日経平均、短期トレンド強いも上値抵抗あり!【外為マーケットビュー】
配信期間:公開日から2週間
※原則隔週の配信となります。次回配信は7月1日 (予定)
外為市場に長年携わってきたコメンテータが、その日の相場見通しや今後のマーケット展望を解説します。
動画の要約・まとめ
日経平均のポイント
* 短期トレンドは上向き。1月以降の下落トレンドラインを突破し、38300円台まで上昇。
* 上値の壁
・週足では38600~38700円に抵抗
・日足では39300円付近にも抵抗
・大局では4万円が意識されるレベル
* 懸念材料
・米景気後退リスク
・関税負担による企業収益の悪化懸念
・トランプ政策への不透明感
* 支えとなる要因
・外国人投資家の11週連続買い越し
・日本株への資金流入の継続
* 下値リスク
・37000円を割り込むと調整色が強まる
・37400円を割ると36000~35000円も視野に入る
S&P500のポイント
* 引き続き上値トライの動き。
* 上値目標は6056(目先の高値圏)
* サポートライン
・5923が直近の支持帯
・5900を明確に割り込むと調整局面入りの可能性が高まる
総括
日経平均、S&P500、金のいずれも、足元では堅調な推移を見せている一方で、それぞれ重要なレジスタンスや支持帯が意識される局面にあります。
日経平均は39000円台の突破が上昇継続のカギ。S&P500は5900を維持できるかどうかが焦点。金は中期トレンドを保ちながらも高値警戒感が出始めており、押し目買いを狙いつつリスク管理も重要です。
米国の経済指標や政治情勢(関税、トランプ発言など)次第では、相場が大きく動く可能性もあり、方向感が見えにくい中での柔軟な対応が求められています。

川合美智子氏
外国為替ストラテジスト
旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)在勤の1980年より、テクニカル分析の第一人者、若林栄四氏の下でテクニカル分析を研究、習得する。同行退職後、1998年まで在日米銀などでカスタマー・ディーラーや外国為替ストラテジスト、資金為替部長を歴任。現在は外国為替ストラテジストとして、テクニカル分析に基づく為替相場レポートを発信中。各種メディアへの出演も多数。
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日経平均 短期トレンド強いも上値抵抗あり重要な分岐点を分析 6月17日
まず、テクニカル分析の1つである「フィボナッチ・リトレースメント」を用いて検証します。日経平均の過去最高値は1989年12月29日につけた38,915円87銭で、過去最安値は2009年3月10日につけた7,054円98銭です。この下げ幅(31,860円89銭)から、フィボナッチ・リトレースメントで目安とされる76.4%戻した水準は31,396円70銭となり、ここが1つの上値目途として考えられます(図表1)。
一方、日経平均はここ数日で、急速に水準を切り上げてきたこともあり、過熱感が高まっています。実際、相場の過熱感を判断するオシレーター系チャートを確認すると、日経平均の「RSI(相対力指数)」の数値は、5月17日時点で76.8%となっており、一般に買われ過ぎとされる70%を超えています。そのため、日経平均が目先、調整売りに押される展開も十分に想定されます。
過去の推移をみると、日経平均は下落局面で下値支持線に支えられ、上昇局面で上値抵抗線にはばまれている様子がうかがえます。この先、下値支持線と上値抵抗線は、6月末でそれぞれ27,250円と33,550円、9月末は27,700円と34,000円、12月末は28,150円と34,450円に位置しています。仮に、各四半期末あたりで日経平均がいずれかの線に近づく展開となれば、下値支持線が下値目途、上値抵抗線が上値目途として意識されると思われます。
●日経平均の上昇トレンドは来年も継続、下値支持線と上値抵抗線の年末水準が一応の目安か。
5月16日付レポートで指摘した通り、日本株には好材料が複数浮上しています。今後は、インバウンド需要の回復が続くか、日銀の金融緩和姿勢に変化がないか、国内企業に成長持続のための構造改革を進める動きが広がるか、賃上げの流れが続くかなどを見極める必要があります。また、米国をはじめとする海外景気が大きく冷え込むことはないかなど、国外要因も、日経平均の長期上昇トレンド継続のための重要なポイントと考えています。


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