万博来場者が死亡 適切な処置
石破総理大臣は、アメリカの関税措置をめぐるトランプ大統領との会談などを終えた赤澤経済再生担当大臣から電話で報告を受けたあと記者団の取材に応じました。日米間では依然、立場に隔たりがあるとしながらも次につながる協議が行われたと評価した上で、最も適切な時期にアメリカを訪問し、トランプ大統領と直接会談したいという考えを示しました。
万博協会は当初、予約制による「並ばない万博」を実現し、パビリオン内で涼をとってもらう計画だった。ただ、複雑な購入・予約システムが不評で、ネットに不慣れな人に向けて当日券を導入したことで、「高齢者ほど外で並ぶという皮肉なことになりかねない」(万博協会職員)との声も出ている。
23年夏に千葉市で開かれた音楽フェスティバル「サマーソニック」では、開演を待っていたファンが次々に倒れ、救護所に100人以上が殺到する事態を招いた。万博を所管する経済産業省幹部は「暑さの問題は蓋を開けてみないとわからない」と頭を悩ませる。
協会はプライバシーに関わるとして、死亡した来場者についての情報や詳しい状況を明かさず、「今の時点では、会場内で適切な措置がなされていると考える」と述べた。
大阪・関西万博の会場で、突然、来場者の一人が倒れた。駆けつけた救護隊が大屋根(リング)の外側にある診療所に運ぶ。重症だ。医師が応急の処置を行い、大阪市消防局の救急隊に引き継ぐ。患者は救急車で市中心部の救急病院へ――。
万博協会は15万人が3日間過ごせる90万食分の食料を会場に備蓄した。だが、避難場所となる屋内スペースは不足気味で、海外パビリオンなども活用しなければカバーできない。
宮川は「会場でできる治療は限られている。適切にトリアージして関係機関につなげられるかどうかに尽きる」と気を引き締める。
万博協会は▽テントやパラソルの設置▽ミストやスポットエアコンによる送風▽遮熱性舗装や植栽による地表面の高温化防止――などの対策を打ち出した。
開催中の2025年大阪・関西万博会場(大阪市此花区)で今月24日、来場していた60代女性が心肺停止の重篤な容体で救急搬送され、その後死亡していたことを受け、万博を運営する日本国際博覧会協会の担当者が26日、「ご冥福を祈り、心よりお悔やみ申し上げる」とコメントした。
防災・危機管理政策に詳しい永松伸吾・関西大教授は「危機管理上の想定は平均ではなく、常に最悪の事態を考えて備えるのが原則。過去の万博の基準で大丈夫なのか」と疑問を呈した。
この中で、石破総理大臣は「日米間では、依然として立場には隔たりがある。 トランプ大統領からは国際経済において、アメリカが置かれている状況について率直な認識が示され、赤澤大臣からは、アメリカの関税措置は極めて遺憾であり、一連の措置の見直しを強く申し入れたと報告を受けている」と述べました。その上で「今後とも容易な協議とはならないが、トランプ大統領は、日本との協議を最優先としたと述べている。 次につながる協議が行われたと認識し、評価している。推移を見ながら私自身、最も適切な時期に訪米し、トランプ大統領と直接、会談することを当然考えている」と述べました。そして「今回の協議も踏まえ、今後とも政府一丸となり、この問題に全力で、最優先として取り組んでいきたい」と述べました。
日本国際博覧会協会(万博協会)は、来場者全体の0・1%に当たる1日約150人の傷病者が発生し、うち3%程度が重症と想定する。2005年の愛知万博など、過去の万博の実績からはじいた。
愛知万博では、半年の会期中に313件の熱中症患者が出た。ただ、当時とは状況が異なる。23、24年の6~8月の平均気温(全国)は、平年より1・76度高く、1898年の統計開始以降、最も暑かった。温暖化の影響とみられ、大阪市の昨年の猛暑日(35度以上)は41日に上る。
読売新聞「挑む万博」プロジェクトでは、2025年大阪・関西万博やSDGs達成に向けたさまざまな取り組みを伝えます。
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