一時は「タピオカブームの火付け役」として注目を集めたゴンチャ
2025年に日本上陸10周年を迎えた、台湾発のグローバルティーカフェ「ゴンチャ」。世界30カ国で2300店以上、国内では全国195店舗(2025年5月末時点)を展開する。 【画像】どこが違うの? 新しくなったゴンチャのお店、秋葉原の“進化系ゴンチャ”、サンドイッチやケーキなどフードも充実、限定メニューやオリジナルグッズを見る(13枚) ゴンチャといえば、「タピオカミルクティー」を連想する人が多いかもしれない。まさに、タピオカブームの波に乗って認知度や客数を伸ばしてきたブランドだ。その後、ブームの終焉とコロナ禍が重なり売り上げがガクンと落ち込んだものの、出店を重ねて再び成長している。 上陸10周年を機に2025年を“新章ゴンチャ”のスタートと位置付け、新戦略「Gong cha 2.0」を進めている。ブランドへの熱意を高めることを目的とし、「顧客体験」と「従業員体験」を向上させる取り組みに注力するという。 5月30日にオープンした「秋葉原中央通り店」のメディア内覧会に登壇した角田淳社長は、「今と同じことを続けていても、ワクワクするようなお茶ブランドの立ち位置はつくれない。次の10年に向けてしっかり成長するために、『Gong cha 2.0』と銘打って取り組みを進めていく」と意気込みを語った。 なぜ、タピオカブームが終わってもゴンチャは成長を続けられるのか。角田社長とGong cha 2.0推進部 部長栗田栄一氏に取材した。
4月下旬の日曜日。新宿駅(東京)から徒歩すぐのゴンチャの店舗は、ピークタイム前(午後2~4時)の1時でも10組の若者が列を作っていた。この店舗はコロナ前から営業しているが、緊急事態宣言中は土日でも客の入りはまばらだった。店舗の客入りは、街に若者が戻ってきた“ものさし”とも言える。 ゴンチャの店舗網は拡大をたどり、4月下旬でコロナ前の2倍の120店を超える。目標出店数について、角田社長は「いろいろ言われるのもイヤだから」と明言を避けた。だがその先に、有力カフェチェーンを見据えているのは間違いない。 「タピオカ屋さん」としてのイメージが強いが、「お茶のゴンチャ」が浸透すると、ミドル、シニア世代も赤いロゴ入りカップを手にお茶を飲む姿が当たり前になるかも知れない。
「お客さまの日常にHappiness(幸せ)をお届けする」をミッションに掲げ、2015年に原宿に日本1号店をオープンしたゴンチャ。その後、関東を中心に全国195店舗まで拡大している。顧客の大半は10~20代前半のZ世代女性で、学割制度を活用する人も多いという。 「ゴンチャはお茶専門店であり、主役は『お茶』です。私は、そば屋でラーメンは提供してほしくない。同じように、お茶専門店のゴンチャではコーヒーは売りません。お茶をいろんなバリエーションで楽しんでいただくことに集中しています」(角田氏) 角田氏は、国内のタピオカブームが去り、ゴンチャの売り上げが低迷した2021年に社長に就任。さまざまな改革の一環で、以前は販売していたコーヒーを廃止した。 「ゴンチャの一番の強みは、お茶をベースにした遊び心のある商品開発です。定番のストレートやミルクだけでなく、フルーツティーやフローズンティーがあったり、甘さやトッピングなどを自由にカスタマイズできたり、お茶を幅広く楽しめます」 カスタマイズの組み合わせは、1万通り以上にのぼる。お茶は5~6種類から飲み方を選んだ後、さらに茶葉の種類やフルーツの種類を選ぶ。これだけで数十種類ある。次に甘さと氷の量を4段階から選び、最後にパール(タピオカ)、アロエ、ナタデココ、ミルクフォームのトッピングから最大3種類を追加する。期間限定商品も毎回数種類を投入するため、メニューがお茶だけでも飽きづらい。 これだけの種類があるが、人気メニューは長年変わらない。1位は「ブラックミルクティー」、2位は「烏龍 ミルクティー」だ。ブームが去った今でもタピオカ人気は健在で、顧客の約7割が注文する。ちなみに、ブーム時は約9割が注文していたそうだ。
