トルコリラ/円 見通し「19日に中銀発表…政策金利46%維持が濃厚もくすぶる7月利下げ観測」注目の高金利通貨 6月15日号

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トルコリラ/円 見通し「19日に中銀発表…政策金利46%維持が濃厚もくすぶる7月利下げ観測」注目の高金利通貨 6月15日号

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メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。

作成日時 :2025年6月13日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya

執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

トルコリラ/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

先週のトルコリラ/円は後半に失速

 先週は米国と中国が英国ロンドンで行う通商協議への期待からリラ買い・円売りが先行。11日には3.701円前後まで上昇して5月29日以来の高値を付けました。しかし、米中の合意内容が玉虫色で不透明な部分が多いとの見方から伸び悩むと、翌12日には3.62円台へ反落。トランプ米大統領が、2週間以内に交渉国へ書簡を送り一方的に関税率を通知するとの考えを示したことが嫌気されました。13日は、イスラエルがイランの核施設を攻撃したと伝わるとリスク回避の動きが強まり、およそ3カ月ぶりに3.602円前後まで下落。ただ、その後はドル/円の戻りにつれて3.65円台まで値を戻すなど底堅さも見られました。

今週のトルコリラ/円の注目ポイントはトルコ中銀

 今週は19日にトルコ中銀が政策金利を発表します。前回4月会合では、予想外の利上げを行いリラ安の沈静化に向けた姿勢を強調しました。中銀の引き締めの効果もあって同国のインフレは伸びが鈍化していますが、リラ安についてはペースこそ鈍っているものの継続中です。そのため、政策金利は46.00%に据え置かれる見通しです。ただ、1年前に75%台まで上昇していたインフレ率が足元で35%台に鈍化していることから、市場では中銀が7月にも利下げを再開するとの見方がくすぶっています。ただし、拙速な利下げは市場の信認を再び失うことになりかねません。そうした中、中銀が声明で今後の政策運営の道筋をどのように示すのか注目が集まりそうです。

 

今週のトルコリラ/円の見通し

予想レンジ
3.600円~3.700円
基調
上値重い

今週の注目ポイント
☆6/19  トルコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格

 

トルコリラ/円(TRY/JPY) FX為替レート・チャート

 
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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それでは 最後にトルコリラ円の月足を見てみましょう

マトリック・チャートも参考に、2024年のトルコリラ円の想定レンジを4.50から7.50とします。最大でも4.00から8.00と見ておきたいと思います。

トルコリラ円の中長期のスウィング・トレードの戦略ですが、流石にこの歴史的な安値圏で、売ることは得策とは見ていません。あくまで押し目があれば買い場を探しますが、4円ミドル方向への調整から、4円、3円と買い下がる形です。ただ、上値を大きく回復できるかは不透明です。反発があれば8.39-8.93を前に、上げ渋りでは利食いを優先。あくまで超えて11.20-12.202ゾーンが視野となるでしょうが、こういった位置もしっかりと利食う形です。それ以上は現状なんとも言えませんが、もし、更に長期の保有を考えるなら、一時的でもこういった反発が見えた場合、下値付きの可能性が出てくることで、買いコストやそれまでの安値にストップを置いて、年単位で保有するということも一考と思います。

その後エルドアン大統領が、元ファースト・リパブリック・バンクの共同最高経営責任者である、ハフィゼ・ガイ・エルカン氏を、カブジュオール総裁の後任として、トルコ中銀総裁に任命しました。同氏は女性初の中銀総裁であり、米国の有名銀行で経験をつんだ同氏の手腕に対する期待が集まったことで、トルコリラ円は、8月24日に5.74まで反発すしました。ただ、エルカン総裁が、6月に政策金利を15.00%、7月に17.50%、8月に25.00%、9月に30.00%、10月には35.00%、11月に40.00%、12月には42.50%まで政策金利を、順次引き上げる政策を実施し、フィッチがトルコの格付け見通しを「安定的」に引き上げましたが、ほとんど効果はなく、トルコリラ円は、4.78の安値まで値を下げ、軟調な展開で2023年の取引を終了しようとしています。

上で述べたとおりトルコリラ円(TRY/JPY)は、ドル円(USD/JPY)のトレンドと連動している。特に今年の3月以降、その動きが鮮明となっていることが下のラインチャートから分かる。今日から来週にかけてドル円が強気相場を維持する場合、トルコリラ円も上昇幅が拡大するだろう。

その後は、トルコの外貨準備がマイナスに転落、それまでのトルコリラ売り、外貨買いの市場介入が困難になったこと。また、エルドアン大統領が、大統領選で勝利したことを受けて下落を開始し、新たに総裁となった植田日銀による円安効果もまったく見えず、7月18日には、4.96円の安値まで値を下げました。

ドル円の上昇幅が拡大すれば、トルコリラ円はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準4.430レベルを完全に突破することが予想される。このケースでは、100日線のトライおよびブレイクアウトが焦点として浮上しよう。この移動平均線は今日現在、4.465レベルで推移している(下の日足チャート、青ラインを参照)。

それでは、最後にトルコリラ円の月足を見てみましょう。

トルコリラ円(TRY/JPY)のトレンドを4時間足チャートで確認すると、ボックス相場から下落相場へ転じている。8月中旬以降、ドル円の下落幅が拡大している。トルコリラ円も同じタイミングで下落相場へ転じた。ドル円の動向がトルコリラ円のトレンドに大きな影響を与えていることを示唆している。

38.2%戻しの水準4.413レベルは、レジスタンスラインからサポートラインへ転換している。半値戻しの水準4.397レベルは、今月22日の欧州タイムから23日の早朝にかけて相場をサポートした経緯がある。61.8%の水準は38.2%戻しと同じくサポート転換の可能性を意識する水準である。1時間足のRSIが売られ過ぎの水準へ到達する局面で、トルコリラ円が上で取り上げたサポートポイントをトライする場合は、反発相場を意識したい。

2023年の相場環境を踏まえて、2024年のトルコリラ円相場の注目点をまとめてみました。

一方、トルコリラ円が61.8%戻しを下方ブレイクする場合は、10日線をトライするサインと捉えたい。

2024年の相場環境を踏まえて、2025年のトルコリラ円相場の注目点をまとめてみました。

実際に政治の不透明感が鮮明となれば、むしろさらなる円安要因となる可能性の方を警戒しておきたい。円安が続けば、ドル円は上で述べたレジスタンスポイントをトライすることが予想される。ドル円の上昇幅が拡大すれば、トルコリラ円(TRY/JPY)も追随しよう。

しかし、FRBの政策転換が意識されても対米ドルでトルコリラは下落し続ている。そして、ドル円はトレンドの転換を意識する状況にある。これらの動向を考えるならば、トルコリラ円の買いは“超”短期の勝負と意識し、リミットやストップでのリスク管理を徹底したい。

トルコリラ円が10日線を目指すサインとして、下の1時間足チャートにプロットしたフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。

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