このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya
インフレ再燃の兆し、景気減速への懸念 15日に中銀会合
先週24日に発表されたメキシコの4月前半の消費者物価指数(CPI)は前年比+3.96%と、3月の+3.80%および3月後半の3.93%から伸びが加速。メキシコ中銀の物価目標レンジ(2-4%)内にはかろうじて収まったものの、インフレ再燃の兆候が見られる。一方で、今週30日に発表されるメキシコ1-3月期国内総生産(GDP)の市場予想は前期比±0.0%となっており、2024年10-12月期に続いて2四半期連続のマイナス成長となる可能性も否定できない。メキシコ中銀は、昨年後半から今年3月まで6会合連続で利下げを行い、この間政策金利を合計200bp(2.00%ポイント)引き下げた。中銀はインフレ再燃と景気減速の板挟みで、今後の金融政策の舵取りが難しくなったと言えるだろう。5月15日の次回会合で7会合連続の利下げ、かつ3会合連続の50bp利下げを行なうかどうか不透明感が漂い始めた。
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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メキシコペソ 円見通し 中銀の利下げに不透明感インフレ再燃とリセッションの懸念くすぶる
おはようございます。フィリピン経済の減速感が強まっています。 1. 8月CPIが減速 フィリピンの国家統計調整委員会(NSCB)は9月5日に、5月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比+5.3%になったと発表(図表1参照)。伸び率は前月の+4.7%から加速。市場予想の+4.7%から上振れ。2.政策金利を据え置き 一方、フィリピン中央銀行は9月21日の金融政策決定会合で、主要政策金利である翌日物借入金利を6.25%に据え置くことに決定(図表2参照、上限を表示)。金利据え置きは4会合連続で、市場予想通り。 レモロナ総裁は会見で「11月の利上げが選択しとしてある。引き上げ幅はデータ次第だ。供給ショックが大きければ、利上げする用意がある」としました。3. 4-6月GDP+4.3%に減速 一方、フィリピンの国家統計調整委員会(NSCB)は8月10日に、4-6月期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比で+4.3%の伸びになったと発表(図表3参照)。1-3月期の確定値+6.4%から減速。市場予想の+6.0%から下振れ。3四半期連続で減速し、2011年以来の低い伸び率。高水準のインフレと金利が消費需要に打撃を与えており、金融引き締めの必要性が低下。経済閣僚は、農産物の価格高騰が個人消費を抑制したことに加えて、選挙が行われた前年同期と比較して、政府支出が縮小したことが要因と指摘。 「第2四半期は、観光支出は商業投資の増加により緩やかな景気拡大が見られたが、商品価格の高騰、利上げの遅行効果、政府支出の縮小、盛会的な景気減速に圧迫された」としました。 4. 景気の頭打ち感強まる 4-6月期GDPは、前期比年率▲3.6%と、前期の同+4.0%から、丸3年ぶりのマイナス成長に転じました。中期的な基調を示唆する前年同期比ベースでも+4.3%と、前期の+6.5%から鈍化しており、2年強ぶりの伸びとなるなど、足下の景気は一段と頭打ちの様相を強めています。 5. 為替と株価の動向 次に、為替を見ると、フィリピン・ペソは21年5月末に1ドル=47.67ペソの高値を付けたのち、対ドルで一貫して下落(図表4参照)。ペソの下落の要因としては、経常収支の悪化、資本の流出、ペソの下落についての中銀の容認などがあります。また、米連邦準備理事会(FRB)がテーパリング(資産買い入れの縮小)、利上げの意向を示唆したため、新興国から資金が流出しました。 22年に入ってからは米国の物価の大幅上昇、FRBによる大幅利上げでドルが上昇。22年10月には、1ドル=58.20ペソまで下落。その後、フィリピン中銀の利上げなどにより、ペソが反発。23年3月には同54.29ペソ。その後は反落し、22年12月末と23年9月末の比較では、ペソは対ドルで▲1.81%の小幅下落。株価は、フィリピン総合指数が20年3月31日に5,266ポイントまで下落したのち、その後は上昇に転じました。只、株価も米FRBによる大幅利上げ、世界的な商品市況高騰などにより、22年2月以降、下落基調に転じました。22年9月には5,741ポイント迄下落。その後はフィリピン経済の堅調などにより戻り調子。その後は世界景気の減速などにより、横這いに転じました。22年12月末と23年5月末との比較では、同指数は▲3.73%の小幅下落。 6. リスク要因など 今後は、世界経済の動向、米国の景気、米FRBの金融政策などにより、フィリピンの株価及び為替は影響を受けることとなりそうです。中国、米国などで景気の減速感が強まれば、その影響を受けることも考えられます。フィリピン国内のインフレ率は8月には反発しました。インフレ率が高まりペソが下落すると、同国中銀が利上げする可能性があります。