ゴンチャは、厳選された茶葉と自由にカスタマイズできるメニューで、若者に愛される台湾発のティーブランドとして確固たる地位を築いています。
「ゴンチャってどんなブランドなの?」「なぜゴンチャが若者に人気なのか知りたい。」「ゴンチャの成功の秘密は何?」そう思う方もいるのではないでしょうか。
一時は「タピオカブームの火付け役」として注目を集めたゴンチャ。しかし、ブームが去った現在も若者を中心に支持を集め続けています。その背景には、厳選された高品質な茶葉の使用や、顧客の好みに応じてカスタマイズできる柔軟性、さらに時代に合わせた戦略の転換があります。
今記事では、ゴンチャのブランド概要、人気の理由、そしてその成功の秘訣について詳しく解説していきたいと思います。
日本で決断できる。ゴンチャは、約1,700のグローバル店舗があるが、国内は1割弱の120店。ただ、売上ベースでは2割近い。日本は1店舗当たりの売上が大きいので、我々のやることが「正」となれば、グローバルブランドを日本チームがリードしている、というモチベーションになる。 アジアの中で、日本は特に発想力が強い。商品開発とか、日本は発想が豊かだ。日本は職人気質だったり、食へのこだわりのある人も多いからだろう。日本でしっかり数字を取れれば、日本の施策はグローバルに水平展開されていく。そういう意味で我々がイニシアチブを取りたいと思っている。
坪あたりの売上効率が良いこともあるが、「お茶をメインにしているチェーンがまだない」というアドバンテージもあるようだ。 また、店舗のパッケージとして、小さいものから大きいものまで対応できる柔軟さもある。初期投資も比較的抑えられる。店舗面積は平均24坪だが、一番小さい店舗は6坪台、一番大きい店舗は約70坪だ。選択の幅が広い。また、FCの皆さんが言ってくれることだが、スタッフの採用に強いことは大きい。 外食は、“原価”“人件費”“賃料”が(経営の)3要素。だが、採用費は見えにくいが大きい負担だ。トレーニングが終わったところで辞められたら、また募集をかけないといけない。採用のための媒体費が掛かる。別業態では、こうした「終わりのない採用活動」が嫌になって閉店するFCもある。 他の外食業態だと3人募集しているのに、応募が1人しかないこともある。ゴンチャの場合、厳しい立地も一部ではあるが、平均して応募者が多い傾向だ。募集人数に対して5倍の応募が集まることもある。 コロナ前の採用は、人手不足で危機的だったが、コロナ禍で閉店や時短営業で飲食業の雇用が緩んだ。ただ、昨秋あたりから、また採用の厳しさが戻りつつある。外食産業は採用が今後の大事なポイントの一つになる。
若い世代が上の世代を引っ張って来てくれるような形を作りたい。このほど販売を始めてヒットしている「いちご杏仁のミルクティー」は、スタッフからの前評判が高かった。お客様にご好評いただいたのはもちろんだが、スタッフが家族や周りの大人に口コミしてくれて評判が広がった部分もある。スタッフは約3,000人。今後は店頭での試飲などの機会を作りたい。ゴンチャは「タピオカ屋さん」ではなく、「ティーカフェ」だということを知らない層に周知していかねばならない。
ゴンチャファンのみなさん、朗報です。
ゴンチャ(Gong cha)は、2006年に台湾で誕生したティーブランドです。その名は「貢茶」に由来し、「最高品質のお茶を提供する」という理念が込められています。世界中に約2,200店舗を展開し、日本には2015年に進出し、7年間で122店舗を展開するなど、急速に拡大を続けています。日本国内の店舗数は、ティーカフェブランドとして国内最大級を誇ります。
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