ドル円午前の為替予想、リスク回避の円買いと有事のドル買いが交錯 2025/6/16

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ドル円午前の為替予想、リスク回避の円買いと有事のドル買いが交錯 2025/6/16

午前の為替予想は… リスク回避の円買いと有事のドル買いが交錯

作成日時 :2025年6月16日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

ドル円予想レンジ

143.500-145.300円

前日の振り返りとドル円予想

13日のドル/円は終値ベースで約0.4%上昇。
イスラエルがイランを攻撃したことを受け、142.80円前後までリスク回避の円買いが先行した。しかし、イランによる報復攻撃で全面衝突への懸念が強まると、有事のドル買いが優勢となり144.48円前後まで切り返した。過去の例では、中東の地政学リスクに対する市場の反応は、一時的かつ限定的にとどまることが多い。ただし、それは紛争が拡大することなく比較的短期間で収束するケースが多かったためと考えられる。今回、イスラエルとイランは週末の間も攻撃の応酬を続けており、現時点で収束の兆しは見られない。イラン側は原油輸送ルートの要衝であるホルムズ海峡の閉鎖を検討しているとの報道もある。
こうした中、本日も株安や原油高など、市場は中東リスクを意識した展開が続く公算が大きい。ドル/円は続伸して始まっているが、リスク回避の円買いと有事のドル買いが交錯しやすい地合いも続くと見られ、145円台に乗せれば伸び悩みそうだ。一方で143円台に下げれば底堅い推移が見込まれる。

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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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ドル円午前の為替予想 リスク回避の円買いと有事のドル買いが交錯 2025

ドル円は145.39円までじり高に推移し、昨日高値145.38円を上回った。エルサレムの米大使館が6/18-20休館と報じられている。

ドル円はやや頭が重い。10時時点では145.31円とニューヨーク市場の終値(145.29円)と比べて2銭程度のドル高水準だった。9時過ぎに145.44円を付けた後は持ち高調整のドル売りが観測されたため145.20円台まで伸び悩んでいる。

本日の東京外国為替市場のドル円は、中東情勢緊迫化を受けた有事のドル買いでこれまで上値を抑えてきた一目均衡表・雲の上限145.55円を上抜ける可能性が高まりつつある。

りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは「ドルが1日で142円台から144円台に上昇し、売りたい人からすると『やれやれの売り』が出やすくなっている」と言う。米中首脳会談に向けて関係改善の思惑が続く間はドルが底堅く推移する半面、「失望に終わって142円を割れると140円割れを試す展開になる」との見方を示した。

18日の東京外国為替市場でドル円は小高い。8時時点では145.38円とニューヨーク市場の終値(145.29円)と比べて9銭程度のドル高水準だった。中東情勢の緊迫化が続くなか、有事のドル買いが意識され一時145.39円と昨日高値の145.38円をわずかに上抜けた。

17日のNY金先物8月限は弱含み。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は、前営業日比-10.40ドル(-0.30%)の3406.90ドルで通常取引終了。時間外取引を含めた取引レンジは3384.40-3422.70ドル。ドル高を背景に調整的な売りが観測された。

ソニーフィナンシャルグループの石川久美子シニアアナリストは「米中首脳会談などの材料待ちで方向感は出ていない」と語る。トランプ米大統領の発言に対する感応度が低下しており、ボラティリティーの低下が続けばドル・円は底堅く推移すると指摘。一方で、米中交渉が難航すればリスク回避で再び142円台があり得るとみる。週末公表の米雇用統計が弱ければ、市場の米利下げ要求が強まりドル売りが出やすいとも言う。

日経平均株価指数前場は、前日比172.58円安の38364.16円で寄り付いた。 ダウ平均終値は299.29ドル安の42215.80。 東京外国為替市場、ドル・円は6月18日9時16分現在、145.38円付近。

ユーロ円は小動き。8時時点では166.82円とニューヨーク市場の終値(166.79円)と比べて3銭程度のユーロ高水準だった。ドル円につれて166.93円まで上げたが、大きな方向感は出ていない。なお、昨日のCME日経平均先物は大証終値比280円安の38230円で引けている。

ドル円は145.44円までじり高。日本の5月の貿易赤字は6376億円、対米貿易黒字は4517億円だった。4月に発表された日本に対する相互関税率24%は、2024年の米国の対日貿易赤字(685億ドル)を日本からの輸入金額(1482億ドル)で割って算出されていた。日本の1-5月の対米貿易黒字(3兆4729億円)で相互関税率を算出した場合、約20%程度になっている。

4日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=143円台後半で推移。米国市場の流れでリスク選好の円売りが見られる一方、急速な上昇を受けたドルの戻り売りが出ているとの指摘が聞かれる。

米国の関税政策は米ドル高・円安要因か?自動車関税 発動で日本はいずれ 輸出減の生産台数低下で経済に大ダメージになる!?

8時50分に発表される日本の5月貿易統計(通関ベース)は、季節調整前8965億円の赤字、季節調整済3590億円の赤字と予想されているが、対米貿易黒字額を確認し、トランプ米政権による相互関税率の算出をしておきたい。 4月に発表された日本に対する相互関税率24%は、2024年の米国の対日貿易赤字(685億ドル)を日本からの輸入金額(1482億ドル)で割って算出されていた。日本の5月、そして1-5月の対米貿易黒字により相互関税の妥当性を確認しておきたい。

17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、イスラエルとイランの軍事衝突が激化して「有事のドル買い」が優勢となり、145.38円まで上昇した。ユーロドルは、中東情勢の更なる緊迫化で「株安・原油高・ドル高」の様相が強まり、1.1475ドルまで下落した。ユーロ円は、米国株相場が軟調に推移し、リスク回避の円買い・ユーロ売りが優勢となり166.71円まで下落した。

明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利は、トランプ関税の不確実性(uncertainty)を理由に4.25−4.50%での据え置きが見込まれている。 イスラエルとイランの軍事衝突での最悪のシナリオは、第5次中東戦争に拡大して、ホルムズ海峡(日量2000万バレル超の原油が通過)の封鎖などで、原油価格が100ドル超まで上昇する可能性である。 NY原油先物は、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受けて6月に122ドルまで上昇したが、2022年6月の米国の消費者物価指数(CPI)は前年比+9.1%まで上昇していた。 FOMC参加者による「経済・金利見通し」、ドット・プロット(金利予測分布図)やパウエルFRB議長の記者会見でリスクシナリオへの言及に注目しておきたい。

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