おはようございます。トルコ経済に不透明感が強まっています。 1. 11月CPI上昇率加速 トルコ統計局が12月4日に発表した11月消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比+61.98%と、前月の+61.36%から伸び率が加速。予想の+63%から下振れ。2. 政策金利を大幅引き上げ 一方、トルコ中央銀行は11月23日の金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を+5.0%ポイント引き上げ、40.0%にすることを決定(図表2参照)。市場は概ね+2.5%ポイントの利上げを予想したいたので、上げ幅はサプライズ。 同行は「現在の金利水準はディスインフレ軌道を確立するために必要な水準にかなり近づいていると認識している」としました。更に、金融引き締めのペースはピークに近づくにつれ鈍化し、引き締めサイクルは間もなく完了するとの見通しを示唆。3. 7-9月期成長率+5.9% 他方、トルコ統計局が11月30日に発表した7-9月期GDP(国内総生産)は、前年同期比+5.9% (図表3参照)。前期の同修正値+3.9%から加速。市場予想の+5.6%から上振れ。6月に利上げが始まった後も、底堅い家計消費が牽引。只、中銀は過熱気味の消費を冷まそうとして引き締めを続けており、足下では減速感が出ています。GDPの7割強を占める家計消費が+11.2%。4-6月期の+15.4%からは減速したものの、堅調を維持。輸出は+1.1%。産業別では、製造業が+6.2%、サービス業が+4.3%。2月の地震復興需要を受けた建設業が+8.1%。 4. 景気には不透明感 年明け以降の同国経済は、高インフレにも拘わらず、家計消費は旺盛に推移。外需の堅調さもあり、景気を押し上げる展開が継続。7-9月期GDP成長率は前期比+1.09%と、プラス成長を維持するも、頭打ちの様相。 輸出は堅調に推移するも、インフレと金利上昇が家計消費をしたおしするなど、景気の足を引っ張っています。家計消費の弱さを反映して、純輸出の成長率寄与度はプラスに転じて、在庫も積みあがっており、足下の景気は厳しいと考えられます。 5. 為替と株価 ここで、トルコの為替と株価を見ましょう。13年には、経常収支・財政の赤字が比較的大きいとして、トルコは「脆弱5か国」の一角とされ、通貨は13-15年には対ドルで大きく下落(図表4参照)。15年以降も下落が継続。22年12月末から23年11月末まででも▲52.3%と大幅下落。 一方、代表的な株価指数の1つであるイスタンブール100指数は18年から20年初めにかけては軟調な動き。20年初めには新型コロナ・ウィルスの影響により株価は大きく下落したものの、その後は世界経済の回復に伴い、トルコの株価も反発。その後は下落に転じて、22年12月末と23年11月末との比較では+52.8%と大幅上昇。6. リスク要因と課題 足下では、企業、家計ともにマインドが下振れ。国内外双方に景気の下押しとなる材料が山積するなど、一段と景気が下振れする懸念があります。 他方、来年3月の統一地方選を宇据えて、政策の方向性が一変する可能性もあります。中銀は今後も引き締め姿勢を堅持する可能性があり、政府の動きにも注意を払う必要があります。
・米景気に霧が立ち込めつつある。 5月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が7万5000人増にとどまり、市場予想(18万人増)を大きく下回った。 失業率は3.6%と前月から横ばいで約49年ぶりの低水準を保ったが、市場では景気の先行きを悲観する投資家は多い。 7日朝、雇用統計の発表後、外国為替市場では円買い・ドル売りが進み、円は一時1ドル=107円台後半に上昇。 米国債にも買いが膨らみ、米長期金利の指標である10年物米国債利回りは一時2.05%と、2017年9月以来の水準に低下(価格は上昇)。 金融政策の襟協を受けやすい2年物も1.77%と17年12月以来の低水準を付けた。・イノベーション 脱プラスチック 代替素材に注目 20カ国・地域(G20)首脳会議でも議論へ。 主な脱プラ関連銘柄 資生堂 <4911> [終値7955円]生分解性プラを使った化粧品容器を容器 東レ <3402> [終値763.8円]廃ペットボトルから機能性繊維を作る技術を開発・ココカラ争奪戦 大型再編へ号砲 ドラッグストア大手が大型再編に向けて火花を散らしている。・NEC <6701> [終値4050円]5日、楽天 <4755> [終値1173円]と連携して次世代通信規格「5G」の基地局を共同で整備すると発表。・MARKETS STOCK 景気敏感株に買い戻し 米金利下げ観測で心理改善、持続力には疑問符も。・MARKETS FOREX 円、一時5カ月ぶり107円台。米景気への不安高まりかまれる。・MARKETS COMMODITY 原油急落 高値から2割安 原油価格が5月末以降、急落。 指標となるニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は1バレル=50ドル台前半と4月下旬に付けた年初来高値から2割安い水準。 急落のきっかけは、米国のメキシコへの追加関税表明。・MARKETS 仮想通貨 インターネット上の仮想通貨ビットコインの相場は下落。 情報サイトコインディスクによるとドル建て価格は日本時間20日時点で1ビットコイン=7800ドル程度、前週末(8300ドル台)を下回る。 ビットコインは市場参加者が限定的なだけに、まとまった規模の売り買いで相場が振れやすい局面もある。
