メキシコペソ/円 見通し「中東から遠い産油国の評価…26日に中銀政策発表」注目の高金利通貨 6月22日号

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メキシコペソ/円 見通し「中東から遠い産油国の評価…26日に中銀政策発表」注目の高金利通貨 6月22日号

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メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。

作成日時 :2025年6月20日16時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
X(Twitter)@KandaTakuya

執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也

メキシコペソ/円(4時間足)

※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照

先週のメキシコペソ/円は底堅い展開

 週初16日は7.598円前後で取引を開始。直後に7.583円前後へと弱含んだものの、イスラエルと交戦中のイランが米国との対話再開を模索しているとの観測から市場心理が改善する中で翌17日には7.660円前後まで上昇しました。その後は、トランプ米大統領がイランに対し「忍耐は限界に近付いている」と警告したことなどから、再び中東情勢を巡る警戒感が広がったためやや失速しましたが、18日、19日といずれも7.597円前後で下げ止まると7.6円台を回復。20日の16時時点では7.640円付近で推移しています。ペソは、投資家心理の悪化が上値を抑えた一面もありますが、中東から地理的に遠い産油国通貨として原油価格の上昇を背景に底堅く推移しました。

今週のメキシコペソ/円の注目ポイントは政策金利

 今週26日にメキシコ中銀が政策金利を発表します。市場では8.50%から8.00%への利下げ予想が大勢です。予想通りなら8会合連続の利下げとなり、50bp(0.50%ポイント)の利下げは4会合連続となります。ただ、同国のインフレは5月に4.42%へと上昇し、中銀の目標レンジ(2-4%)を5カ月ぶりに上回りました。これを受けて中銀のヒース副総裁は、利下げを一時停止して様子を見るべきだと主張しています。ヒース氏は5人の理事の中で最もタカ派と見られ、利下げ停止は「極端な意見」と言えるかもしれません。しかし、政策決定に関与するその他4人の理事の判断によっては利下げ幅が25bpとなる可能性もないとは言えないでしょう。まずは、今回の利下げ幅に注目です。利下げの消化が一巡した後は、声明のガイダンスから今後の利下げペースを探ることになるでしょう。

 

今週のメキシコペソ/円の見通し

予想レンジ
7.500円~7.750円
基調
底堅い

今週の注目ポイント
☆6/26 メキシコ中銀政策金利
・主要国株価、国際商品価格

 

メキシコペソ/円(MXN/JPY) FX為替レート・チャート

 
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株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。

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来年のメキシコペソ円の想定レンジを6.50~9.00とします

ドルメキシコペソの2024年の想定レンジを17.0000~21.0000、ドル円を130.00~150.00としましたので、ここから算出されるメキシコペソ円の最大想定レンジは6.190から8.824となります。上限がほぼ現在の高値と合致していることは注目されます。

テクニカル面からは、メキシコペソ円を構成するドルメキシコペソ相場の月足をチェックしておきましょう。

その後は、若干揉み合い気味が続きましたが、8.08で下値が支えられ、9月のFOMCで、2024年のFF金利見通しを、6月時点の4.6%から5.1%に一気に0.50%まで引上げられました。これを背景に、米10年物国債利回りの5%に迫る上昇や、ハマスのイスラエル侵攻に端を発した中東情勢に対する懸念による原油価格が年間高値をつける動き、加えて、ドル円相場が2022年の高値151.95に迫る151.91の年間高値まで上昇したことで、再度8.769の高値まで上昇しました。しかし、その後は、植田日銀総裁が、今年最後の金融政策決定会合を前に、国会において「年末から来年にかけて、よりチャレンジングになる」との発言したことで、再び早期の金融政策変更の思惑が高まったこと、また、今年最後のFOMCでは、政策金利が据え置かれ、加えて2024年のFF金利見通しが、再び6月時点の4.6%に引き下げられたことがサプライズなり、12月14日には、ドル円相場が140.97まで売りに押されたことで、メキシコペソ円も8.124まで調整して、2023年の取引を終了しようとしています。

ドルメキシコペソは、25.7895の高値示現後は、16.6221まで下落しました。この位置は9.8560からサポートの位置で、下段のスロー・ストキャスティクスも売られ過ぎから反転気味となっていて、この位置が維持されると堅調で、一定の反発も想定されそうです。ただ、もし、維持でいない場合、過去の高値圏となる14.5992から15.5990が視野となりますが、維持できるかは不透明です。割り込むと再度11.4841-11.9366などもターゲットとなるでしょう。

来年もメキシコ中銀の金融政策が、メキシコペソ円相場の、大きな手掛かりとなることで、FOMCと合わせて、2024年も金融政策決定会合の日程をしっかりと押さえておきましょう。

従って、ドルメキシコペソは、押し目買いが有効と考えます。2024年の想定レンジを、サポートが維持される前提で、17.0000から21.0000とします。ただ、維持出来ないケースでは、15.0000から20.0000が想定レンジとなります。

以下は、2007年からのメキシコペソ円の月足チャートです。

来年のメキシコペソ円の想定レンジを6.50~9.00とします。

2024年は、日銀の政策修正が確実視されています。一方メキシコ中銀は、第1四半期以降、利下げを開始する可能性が高く、日墨金利差は現状レベルより縮小する可能性が高いでしょう。その場合、金利差と連動性の高いメキシコペソ円も、現状の高値から一定の調整的な下落が実現する可能性が高いと見られます。ただ、日銀に関しては、政策金利をゼロ金利にも戻しても、更に金利を引き上げる可能性は低く、もし、日墨金利差が縮小しても、減少幅は限定されるとみておきましょう。

それでは、ドルメキシコペソ相場とドル円相場の想定レンジから作成したマトリックス・チャート(価格帯によるクロス円の位置)を確認しておきましょう。

それでは、以上を踏まえてメキシコペソ円相場の2024年の見通しと戦略についてお話します。 一応来年は、過去のような新型コロナウィルスの感染拡大やロシアのウクライナ侵攻など、大きな政治・地政学リスクが発生しない前提でお話させて頂きます。

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