
陽線引け。94円割れで下げ渋ると、94.30円台までじり高となった。5月半ば以来の高値更新で上昇は一服するも、3手連続の陽線引け。
短期的なすう勢を示す5日線は93.70円付近まで水準を上げてきた。目先は5月15日に頭を抑えられた94.51円をこなせるかが注目。下サイドは昨日安値を下抜けた場合でも、5日線や日足一目・基準線が支えになると想定する。
レジスタンス1 94.84(ピボット・ターニングポイント)
前日終値 94.23
サポート1 93.65(日足一目均衡表・基準線)
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
テクニカル 日足テクニカル 豪ドル円94円半ばの5
なお、次回からは具体的なチャートの見方を週足(長期)と日足(短期)の項目にまとめて書いた上で、米ドル/円ともうひとつの通貨ペアの解説という本来のスタイルにしていく予定です。
日足では、4月20日から大型ジグザグ変動の構造を示し、4月26日から一旦切り返し、5月5日に94円関門のトライがあったが、結果的に同日にて反落、「弱気リバーサル」のサインに近いシグナルを点灯した。そのため、その後の急落、また5月11日の「スパイクハイ」のサインもあって、5月12日の大陰線を形成させた。しかし、深押しの進行がすでに確認された以上、5月12日と13日の罫線で示した「インサイド」のサインは、再度下放れの可能性が低下し、これから上放れを果たして強い基調への復帰を証明してくれるから、先週の大幅続伸は、本格的な上放れを果たす存在となったわけだ。
チャートは青のラインが日米10年債利回り差(右軸)、ローソク足が米ドル/円日足となっていて、下段のサブチャートのその相関係数を示したものです。2024年8月以降の動きを見ても両者がほとんど似たような動きをしていることを確認できると思います。
従って、4月第3週の高値更新は、本来「インサイド」の上放れとなり、さらなる上昇モメンタムの加速や上昇余地の拡大に繋がるはずだったが、一転して反落、週足では陰線で大引けし、日足では4月19日~22日までの罫線で、「宵明星」のサインとなった。また、3月末から形成されてきた「上昇トライアングル」の上放れも「ダマシ」と化した可能性を示唆した。深押しに繋がってもおかしくなかったが、結果的に想定内の変動に留まったこと自体も、先週の一段高値トライに土台を提供していたことによる。
日足では、5月25日からほぼ「連陽」を形成し、また5月5日の高値更新をもって強気構造を示唆した。豪中央銀行利上げがあったにも関わらず、調整波の先行があったからこそ、5月5日高値の再更新自体が大きなサインと化す。もっとも、90円心理大台に乗せて以来、豪ドル/円は事実上新たな変動範囲に入り、4月の95円後半までの打診がその前触れとみなされ、同週の「ダマシ」のサインがあってもなお途中なので、これから高値トライまた高値更新があれば、一段と上放れのモメンタムを強化していくだろう。想定よりさらなる高い水準の打診も覚悟しておきたい。
短期的な判断は日足で行います。
豪ドル/円相場は先週大幅続伸し、上放れの構造を再度確認した。もっとも、豪ドル対円の優位性が健在であり、上放れ自体を当然な成り行きとみている。この意味では、先々週の地合いを踏襲し、また加速してきた分、高値トライまた高値更新はむしろこれからだとみている。
商品通貨として豪ドルの強さもこれまで繰り返し解説してきた。米ドル全面高の流れの中で、対米ドルでは遜色があっても、対円では優位性が消失するとは考えられない。主要外貨のうち、米ドル全面高の一服があれば、豪ドル対米ドルもリバウンドしやすいと思われるため、目先の豪ドル/米ドルの値動きがその兆しを示したとみている。そのため、対円の強気構造をなお維持できる公算が大きい。
こうした米中の緊張緩和の兆しは投資家のリスク回避姿勢を弱め、ドル円相場では4月下旬以降、安全資産とみなされる円が売られ、ドルが買われる流れが強まった。ドル円相場は日本時間12日の取引では1ドル=146円台前後で推移しており、相互関税一部停止の前日にあたる4月8日との比較ではほぼ横ばいの値動き。これに対して豪ドルの対ドル相場(AUD/USD)は同じ期間で7%を超える豪ドル高となっている。
また豪ドル高の要因にはオーストラリアの物価上昇の根強さも挙げられる。4月30日に発表されたオーストラリアの1-3月期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比2.4%で、ブルームバーグがまとめた市場予想の2.3%を上回る結果だった。物価上昇率の上振れは、オーストラリア準備銀行(RBA)の利下げペースが鈍化するとの見方につながっている。ブルームバーグによると、日本時間12日午前11時段階で、金融市場では年内の利下げ回数は3回以上になると見込まれており、4回以上が想定されていたCPI発表前から利下げ期待が後退した形だ。
日足では、4月20日~25日の罫線が「インサイド」のサインを形成し、4月26日一旦下放れを果たした。しかし、下値トライが続かず、4月19日大陽線の安値(126.96円)前後にて反騰し、4月27日の大陽線自体が「強気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯したからこそ、4月28日のさらなる続伸や高値更新に繋がったわけで、4月29日の反落があっても、あくまで強気変動におけるスピード調整とみなした。早期終値をもって127円関門に下らない限り、強い構造を維持し、安易な頭打ちを判断できない。だからこそ、4月27日の反発に続き、4月28日の大幅上昇で一旦高値を更新した。
今後の豪ドル円相場の見通しは、米中協議の詳細発表の内容に左右されそうだ。発表内容が米中協議の進展が速くなるとの期待を高めれば、投資家のリスク回避姿勢がさらに弱まり、豪ドル高が進むことも考えられる。一方、詳細な結果が具体性を欠くなどした場合には失望感が広がり、米中関係改善への楽観的な見方が後退する可能性もある。
コメント