おはようございます。タイ10-12月期GDPは加速しました。 1. 10-12月期成長率+3.2%に加速 タイ国家経済社会開発庁(NESDB)は2月17日に、10-12月期の国民総生産(GDP)成長率が前年同期比+3.2%になったと発表(図表1参照)。前期の+3.0%から加速し、市場予想の+3.9%からは下上振れ。2022年7-9月期以来の高い伸び。前期(季節調整済み)は+3.0%。 家計消費は、政府の景気刺激策もあり、+3.4%(前期は+3.3%)と加速。また、固定資産投資は+5.1%(同+5.0%)と、国家予算の支出もあり堅調。 貿易については、輸出が+11.5%(同+9.9%)と加速し、輸入の+8.2%(同+10.3%)を上回る伸び率で、GDPの伸び率に寄与。 政府支出は+5.4%(同+6.1%)と、伸び率が鈍化。生産面では、非農業部門が+3.5%(同+.2%)と加速して、サービスセクターも+4.7%(同+4.1%)。建設+18.3%が牽引。更に、脳病生産は+1.2%(同▲1.0%)と回復。 24年通年では、GDPは前年比+2.5%&と、2023年の修正値+2.0%からやや加速。只。政府目標の+2.7%からは下振れ。今年のGDPは+2.3〜3.3%成長の予想。2. 1月CPI加速 一方、タイ商業省は2月6日に、1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が、前年同月比+1.32%であったと発表(図表2参照)。市場予想の+1.30から下振れ。前月の+1.23%から加速。3. 政策金利を維持 一方、タイ中央銀行は12月18日の金融政策委員会で、政策金利である翌日物レポ金利を2.25%に維持することを、全会一致で決定。同国は10月には予想外の利下げを行いましたが、景気回復を背景として、中立的姿勢を維持。金利維持はほぼ市場の予想通り。景気が回復して、インフレ率が+1〜3%の目標に向かって徐々に上昇する中、タイ中銀は中立的姿勢を維持することの重要性を強調。セタプット総裁は今月に入って、世界経済が直面する高い不確実性や予期せぬ状況に効果的に対処できる「確固たる」金融政策を実施しているとしていました。 4. 今後の見通し 同国は、主要ASEAN諸国の中で、コロナ禍からの回復が最も遅れています。タクシン政権の下で景気拡幅を優先。インフレ率は+2%を下回る低水準となっており、中銀は昨年10月に利下げ。政府も現金給付するなど、景気下支えに注力。昨年末にかけては、中国の内需関係に動くとともに、米トランプ政権発足前の駆け込み需要により、外需が下支えすると期待されました。 昨年10-12月期GDP成長率は、前期比年率+2.11%とプラス成長が続くなど、景気の底入れを確認。外需が堅調なものの、政府の政策支援効果は期待外れに終わり、内需は鈍化。在庫投資が景気を下支えしており、実態は数字よりも厳しいを見られます。一方、外国人訪問客は堅調であり、韓国関連産業は好調。 足下のバーツ相場は堅調となっているものの、9月に任期満了を迎えるセタプット総裁の後任人事の行方が気にかかるところです。 昨年の経済成長率は+2.5%に加速したものの、先行きは内・外需とも不透明感が高まっています。政府は今年の成長率見通しを+2.3〜3.3%としているものの、昨年並みの成長率に留まると予想されます。
おはようございます。インドネシア1-3月期GDP成長率は堅調でした。 1. 4月CPI上昇率はほぼ横這い インドネシア中央統計局は5月2日に、4月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+3.0%になったと発表(図表1参照)。市場予想の+3.06%から下振れ。前月の+3.05%から上昇率はほぼ横這い。2.政策金利を引き上げ 一方、インドネシア中央銀行は4月24日の理事会で、インフレ抑制と通貨ルピアを安定させるために、政策金利であるBIレートを+0.25%ポイント引き上げて6.25%にすることを決定。市場概ね据え置きを予想していました。 同行は声明文で、今回の利上げについて「世界的なリスクの悪化の影響から通貨ルピア相場の安定を強化するためであり、インフレ率を24年と25年に前年比+1.5〜3.5%(中央値+2.5%)の物価目標内に抑止するための先制的かつ将来を見据えた措置」であるとしました。3.1-3期GDP+5.11%に加速v インドネシア中央統計局(BPS)は5月6日に、1-3月期の国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比+5.11%であると発表(図表3参照)。前期の+5.04%から加速。市場予想(同+5.08%)を上回りました。 需要項目別に見ると、消費の拡大が成長率加速に繋がりました。 民間消費は前年同期比+5.33%(前期は同+4.78%)から加速。政府消費は+19.90%(同+2.81%)と加速。総固定資本形成は+3.79%(同+5.0%)と鈍化。純輸出は成長率寄与度が▲0.23%ポイント(同+0.45%ポイント)となり、3四半期ぶりのマイナス 供給項目別では、第三次産業が+7.39%(前期は同+5.50%)と好調。第二次産業は+5.99%(同+5.75%)と第一次産業は▲3.54%(同+1.12%)。4. 為替と株価の動向 次に、為替を見ると、インドネシア・ルピアは2019年12月末から20年3月末にかけて▲17.4%の大幅下落。世界的な新型コロナ・ウィルスの感染拡大により、投資家が新興国から資金を引き揚げたことなどが響きました(図表4参照)。