万博来場者に関係者を含む 批判も
13日午後3時半前、大阪・関西万博の会場内で「煙が出ている」と通報があり、消防車や救急車など15台が駆けつける騒ぎとなりました。
万博の会場の近くでは、今月6日に検出されたメタンガスなどへの安全対策が不十分だとして、市民団体が開催の中止を呼びかけました。「夢洲カジノを止める大阪府民の会」は、開幕日の13日、万博会場近くの「夢舞大橋」付近に、およそ30人が集まりました。この市民団体は、人工島の夢洲について、ゴミを焼却した灰などで埋め立てられているため危険だとして、万博の開催や会場の隣に予定されているカジノを含むIR=統合型リゾート施設の建設計画の中止を求めています。今月6日には、開幕に先立って会場の地下空間で、基準値を上回るメタンガスが検出されたことも、安全対策が不十分で問題だとしていて、横断幕を持ったメンバーらは、会場に向かうバスなどに向かって、開催の中止を呼びかけていました。グループの山川義保 事務局長は、「市民の皆さんが安全に万博を楽しめるか不安を抱えたまま開幕日を迎えてしまった。期間中も危険性を訴え続けたいです」と話していました。
石破茂首相は19日、ウクライナのゼレンスキー大統領による大阪・関西万博の会場訪問が検討されているとの産経新聞の報道について「まだそういうようなことに接していない。コメントはできない」と述べた。東京都内で記者団の質問に答えた。
万博会場にはコンビニもあり、高額の食事ばかりではない。桜美林大の山口有次教授(観光産業)は、SNS上での批判について「今回の万博は開幕前にネガティブな情報が多く、ファンが少ないことが影響している。今後、来場者にファンになってもらえるかが重要になる」と話す。
山田さんは2005年の「愛知万博」に185日間毎日通った「万博おばあちゃん」として知られています。その後の上海万博やドバイ万博などにも参加して、参加国のスタッフなどと交流を深めてきました。大阪・関西万博にも毎日通うため、山田さんは、去年12月から会場近くに部屋を借りていて、13日は、午前7時過ぎに家族とともに入場ゲート付近に到着し、開幕まで2時間近く並んで待っていました。開幕後、会場へと入った山田さんは、招待されていたという中国のパビリオンの開館式に参加したり、今回のために用意した「万博おばあちゃんバッジ」や「シール」を久しぶりに再会した参加国などのスタッフに配ったりして旧交を温めていました。山田さんは、「シールなどをプレゼントすることで交流の幅が広がり、感謝されたり、『うれしい』って言ってもらえたりすることに生きがいを感じています。万博は毎日行くと深掘りできるので今回も毎日行きたいです」と話していました。
こうした厳しい世論の背景には、万博準備が難航し、会場の建設コストなどが膨らみ続けていることがある。誘致時点で約1,250億円とされていた会場建設費は、2024年1月時点で2,350億円まで上振れしている。
開館式は、今回の万博のためにイタリアから持ち込まれ、西暦150年ごろの作品とされる大理石の彫刻、「ファルネーゼのアトラス」の前で行われました。イタリアの政府関係者のほか、共同で出展しているバチカンの関係者が集まり、イタリアの歌手や楽団がパフォーマンスを行い、華々しく開館を祝いました。また、バチカンから持ち込まれたバロック期のイタリアの画家、カラヴァッジョが描いた「キリストの埋葬」がお披露目されました。パビリオンは3階建ての木造建築で、貴重な美術品のほか、1920年代にイタリアから日本へ飛行したプロペラ機のレプリカなども展示されています。イタリアのマリオ・ヴァッターニ政府代表は「きょうは特別な日です。イタリアと日本が協力して準備を進めてきたので、必ず成功させたいです。ここでしか見ることができないものを展示しているので、多くの人に特別な体験をしてもらいたいです」と話していました。
では、一体なぜ大阪・関西万博の準備はこれほどまでに難航し、開催自体への批判も強まっているのか。そして、世界からの注目が集まるなか、2025年4月に予定通り万博の開幕を迎えることはできるのだろうか。
そういう「代替ムーブメント」をいかに設計していけるかが、「万博批判」が新しい日本の基調にまで転換していく上で必要な課題だと言えるでしょう。
テーマの方向性をめぐり関係者から疑問の声も上がっている大阪・関西万博だが、厳しい世論が強まる背景には一体何があるのか。
万博協会によると、一般来場者は13日から25日までの13日間で100万人を突破し、計約101万8000人(速報値)になった。日別では開幕日の12万4339人が最多で、半年間で想定する2820万人を達成するための1日平均15万人には一度も届いていない。
万博の開催について、大阪のシンボル、通天閣がある「新世界」で、地元の人や訪れた観光客に聞きました。大阪・浪速区にある「新世界」の周辺は、1903年に「内国勧業博覧会」が開かれたことで知られ、通天閣の展望台の窓には、万博の機運を高めようと、ラッピングが施されています。13日は、天候の悪化で中止となりましたが、「ブルーインパルス」の飛行が予定されていたこともあり、お昼ごろは、地元の人たちや大勢の観光客でにぎわっていました。家族連れで訪れた近所に住む40代の男性は、「前回以来、久々の大阪での万博開催で、客が少なくなった頃にぜひ行ってみたいと思っています。子どもたちも来月、学校の行事で行く予定で、とても楽しみにしています」と話しています。また、東京から友人らとともに観光で訪れた20代の男性は、「今回の旅行は、『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』に行くのが目的で、万博の開催日は最近まで知りませんでした。ただ、関連した御堂筋のイルミネーションなどを見て、大阪ではかなり盛り上がっているように感じました。評判がよかったら会場に行ってみたいです」と話していました。オーストラリアから訪れた70代の女性は「万博が大阪で開催されていることはツアーのバスガイドが聞いて知りましたが、残念ながら14日、帰国するので、会場に行く時間がありません。とても関心があったのでもし、事前に知っていれば、行ってみたかった」と話していました。
——万博PPが掲げている利用目的に問題はないのでしょうか。
2017年4月には万博誘致の方針が閣議決定され、2018年11月に開かれた国際博覧会条約の事務局総会における投票で、大阪がロシアとアゼルバイジャンを破り2025年万博の開催地に選ばれた。
開幕直後には万博のシンボル「大屋根リング」の上などで1万人がベートーベンの「交響曲第九番」を合唱し、「歓喜の歌」で来場者を迎え入れました。
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