シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットロング増加】
4月22日時点で円のポジションは、ドルに対して約17.8万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが積み増され、ショートが取り崩されたことから、ネットロングは前週から約0.6万枚増加し、3週連続で過去最大を更新した。
期間中のドル/円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性への懸念や、日米財務相協議で円安是正が議論されるとの思惑から円高・ドル安が進み、一時昨年9月16日以来となる139.88円前後まで下落した。
関税政策やFRBへの介入など、トランプ米大統領の一連の言動はドルの信認低下を招いた。 円安是正への思惑も相まって、投機筋は円先高観を一層強めたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング減少】
4月22日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約6.5万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが小幅に取り崩され、ショートが積み増されたことから、ネットロングは前週から約0.4万枚減少した。
期間中のユーロ/ドル相場は、FRB議長人事をめぐる不透明感などからドルが売られたことで、一時2021年11月以来となる1.57ドル台まで上昇した。
ただ、ユーロを積極的に買う材料は乏しい上に、米中貿易戦争に緩和の兆しが見られたことから、投機筋のユーロ先高観がやや後退したようだ。
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IMMポジション
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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大口投資家の動向は ドル円 米国の信認低下でドル売り強まる
4月15日時点でユーロのポジションは、ドルに対して約6.9万枚の買い越し(ネットロング)。ロングが積み増され、ショートが小幅に取り崩されたことから、ネットロングは前週から約0.9万枚増加した。期間中のユーロ/ドル相場は、米中貿易戦争激化への懸念からドル売りが強まると、一時2022年2月以来となる1.147ドル台まで上昇した。米国の関税政策を巡り、基軸通貨としてのドルに対する信認低下につながっている。ドルに次ぐ取引高を誇るユーロへの資金流入がユーロ押し上げの一因となったようだ。
先週の金融市場ではドル売り圧力の強さが浮き彫りになった。市場動揺の起点となった米長期金利の上昇(債券価...
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