その後、米連邦準備理事会(FRB)による大幅金融緩和などにより、ルピアは対ドルで急激に戻す展開。21年後半以降は対ドルで下落に転じて、22年11月には1ドル=15,7000ルピア迄下落。ただその後も下落が続き、22年末から24年4月末では、▲4.09%の下落。 株価についても、ジャカルタ総合指数は19年末から20年3月末まで▲27.9%の大幅下落。その後は一転して急速に戻す展開。その後も堅調に推移しており、22年末と24年4 月末との比較では、+9.93%の小幅上昇。5.景気の見通し 同国経済は、2023年には一次産品の減少に物価高と高金利が加わり、景気が減速。通年の成長率は+5.04%となり、コロナ禍からの経済活動の正常化がより好調であった2022年の+5.31%から鈍化。只、2024年1-3月期成長率は前年同期比+5.11%と、2023年10-12月期の同+5.04%から加速しており、2四半期連続の加速。比較的堅調な景気が継続。 1-3月期には消費支出が回復して景気を牽引。特に非営利団体の消費支出は前年同期比+24.29%と、政党による選挙キャンペーンにより好調。更に、政府支出も+19.90%と前期の+2.31%から急上昇。選挙対策の支出が増加して者とみられます。 一方、投資は+3.79%と、建設業を中心として底堅い伸びとなったものの、+5%を上回る伸びが続いた過去2四半期からは鈍化。中銀による金融引き締めによる借入コスト上昇や輸出停滞長が影響。 更に、外需の伸びも鈍化。財貨輸出は前年同期比+0.50%に留まり、世界的な需要鈍化もあり、石炭やパーム湯などの伸びも鈍化。只、サービス輸出は+10.99%と、交渉を維持。1-3月期の外国人旅行者は前年同期比+25.4%の303万人となり、コロナ禍前の8割まで回復。 今後は中国の景気など、外需の影響を注視する必要があります。中国、米国などの景気が鈍化するようであれば、インドネシア経済に影響するものと予想されます。
おはようございます。ロシア経済は、依然として混迷しています。 1. 4-6月期成長率は+4.9%に回復 ロシア連邦統計局は8月11日、4-6月期GDP(国内総生産、速報値)が前年同期比+4.9%になったと発表(速報値)。1-3月期の▲1.9%から、プラス圏に回復。市場予想の+3.9%から上振れ。 来年にも、戦争前の経済規模を回復する可能性があります。欧米による経済制裁があるものの、インド、中国向け輸出を増やすなど、制裁への対応が進みつつあります。只、戦争継続により財政赤字が拡大、又、通貨ルーブルが下落するなど、懸念材料もあります。2. インフレ率が加速 国家統計局から8月9日発表された7月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は+4.3%と、伸び率は前月の+3.2%から加速(図表2参照)。市場予想に一致。3. 政策金利を引き上げ 一方、ロシア中央銀行は8月15日の理事会で、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と資金吸収のための1週間物入札金利を+3.5%引き上げ。政策金利を12%としました。ロシアの通貨ルーブルの下落を受けた、臨時の金融政策決定会合を同日開催して決定。 同行は声明で、「供給を上回る内需の拡大で、インフレ圧力が高まっている。輸入の増大でルーブル相場が影響を受けて、インフレ期待に拍車を駆けている」として、物価安定の措置だと強調。4.景気は回復傾向 ウクライナ侵攻を契機として、米欧などが対ロ制裁に乗り出しました。只、中国などの友好国が支援に乗り出し、インドなど米欧と中国のどちらにも与しない中間はとの貿易が拡大。制裁の抜け穴となっています。 更に、サウジを中心とするOPECプラスでは、原油の減産に動いており、原油相場が底入れしつつあります。ロシア産原油の価格は米欧による制裁価格を上回るなど、戦費調達がよういになりつつあります。GDPは、季節調整済みベースで、ウクライナ侵攻前を回復。 5. 為替の動向 ここで、為替を見ると、ロシアの通貨ルーブルは、昨年9月の1ドル=53.0ルーブル程度から、23年7月には同95.9ルーブル程度まで大幅下落。ロシアの経常収及び財政赤字などが響きました(図表4参照)。6. リスク要因 通貨ルーブル下落、インフレリスクの高まりに対応して、中銀は7月に続いて、8月にも利上げしました。直近のインフレ率は中銀の目標を上回っています。 中銀はルーブル下落に対応して、財政既読に基づく外貨建て買い入れを年末まで停止。ルーブル下落阻止に向けて、一段を強い政策を取る必要性に迫られる可能性があります。ウクライナ情勢の見通しが立たないため、今後更に戦費が拡大する恐れもあります。
ランドは今年になって5年来の安値圏で推移。中銀は、まだランド安がインフレを醸成してはいないものの、既に輸入物価を押し上げてインフレ期待が反応し始めているとみている。
