)を下回り好不況の分岐点である50.0を割り込んだ。その後発表されたユーロ圏4月PMIは製造業が48.7と予想(47.4)に反して前月(48.6)から改善した一方で、サービス業は49.7となり予想や前月(50.5、51.0)を下回った。

(3):英PMIも悪化

英4月PMI・速報値は製造業が44.0と市場予想通りに前月(44.9)から悪化。サービス業は48.9と予想や前月(51.5、52.5)を下回り、好不況の分岐点である50.0を割り込んだ。

(4):対中関税引き下げ検討報道

米ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙が「米政府は中国との貿易戦争の緩和に向けて、対中関税の引き下げを検討」「対中関税は50-65%に引き下げられる見通し」と報じた。

(5):米総合PMIが悪化

米4月PMI・速報値は製造業が50.7と市場予想(49.0)に反して前月(50.2)から改善。サービス業は51.4と予想や前月(52.6、54.4)を下回った。総合PMIは51.2で予想や前月(52.0、53.5)を下回り、2023年12月以来の低水準となった。

(6):米財務長官「通貨目標を求めない」

ベッセント米財務長官は、関税をめぐる日米交渉で「通貨目標を求めない」と述べ、対日貿易赤字の是正を主なテーマにする考えを示唆した。一方でトランプ大統領から「対中関税引き下げについて一方的な提案はない」と述べてWSJ紙の報道を暗に否定した。

23日(水)の株・債券・商品市場

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ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)

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人気通貨ペア 本日の予想レンジ

ドル/円の見通し:方向感を模索する動き

昨日のドル/円は終値ベースで約1.3%上昇。トランプ米大統領がパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長を「解任する意図は全くない」と語りFRBの独立性をめぐる過度の懸念が後退したほか、米国が対中関税の引き下げを検討していると伝わったことでドルを買い戻す動きが強まった。また、ベッセント米財務長官が日本との通商交渉で「通貨目標を求めない」と述べたことで、日米財務相協議で円安是正が協議される可能性があるとの警戒感が和らぎ一時143.58円前後まで上値を伸ばした。
昨日の材料は過度のドル売りや円買い圧力を後退させる内容であったことから、過去2週間続いたドル売り・円買いの流れは一旦収束したと考えられる。国際通貨先物市場(IMM)の円ポジションは過去最大まで円ネットロングが膨れ上がっていたこともあり、ドル/円は142円台前半から下では円の売り戻しが入りやすくなりそうだ。一方で、FRBの独立性や米中貿易摩擦などドルをめぐる過度の警戒感は後退したものの、トランプ政権の関税政策は撤廃されたわけではない。関税が米経済を減速させるとの懸念から上値も限定的となるだろう。ドル/円は次の材料待ちの状態で、142円台後半から143円台前半を中心に方向感を模索する動きとなりそうだ。材料面では米新規失業保険申請件数や米3月耐久財受注などが発表される。

注目の経済指標:米耐久財受注

注目のイベント:ECB専務理事講演

※時間は日本時間での表示になります。
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※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。

 
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。

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[紹介元] 外為どっとコム マネ育チャンネル FX/為替「円安是正懸念後退で円高・ドル安は一旦終了」 外為どっとコム トゥデイ 2025年4月24日号

FX 為替 円安是正懸念後退で円高

ただ、日本は「為替操作」をしておらず、むしろ円安を阻止するために為替介入(ドル売り・円買い)を実施しているとの説明を行い、米国も理解すると思われるため、今回の協議では「為替操作」が核心の問題点とはならないと思われます。

そのような円安は「為替操作」であり、「けしからん、不正行為だ」と米国は主張するのかどうかということになります。日本は意図して円安に持っていったのではないのですが、第1次トランプ政権就任時のドル/円レート1ドル=110~120円と比べると、160円から140円の円高になっても、トランプ大統領から見れば、20~30円の円安水準になっているということになります。

今週は24日の日米財務相会議に注目です。トランプ大統領は、非関税障壁の不正行為の例として、一番に「為替操作」(Currency Manipulation)を挙げました。

「為替操作」とは、米国に対する輸出を有利にするために自国の通貨を安くするということです。日本の場合だと、1ドル=160円の円安にして米国に対する輸出を増やし、その結果米国は貿易赤字になったということです。

22日の外国為替市場で対ドルの円相場が一時1ドル=139円台まで上昇した。24日開催で調整しているとされる日米の財務相会談で、米国による円安是正の要求が強まるとの思惑が円相場を押し上げている。今後の相場を占う手掛かりとして注目されるのが、チャート上に一段の円高を示唆する「三尊天井」が形成されるかどうかだ。

しかし、円安是正は間接的に仄めかしてくるかもしれません。円安是正の水準を示すのではなく、例えば日銀の金融政策の正常化を進め、為替水準の適正化を求めるという形で円安是正を求めてくるかもしれません。ドル/円は一時1ドル=143円の円安となりましたが、24日の為替協議が終わるまでは頭の重たい状況が続きそうです。

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