フジは生まれ変わることができるのか
【編集部MEMO】 総務省は4月3日、フジテレビとフジ・メディア・ホールディングスに対して行った行政指導で、人権・コンプライアンスに関する対応の強化策の具体化について、「4月中に、国民視聴者及びスポンサー等の関係者に対してその内容を明らかにするとともに、総務省へ報告するよう」要請していた。
取締役会後、報道陣の取材に応じたフジテレビの清水賢治社長は、再生・改革に向けた8つの具体策を列挙。ガバナンス・組織改革としては、編成・バラエティー部門を解体・再編し、アナウンス室を独立させるとした。
あらためて、同スローガンについて問われた清水社長は「80年代のフジテレビ躍進を支えた一大スローガンで、いいところがたくさん詰まったスローガン。全部を捨てるわけではないが、『おもしろければ他のものを犠牲にしてもいい』という誤解や曲解があり、批判につながっている。おもしろいことはとても大事だが、何かの犠牲の上に成り立つものではない。あえてそういう(脱却という)言い方をしていますが、それでもおもしろい番組を作るのがプロフェッショナル」と話した。
港浩一前社長時代、開局65周年を機に「楽しくなければテレビじゃない」を進化させた「楽しいをぬりかえろ!」というコーポレートメッセージを“フジテレビスピリット”と銘打って制定したが、同局では今後、「リブランディング・ワーキング」を立ち上げ、次世代を担う中堅若手の声を吸い上げていく方針。清水社長はこの中で、「楽しくなければテレビじゃない」に代わる新たなスローガンを作ると明言している。
「一切の聖域を残さず、あしき慣習や文化を一掃するという強い覚悟と決意の下に改革案を練り上げてきた」。総務省に改革案を報告後、本社で記者会見したフジテレビの清水賢治社長は、そう強調した。
フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の公式サイトが30日に更新され、第三者委員会の調査報告書を受け「フジテレビの再生・改革に向けた8つの具体的強化策及び進捗状況」について報告した。これを受けて、フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長、フジテレビの清水賢治社長らが会見した。
フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)は30日、再生・改革に向けた具体的な強化策を発表した。
フジテレビは1980年代初頭、日枝久編成局長時代に「楽しくなければテレビじゃない」のキャッチコピーを掲げ、『オレたちひょうきん族』『笑っていいとも!』といった大ヒットバラエティ番組を生み出し、視聴率トップに躍進。以来その精神は、ドラマやイベントなど他ジャンルにも浸透し、“フジテレビの憲法”と表現されることもあるほど、同局を象徴するスローガンだ。
フジテレビの清水賢治社長は30日、報道陣の取材に応じ、同局の再生・改革に向けた具体的な強化策として挙げた「楽しくなければテレビじゃない」からの脱却について、真意を語った。
ほかにも、役員の指名プロセスや人材配置の透明性が低かったことを踏まえ、相談役・顧問制度を廃止するとともに、役員定年制を厳格化し、在任期間の上限を設定。具体的に、フジの代表取締役は70歳、常勤取締役は65歳、執行役員は65歳を定年とし、社外取締役の在任期間上限は8年、社外出身の監査役の上限は8年とする。日枝久氏が、40年以上にわたり取締役を務めたことに批判を受けたが、特定の個人に長期間権限が滞留しない仕組みを構築する。
「楽しくなければテレビじゃない」――。フジテレビは30日、「日枝体制」を象徴する企業理念からの脱却を宣言した。合わせて発表した再生・改革に向けた八つの具体策では、理念を体現してきた編成・バラエティー部門の解体・再編も発表した。この部門は、元タレントの中居正広氏の性暴力を巡る問題に深く関わっていた。フジは生まれ変わることができるのか。
フジテレビと親会社フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は30日、都内で定例の取締役会を開き、総務省から指導を受けた行政改革について報告。フジテレビの清水賢治社長は長らく同社のスローガンでとしてきた「楽しくなければテレビじゃない」からの脱却」を明言した。
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