おはようございます。中国で日本化が進展しています。 1. 中国で「日本化」が進行 「日本化」には明確な定義はありませんが、1989年以降、日本経済が低迷したことは事実です。G7(主要7か国)で見ても、日本だけが2000年と2023年の一人当たりGDP(国内総生産)で見て低下しており、日本経済の停滞は顕著です。1989年以降の約30年間で、日本では少子高齢化が急速に進展。それに伴い、GDP(国内総生産)成長率の低下、金利の低下、賃金の停滞、企業の国際競争力の低下、国及び地方の財政の著しい悪化、株価及び不動産価格の大幅低下といった減少が見られました。 1989年以降には、いわゆる「バブルの崩壊」として、特に不動産価格の大幅な下落が見られました。確かに不動産価格が逆資産効果を齎し、景気の悪化に拍車をかけた面はあるかもしれません。只、不動産及び株価の下落は、成長率の低下、企業の国際競争力の低下の結果であるとみるべきでしょう。 1989年以前の日本は、不動産価格の上昇に依拠する「土地本位主義」であったと言えます。典型的な例がダイエー。同社は土地を担保として店舗数を拡大しましたが、不動産価格の下落と共に経営が行き詰りました。 2. 4-6月期GDP+6.3% では、順次中国の経済指標を見ましょう。中国の国家統計局は7月17日に今年4-6期の実質国内総生産(GDP)成長率が、前年同期比で+6.3%になったと発表(図表2参照)。1-3月期の+4.5から加速。前年には上海のロックダウン(都市封鎖)で中国経済が混乱しており、その反動が拡大の要因。 足下では景気の減速感が強まっており、前期比は+0.8%。1+-3月期は同+2.2%。習近平政権は、新型コロナ・ウィルスの感染拡大を徹底的に抑制する「ゼロコロナ政策」を今年1月に終了して景気回復を促しています。景気の失速感が高まっていることを示唆。3. 6月CPI上昇率減速 次に、物価の動きを見ましょう。中国では国家統計局が7月9日に、6月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比変わらずであったと発表。前月の+0.2%から伸び率は減速。市場予想の+0.2%から下振れ。 食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比+0.4%。伸び率は前月の+0.6%から鈍化。 政府は2023年のインフレ率目標を+3%としています。22年のインフレ率は+2%。4. PPIはマイナス継続 一方、中国の国家統計局の同日の発表によると、6月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比▲5.4%と、前月の同▲4.6%から下落幅が拡大して、2015年12月以来の大幅な落ち込み。PPIは9か月連続で下落。当局に対して需要喚起の政策対応を迫る形。人民銀行は6月に、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート)の1年物と5年物を10か月振りに引き下げました。 バークレイズのエコノミストは、「デフレ環境がより厳しくなり、成長の勢いが急激に鈍化している。人民銀行が利下げサイクルに入ったという当社の見方を裏付けるものだ」としました。 5. 輸出も不振 では次に、中国の貿易を見ましょう。中国税関総署が7月13日発表した6月の貿易統計によると、ドル建てで輸出は前年同期比▲12.4%と大幅減少(図表5参照)。5月の同▲7.5%から減少幅が拡大し、市場予想の▲9.5%から下ぶれ。 一方、輸入は同▲6.8%と、前月の▲4.5%から減少幅が拡大し、市場予想の▲4.0%から下振れ。国内需要の弱さにより、5か月連続で減少。嘗て、日本でも輸出産業が経済を牽引しました。その後日本企業の競争力が低下して、貿易黒字も縮小。中国も景気拡大の牽引役であった輸出が不振になれば、GDP成長率の下押し要因となります。 6. 6月新築住宅価格は前月比▲0.1% 一方、不動産市も低迷。国家統計局が7月15日発表した6月の主要70都市の新築住宅価格動向によると、6月の新築住宅価格は前月比▲0.1%と、再び下落しました。中小都市を中心として販売が低調で、5か月振りの低下。 70都市のうち前月比下落したのは38都市で、全体の54%。半数を超える都市で値下がりしたのは、2022年12月以来。 北京、上海など「1級都市」と省都など「2級都市」では、前月から横這いで、値上がりが止まりました。規模が小さい「3級都市」は▲0.1%の下落に転じました。 日本では、景気低迷の大きな要因として、不動産価格の下落があります。中国では特に従来、輸出ともに不動産市場が景気を牽引してきました。地方政府の主要な財源は土地開発による収入でした。 他方、巨額の債務を抱えて経営危機に陥った中国不動産開発大手、中国恒大集団の再建が難航。中国では、建設途中でそのまま放置されているマンションも増加。過剰な貯蓄、それに伴う不動産投資が中国の景気拡大に貢献してきましたが、今後は難しくなるものと予想されます。 7. 政策金利を据え置き 中国人民銀行(中銀)は20日、事実上の政策金利である最優遇貸出金利(LPR)の期間1年、同5年超のいずれに据え置き。「ローンプライムレート(貸し出し基礎金利、LPR)」を3.55%としました。前月は10か月振りの利下げに踏み切っていました。 中国は新型コロナ・ウィする感染を徹底的に抑制する「ゼロコロナ」政策の影響が長引いており、景気回復が遅れています。デフレ懸念が強まっていますが、金融緩和を実施したばかりのため、今月は効果を見極める意向であるとみられます。1989年以降、日本では長期金利、短期金利ともに急速に低下。その後、日銀はゼロ金利政策を維持。現在でもまだゼロ金利政策を事実上維持。中国においても景気の低迷、低水準の金利が持続する可能性があります。 8. 中国の人口が減少 一方、中国の国家統計局は1月17日に、2022年末時点の人口が14億1175万人で、前年から▲85万人減少したと発表。人口減少は1961年以来61年ぶり。 嘗て、日本は戦後の段階の世代が経済成長を牽引。生産年齢人口(15-64歳)が0-14及び65歳以上合計の人口を上回る、いわゆる「人口ボーナス」があり、日本経済発展の一因となりました。人口ボーナスが消えたことが、日本経済の低迷の一因。 人口の面では、中国でも「人口ボーナス」が消滅しており、成長率下押しの一因となる可能性があります。 9. 成長率低下、日本化が進展 加えて、中国では習近平政権が巨大IT企業などへの締め付けを強化。若者の失業率も上昇しており、「寝そべり族」も増加。 今後、中国では、成長率低下、物価低迷、企業の競争力低下が進展する可能性があります。中国における日本化が進展するとすれば、株式市場にとってもマイナスの要因となります。
