日銀 政策金利を据え置く見通し

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日銀 政策金利を据え置く見通し
[紹介元] Yahoo!ニュース・トピックス – 経済 日銀 政策金利を据え置く見通し

日銀は4月30日と5月1日に金融政策決定会合を開く

日銀は、9月20日、金融政策決定会合で無担保コールレート(オーバーナイト物)を0.25%程度で推移させることを全員一致で決定しました。市場でも据え置きが幅広く予想されていました(図表1参照)。

ブラックロック・ジャパンの地口祐一チーフ・インベストメント・ストラテジストは、日銀の金融政策決定会合は毎回、利上げなどあらゆる選択肢が想定される「ライブ」だとした上で、物価指標に着目すれば政府が8月から電気・ガス料金を補助する中での利上げは困難と指摘。物価に下押し圧力がかかり物価動向の確認が難しいためで、政策運営には12月発表の消費者物価指数(CPI)を見る必要があると読む。

今回の日銀会合では、政策変更の有無よりも今後の利上げ方針に対する日銀の情報発信に注目が集まりました。そうした中、最初に発表された声明文では市場の反応は限定的でした。

円安是正のために利上げを求める声が政府関係者から上がる中、今月末の日銀の決定会合は消費の弱さで追加利上げの判断が複雑化する状況だ。ただ、日銀は国債買い入れ減額を巡り債券市場参加者会合を開いており、買い入れ減額に関するアクションを取る可能性はあると同氏はみる。

野村證券では、日銀は25年7月と26年1月に0.25%ポイントずつ利上げを実施し、政策金利を1.0%まで引き上げると予想しています。ただし、市場の一部では早ければ次回(4月30日~5月1日)の決定会合で利上げとの見方も高まっています。ただし、トランプ政権を巡る政策不透明感が依然として高いこともあり、日銀が早々に次の利上げ時期や今後の利上げペースに関するフォワードガイダンス(指針)を示す可能性は低いと考えられます。このため金融市場では当面の間、金融政策の行方に対して神経質な状況が続きそうです。

日銀は4月30日と5月1日に金融政策決定会合を開く。政策金利は0.5%のまま据え置く方針だ。トランプ米政権による関税政策そのものや経済に与える影響が見通しにくく不確実性が高いため動向を見極める。2025年度以降の実質国内総生産(GDP)の成長率も下方修正する見通しだ。

日銀の現在のスタンスは①市場が不安定な状況で利上げは行わない、②経済・物価見通しの確度が高まっていくことが確認できたら、金融緩和の度合いを調整(追加利上げ)していく、とみられます。最近の日銀メンバーの発言を振り返ると(図表2参照)、メンバー間で①と②はほぼ共有されているようです。

反対に、物価の下振れリスクに対する日銀からの目立った言及はありません。しかしながら、行間を読めば来年の春闘が期待ほどの賃上げとならない場合や、米国の景気後退や極端な円高進行のリスクの可能性は低そうですが、注意する必要はありそうです。

日銀は②で利上げを基本姿勢としていることからか、日銀メンバーは物価の上振れリスクについて多くを指摘しています。主な物価上振れ要因としては、人手不足の影響、価格転嫁が容易でないとみられていた中小企業を中心に賃金上昇を反映して価格転嫁が想定以上に進展すること、輸入物価の再上昇などを指摘しています。

一方でタカ派(金融引き締めを選好)とみられる田村審議委員は個人消費の一部に生活防衛的な動き(買い控え)があると指摘しつつ、「使うところは使う」メリハリ消費が観察されることから、個人消費全体としては底堅いとみています。また、個人消費の今後についても、緩やかな改善を見込んでいます。今回の日銀会合で発表された声明文で個人消費は従来の認識である「底堅く推移している」から、「緩やかな増加基調にある」へ上方修正されややタカ派的でした。

日銀は9月20日の会合で市場予想通り政策金利の据え置きを決定しました。今回の会合で市場は今後の利上げ方針についての情報発信に注目していました。日銀の植田総裁の「時間的余裕」発言で円安進行も見られましたが、より大切なのは、日銀の基本姿勢である「市場が不安定な間は利上げを回避」や、「経済・物価の見通しの確度が高まれば追加利上げ」を見極めることであると思われます。

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