ドル円予想|146円は強い抵抗に…いまリスクオンの積極買いは危険?|週末に米中通商協議、ポジション持ち越しは気を付けて 2025/5/9(金)志摩力男 FX/為替 #外為ドキッ

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ドル円予想|146円は強い抵抗に…いまリスクオンの積極買いは危険?|週末に米中通商協議、ポジション持ち越しは気を付けて 2025/5/9(金)志摩力男 FX/為替 #外為ドキッ
 

動画配信期間:公開日から2週間

外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。

主要ポイント

海外市場の状況

イギリスと米国が通商協議において合意に達し、リスクオン相場に転換した
週末(5/10-11)にスイスにおいて米ベッセント財務長官と中国副首相が会談予定で、通商協議の合意に向けた前向きな展開が期待されている
ドル円は一気に146円台まで上昇、先週も動画撮影時にちょうど146円台だった

日銀政策と円相場への影響

先週の日銀の政策決定会合において、経済物価見通しが引き下げられた
この見通し引き下げは多くの海外プレイヤーにとって想定以上に大きく、サプライズとなり円安が進行した
ドル円の146円は重要なレジスタンスラインとなっており、長期チャートで見てもポイントになる水準

ドル円チャートの詳細分析

ドル円の底値は140円近辺
高値はそこから4円上昇して2円調整し、さらに4円上がるというパターン
チャートは底入れ的な動きが続く可能性があるが、146円を積極的に買う必要はなく、調整後の押し目を待つのが賢明

最近の急激な為替変動要因

台湾ドルが1988年以来の急上昇となり、日本円も連れ安となった
台湾ドル上昇の背景には、通商交渉でアメリカ側から通貨高を許容するよう求められたという思惑がある
市場は通商交渉における緊張を自ら作り出していた形に
この状況が反転したのは、週末に米財務長官と中国副首相がスイスで会談するというニュースでショートカバーが入ったため
その後、イギリスとアメリカの合意が発表され、一気に円高に

自動車関税についての考察

イギリスとアメリカの合意内容には自動車関税の10%引き下げが含まれていた
市場は他の自動車輸出国(日本など)にも同様の関税引き下げが適用されるのではないかという期待感から反応
日本の自動車関税が25%から10%に引き下げられれば、メーカーにとって大きな恩恵になる
トヨタの決算によれば、関税で約1兆〜1.5兆円を支払う計算になる

テクニカル分析に基づく今後の見通し

現在の146円台は以前と同様に積極的に買いを入れるポイントではない
もう少し押し目を待った方が良いという判断
日足チャートではMACDが反転して戻し基調にあるものの、上方には複数のレジスタンスが存在
一目均衡表では先週145.50円に基準線があったが、この基準線が下がる中で突破してきているため、前週より上値は軽くなっている
ショートカバーのターゲットは148円付近と予想される(過去に何度か頭を打っている水準)
一目均衡表の雲がしっかり形成されており、一気に上抜けするのは難しい見通し

米中通商協議の展望と影響

週末の中国と米国の通商交渉について、一気に貿易交渉の中身に入るかは不透明な状況
週明けに米中協議が合意に至らなかった場合、一気にリスクオフになる可能性がある
週末のポジション取りには非常に慎重になるべき
中国への145%という高い関税は事実上維持不可能なため、7割以上の確率で何らかの合意点を見出すと予想
米国側は関税引き下げを通じて積極的にいい雰囲気作りをしている
ニューヨークポスト紙では米国が145%の関税を50%に引き下げるというリーク記事も出ている

台湾ドルの急変についての補足

台湾ドルは通常あまり動かない通貨だが、最近は高値圏でもみ合いからの急落があった
この動きはドル円で言えば120円台への急落に相当する大きな変動
現在は少し落ち着いているが、一旦頭を打っており、再度下落する可能性がある
台湾ドルの動きに連動して韓国ウォンや人民元も上昇

長期的な経済見通し

今後は貿易関税の引き下げ交渉が進み、緊張緩和とリスクオン相場になると予想される
しかし中国の関税が50%に下がったとしても、依然として非常に高い水準
アメリカのインフレ率は上昇傾向にあり、物価上昇に応じて消費も減速する見込み
将来的には米景気後退が待っている可能性が高く、市場は警戒を緩めるべきではない

当面のドル円レンジ予想

ドル円は140〜148円の基本的な4円レンジで動く可能性が高い
サポートラインとレジスタンスの重要なポイントは144円付近
底入れした後の4円レンジが形成される可能性があるが、大幅な上昇は見込みにくい
ニュースに反応する形での取引が引き続き有効

総合的な結論

短期的にはリスクオン相場となり、円高傾向が続く可能性が高い
しかし146円台での積極的な買いは控え、調整後の押し目を狙うべき
米中関係の改善は進むが、根本的な経済課題は残存
関税引き下げはポジティブ要因だが、それだけでは経済問題は解決せず
アメリカのインフレと消費減速により、中長期的には景気後退リスクに警戒が必要
為替市場、ドル円は140〜148円のレンジで推移する可能性が高いのでは
週末の米中会談結果に市場は敏感に反応するため、ポジション取りには慎重さが求められる

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志摩力男氏96_130.jpg

志摩力男 氏
慶應義塾経済学部卒。1988年ー1995年ゴールドマン・サックス、2006-2008年ドイツ証券等、大手金融機関にてプロップトレーダーを歴任、その後香港にてマクロヘッジファンドマネージャー。独立した後も、世界各地の有力トレーダーと交流があり、現在も現役トレーダーとして活躍。

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