おはようございます。インド経済の存在感が高まっています。 1. 消費者物価指数上昇率が減速 まず、消費者物価指数(CPI)を見ましょう。インド統計局が6月12日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+4.25%(図表1参照)。前月の+4.7から減速。市場予想の+4.42%から下振れ。2.1-3月期成長率+6.1%に加速 続いて、インド統計局が31日に発表した1-3月期成長率は、前年同期比+6.1%(図表2参照)。前期の+4.5(改定値)から加速。市場予想の+5.0%から上振れ。民間消費の伸びは依然として低調であったものの、政府の設備投資に押し上げられました。 通年の成長率予想は+7.2%と、従来の+7%から上方修正。2021-22年の成長率は+9.1%。 エコノミストは、世界的な景気減速と金融市場の変動が今後数四半期の同国の輸出と成長見通しに対するリスクになると警告。3. 政策金利を据え置き 他方、インド準備銀行(中央銀行)は2月8日開催の金融政策決定会合で、政策金利のレポレートを6.5%に据え置くことを全員一致で決定(図表3参照)。据え置きは市場の予想通り。2会合連続で金利を据え置いたことについて、中銀は声明文で「これらの決定はインフレ率を中期の物価目標である+2-6%(中央値+4%)の範囲内に戻して、経済成長率を支援するという中銀の目的と合致する」とし、「金融引き締めと供給拡大対策の相乗効果により、4月のインフレ率(前年同月比+4.7%)が3月(+5.66)から予想通りに低下、物価目標の範囲内に収まったことに注目した」とし、インフレ鎮静化が進んだと指摘。 4. 時価総額4位に浮上 一方、好調な経済を背景として、世界の資金がインド株式市場に向かっています。3月以降、海外の投資家からの買い越しが継続。代表的な株価指数の1つであるSENSEXは、最高値圏で推移。 SENSEXは16日に63,384.58と、最高値を更新。フランス、また旧宗主国である英国の時価総額を上回り、米国、中国、日本に次いで、世界4位の時価総額となりました。 5. 人口で世界首位に 他方、国連人口基金(UNFPA)は4月19日、最新の人口推計を公表。インドの人口が今年半ばに中国を抜いて世界1位になるとの見通しを発表。 UNPFAの推計によると、インドの人口は14億2800万人に達して、中国の人口14億2570万人を290万人うわまわるみこみ。 中国の出生率は近年急速に低下しており、昨年には人口が1961年以来、初めて減少に転じました。 6. 株価と為替 まず、為替については、インド・ルピーはドルに対して、2007年以降に一貫して下落(図表4参照)。2022年12月末と2023年5月末との比較では、▲0.03%とほぼ横這い。 株価は代表的な株価指数の1つであるSENSEX30指数が、20年末の58,253ポイントから3月末には29,468ポイントへと急落。但、その後は米FRBによる金融緩和、ワクチンの開発進展などにより、急回復。21年10月には59306ポイント迄上昇。22年12月末と23年5月末との比較では、+2.92%の小幅上昇。7. 課題とリスク 昨年のドルベースのGDPは、英国を上回って世界第5位。また、政府は今年度予算で景気下支えを目的として、インフラ拡充などを盛り込んでいます。 只、金融市場で問題となっているアダニ問題は、短期的に実態経済に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、中国がゼロコロナ政策を終了させており、インドの対外収支悪化に繋がると予想されます。 5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+4.25%と、落ち着きを見せており、為替市場も安定しつつあります。 インドの成長率は今後も中国を上回って推移する可能性があり、株式市場にも引き続き資金が海外から流入することが期待されます。 中国、パキスタンとの間でカシミール地方を巡る領土争いがあるなど、外交面の摩擦が今後、生じる可能性があります。又、国内ではモディ首相をはじめとするヒンディー至上主義者がイスラム教徒などと衝突する可能性があります。
おはようございます。マレーシアの10−12月期成長率鈍化は鈍化しました。 1. CPI上昇率は横這い マレーシア統計庁は2月21日に、1月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+1.7%になったと発表(図表1参照)。上昇率は前月から横這い。市場予想に一致。2.10-12期成長率は+4.8%に減速 マレーシア中銀は1月17日に、10-12月期の実質GDP(国内総生産、速報値、その後発表された確報値は+5.0%)成長率が+4.8%になったと発表(図表2参照)。前期の+5.3%からは下振れ。2024年の第1四半期以来の低い伸び率。 製造業が今期は+4.3%(前期は+5.6%)と減速したのが主な要因。農業は▲0.6%(同+3.9%)と、パーム油の落ち込みと森林伐採の影響が出ました。 一方、サービスセクターは+5.3%(同+5.2%)と加速し、特に卸売り・小売、又輸送、採石により拡大。 季節調整済みで第4四半期には前期比+2.5%となり、上方修正された前期の+4.6%から減速。3. 政策金利を据え置き 一方、マレーシア中央銀行1月22日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物政策金利(OPO)を3.00%に据え置くことを決定。据え置きは市場予想通り。当局は、今年には、経済成長の勢いを維持しながらインフレを抑制できると予想。エコノミストは、今年いっぱいは中銀が政策金利を維持するものと予想。同行は金融政策の姿勢について、「経済を引き続き支えて、インフレ・成長見通しに関する現在の評価と一致」するものであると説明。 4. 24年成長率は+5.1% 一方、14日発表の2024年通期のGDP成長率は+5.1と、前年の+3.6%から加速。昨年終盤のGDP成長率は速報値から上方修正されたものの、中銀によると、2四半期連続の成長率鈍化。 14日発表の24年10-12月期GDPは、前年同期比+5.0%。速報値は+4.8%。主に国内需要が牽引。今後は米トランプ政権の通商政策による逆風が強まる懸念があります。 マレーシアは従来、中国離れが進むらプライチェーンの世界的な移行の恩恵に扱ってきおました。 米インテルをはじめとするテクノロジー企業を受容してきた同国ではここ数年、データセンターや半導体製造に絡んだ投資が流入。 5. 今後の見通し 同国では、アンワル政権が経済の立て直しを優先事項とする一方、コロナ禍を経て、財政状況が悪化。財政健全化が急務となっています。今年度予算案では、増税や補助金削減に動く方針を示唆。足下では米ドル高の再燃により、リンギ安が燻っており、インフレ圧力が上昇する可能性があります。 足下のインフレ率は落ち着いているものの、中銀は慎重姿勢を予想されます。 外需を取り巻く環境も厳しさを増す中、10−12月期成長率は前年比+4.8%と鈍化。景気に急ブレーキがかかっています。 昨年の通年成長率は+5.1%となったものの、米トランプ政権の対中政策には不透明感が増しています。今後、中銀の引き締め姿勢が内需の足枷なると予想皿ます。当面の景気は、勢いを欠くものと予想されます。
ヴェリタス・現金よさらば 震源地はリブラ構想 なぜ各国中銀が相次ぎ、デジタル通貨に取り組んでいるのか。 第1に金融政策の問題。仮にリブラが実現し、預金・送金・決済の利便性が高いとみなされた場合ドルやユーロ、円などの既存の法定通貨から、リブラへの「乗り換え」が進む可能性がある。 第2の理由は、国民に金融サービスを広く行き渡らせる「金融包摂」に中央銀行デジタル通貨(CBDC)が適しているとの考え。 自国通貨への信認が低い国々でも、デジタル通貨発行テコに、金融政策の実効性を高めたいとの思惑がある。 将来的にリブラや各国のCBDCが相互連携して「世界共通通貨」が生まれる。そんな未来が絵空事とは言えなくつつある。・・現金よさらば デジタル通貨が実現した場合、「恩恵」と「逆風」を受ける主な銘柄 恩恵:アイリッジ <3917> [終値854円]地域電子通貨プラットフォーム「MoneyEazy」を展開逆風:銀行など金融機関 決済や預金などの機能喪失するリスク グローリー <6457> [終値3010円]金融機関向け両替機や釣銭機などで高い国内シェア セコム <9735> [終値9735円]警備業界最大手。現金の取り扱い減で需要後退 小森コーポ <6349> [終値1182円]国内唯一の紙幣印刷機メーカー 日本金銭機械 <6418> [終値925円]貨幣処理機大手で紙幣の識別機器手掛ける・半導体、底入れサインは本物か 半導体市況に底入れの兆しが出てきた。 鉱工業生産では、「電子部品・デバイス工業」の生産が2カ月連続で増加。 韓国サムスン電子が8日、2019年7-9月期連結営業利益(速報値)は4-6月期比17%増加。 市場では業績底入れが好感され、半導体市況回復のシグナルと受け止められた。
ヴェリタス・今こそ新興国浮かぶ国・沈む国、見極める。 指標1 為替安定、危機に強く ロシアやタイ、経常黒字で耐久力 機関投資家が、新興国への投資可否を決める際に、最初に分析するのが為替。 配当・利子収入や値上がり益があっても、通貨が急落すれば、ドル建てでみると利益は簡単に吹き飛び、損失膨らんでしまう。国際通貨基金(IMF)、ロシアの経常黒字(2018年末時点)は名目GDP(国内総生産)対比で6%に及ぶ。 経常黒字のけん引役が原油輸出。原油価格の上昇の恩恵を受けている。 東南アジアでいち早く製造業が集積し、自動車産業などで供給網の一端を担うタイも経常黒字が定着。 タイバーツが火種になった1997年のアジア通貨危機当時に比べ、通貨防衛力を圧倒的に高めている。 対照的に、経常赤字が定着している国は通貨防衛の面で懸念が大きい。 代表例がトルコ。18年時点で名目GDP比5.7%もの経常赤字抱える。インフレ率も20%と、構造的に脆弱性抱える。 リラ安に自国通貨ペソがつれ安したアルゼンチンも同じ構図。・今こそ新興国浮かぶ国・沈む国、見極める。 指標2 財政の安定度、健全性の物差し ブラジルやインド、債務リスク 財政状況も、その国に対する投資家の信認を左右する。 ブラジルの公的債務は名目GDPの9割近くに及ぶ。最大の問題は、手厚すぎる年金制度。 インドも公的債務の名目GDP比が約7割と高い。 過去、新興国の通貨危機などの引き金となってきたのが、返済期限の近い短期債務。 世界銀行の17年の統計によると、トルコは外貨準備高を上回る短期債務を抱える。 多額の短期債務を抱える南アフリカなどは、投機筋に脆弱性を狙われる恐れもある。・今こそ新興国浮かぶ国・沈む国、見極める。 指標3 政治リスク、虹彩社会の信認低下。 メキシコなど中南米、政策予見性低く。 新興国に政治リスクはつきものだ。 特に投資家が気を付けるべきなどが予想外の政策変更リスク。 格付投資情報センター(R&I)が100カ国・地域対象に1月実施したカントリーリスク調査の 「政策の継続性が保たれない可能性」ランキングでは、メキシコが89位、アルゼンチンは82位と中南米勢が軒並み低い。 アジアでは、タイ(同79位)がリスク高く。 対照的に、政策の継続性が高いのはベトナム(同9位)。
「アルゼンチン中央銀行は昨日(22日)、ドルを売りも買いもしなかった。これは為替相場への姿勢を示している」。アルゼンチン政府高官は23日朝、記者団にこう語った。市場では政府・中銀がアルゼンチンペソ安を放置しているとの見方が広がり、ペソ売り・ドル買いに拍車をかけた。
おはようございます。ロシア経済は、依然として低迷しているものの、1-3月期にはマイナス幅が縮小しました。 1.1-3月期成長率はマイナス成長幅が縮小 ロシア連邦統計局は5月17日、1-3月期GDP(国内総生産、速報値)が前年同期比▲+1.9%になったと発表(速報値)。10-12月期の▲2.7%から、マイナス幅が縮小。 ロシア経済発展省によると、経済部門別では、小売りが1-3月期には前年同期比▲7.3%。消費者物価指数が+8.6%上昇し、個人消費のマイナスが続きました。一方、建設は住宅着工増加により+8.8%と、改善が継続。 製造業では、石油や天然ガスを含む採掘業が同▲3.3%。欧米諸国などがロシア産原油への制裁を強化しており、一定の影響が出ている模様。マイナス幅は縮小したものの、海外への部品の依存度が高い自動車は▲40.2%と、2桁の減少が継続。2.インフレ率が減速 国家統計局から5月12日発表された4月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は+2.3%と、伸び率は前月の+3.5%から減速(図表2参照)。市場予想の2.4%から下振れ。3.金利据え置き 一方、ロシア中央銀行は3月17日の理事会で、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と資金吸収のための1週間物入札金利をいずれも7.50%に据え置くことを決定。市場の予想通り。据え置きは4会合連続。中銀は会合後に発表した声明文で、「財政支出の加速や対外貿易の悪化、労働市場の状況は、引き続きインフレリスクを齎している」と指摘。「インフレリスクの全体的なバランスは前回会合時と基本的に同じ」としました。 物価上昇期待(1年先)は2021年以来の低水準。週次インフレ率はマイナスに転じ、年率換算した季節調整済みの物価上昇率は既に目標を下回っています。 4. IMFがロシア経済見通しを修正 一方、IMF(国際通貨基金)は4月11日、世界経済見通しの改訂版を発表。ロシアのGDP成長率は、2023年+0.7%、2024年は+1.3%になると予想。1月時点の予想から、2023年は+0.4%の上方修正、2024年は▲0.8%の下方修正。 IFMのピエール・オリビエ・グランシャ経済顧問兼調査局長によると、2022年は2023年には公的支出が経済を下支え。2023年以降はロシアの財政が悪化するとの見方を示唆。ペチヤ・コエバ・ブルックス調査局長代理は、2023年がプラス成長となる要因として、前年がマイナス成長だったことや、前年後半に行われた国防主出の効果が現れることを挙げました。中期的には、潜在成長率が戦前よりも低い+0.8%程度になるとしました。 5. 為替の動向 ここで、為替を見ると、ロシアの通貨ルーブルは、昨年6月の1ドル=49.4ルーブル程度から、23年5月には同78.1ルーブル程度まで下落。原油、天然ガス価格の下落、また、欧米などによる経済制裁により、ロシア経済が低迷したことなどが影響(図表4参照)。6.インフレ圧力上昇か 欧米などによる経済制裁により、ロシア経済は深刻な打撃を受けるものと予想されましたが、商品市況の上振れによる交易条件の改善。輸出以上に輸入が減少したことなどにより、昨年のGDP成長率は▲2.1%の落ち込みに留まりました。 足下では、中国やインド、トルコなどへの原油輸出の拡大などにより、国民経済への悪影響は緩和されている模様。企業マインドも、サービス業を中心に改善。G7は広島サミットなどで経済制裁強化を図るものの、様々な抜け道により、G7による経済制裁の効果は限定的。 一方、戦費増大などにより、財政は悪化。中国との貿易拡大に露もない、ルーブルは人民元に対して調整。対ドルでも下落が継続しており、通貨下落により、輸入物価に対して上昇圧力がかかるものと予想されます。
第二の理由が、実際にメキシコ中銀の政策運営が迷走し始めたことだ。
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