原油先物価格が急上昇 米攻撃受け

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原油先物価格が急上昇 米攻撃受け
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原油先物価格が急上昇 米攻撃受け

このような背景から、2週間前まではWTIが50ドルで推移するかが注目されていました。両国の緊張が緩和されれば、再びOPECプラスの増産、原油需要見通し弱含みに市場の焦点が戻るでしょう。

(ブルームバーグ): アジア時間23日朝の取引で、原油先物価格が急騰した。米国がイランの主要な核施設を攻撃し、さらなる軍事行動も辞さない構えを示したことで中東情勢を巡る緊張が一層高まったことを受けた。中東地域からのエネルギー供給が途絶えるとの懸念が強まっている。

供給サイドは、サウジアラビアを中心に主要な産油国で構成されるOPEC(石油輸出国機構)、厳密には2016年12月以降はロシアなども加えたOPECプラスの生産計画に左右される面が大きいです。また、米国の掘削技術の発展でシェールガス、シェールオイルの生産効率が高まり、米国の産油量が2014年頃から急増しました。いわゆる「シェール革命」と呼ばれるものです。米国は世界最大の産油国となっておりますので、米国のシェールオイルの生産コストを踏まえた損益分岐価格も、原油の供給量見通しを考える上で注目度が高いです。

ニューヨーク原油市場ではアメリカによるイランの核施設3か所への攻撃で中東情勢が一段と緊迫化し、原油の供給量が減少するという懸念が広がり、国際的な原油取り引きの指標となるWTIの先物価格は、日本時間の23日午前、先週末と比べて一時、4%余り上昇し、1バレル=78ドル台半ばまで値上がりしました。その後、トランプ大統領がSNSで「原油価格を抑えろ。敵の思うつぼだ」と投稿し、けん制したのに続き、エネルギー省に対して「掘りまくれ!!!今すぐにだ」と指示したことで、WTIの先物価格は下落しました。さらに、イランがカタールにあるアメリカ軍基地に対して軍事作戦を開始したと伝わりましたが、報復の規模は限定的で、原油の供給にすぐには影響しないという受け止めが広がり売り注文が出ました。そして、トランプ大統領がSNSでイスラエルとイランが停戦に合意したと発表すると下げ幅が拡大し、一時、1バレル=64ドル台まで下落しました。先週末と比べると、14%下落した計算です。

具体的には、まず原油が中東から日本に到着するまでに1ヶ月程度かかるため、金融市場で見ている原油先物の価格上昇が日本の港における入着価格に反映されるまでには時間差があります。その後、ガソリンに精製され、消費者に届くという流れです。

イラン産原油の主たる輸入国である中国がホルムズ海峡通航の安全を呼びかけていたこともあり「ホルムズ海峡の封鎖リスクは低下していた」(英ヘッジファンド)。原油輸送の寸断リスクが低下したとの受け止めが広がり、金融市場で警戒感が緩んでいる。

原油価格は下がったほうが消費者としては嬉しい反面、産油企業にとっては上がったほうが好ましいものです。原油価格の上昇/下落に関しては、どちらが金融市場のリスクセンチメントにとってプラスになるかは、一概に言えないのが特徴です。

基本的には需要と供給のバランスという、とてもシンプルな市場の原理によって決まります。原油のもっとも主要な用途は自動車のガソリンです。そのほか、化学製品や自動車以外の輸送機器の燃料などでも使われます。原油の消費量は、GDP(国内総生産)の規模と同じように、米国、中国が多くなっています。これらの国の景気動向が重要になります。

米国の原油指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)8月物は米東部時間の午後6時すぎに1バレル65ドル台まで下落した。トランプ氏の発表前は68ドル程度だった。中東情勢の悪化で22日夕に付けた高値78ドル台半ばから10ドルあまり下げた後、さらに3ドルほど安くなった。

ただし、イランは過去何度もホルムズ海峡封鎖を警告したことがありますが、完全封鎖を行ったことはありません。最近では2024年4月にも言及されたものの、実行されませんでした。封鎖をすると、イラン自身も原油の輸出が難しくなってしまいます。発生する確率の低いテールリスクとして見ておくべきでしょう。

今回のように中東情勢が悪化すると、原油の供給量が減るかもしれないという懸念から、原油価格が上昇します。中東情勢が沈静化すれば、価格は落ち着くということが繰り返されてきました。

東京株式相場は午後に下げ幅を縮小した。米国によるイラン攻撃を受け、インフレや地政学リスクの高まりを警戒した売りが先行した。電機株のほか、鉄鋼や化学など素材株、証券や銀行など金融株が安い。半面、原油市況高を追い風に鉱業株は上昇した。

イラン・イスラエルの緊張が落ち着けば、原油価格は再び下落しやすいと考えます。イラン・イスラエルの緊張以前の原油市場では、OPECプラスによる3ヶ月連続での追加増産決定や、トランプ関税や中国による報復措置によって需要見通しが弱含む可能性から、大幅な供給過剰となる懸念が高まっており、原油価格への下落圧力が強い状況にありました。

また、日本のLNG(液化天然ガス)の輸入の多くは原油価格に連動して決められているため、原油高はガス代の上昇にもつながります。さらに、輸入ガス価格の上昇は発電の燃料費上昇も意味することから電気代も上がります。ガソリン代や光熱費の増加は、消費者にとって実質的な所得の減少になるため、贅沢品の需要に影響が生じてしまう可能性があります。

ニューヨーク原油市場ではアメリカによるイランの核施設への攻撃を受けて国際的な原油の先物価格が上昇したあと、23日には一転して下落する展開となりました。イランによる報復の規模が限定的だという受け止めが出たことに加え、トランプ大統領がイスラエルとイランが停戦に合意したと発表したことが要因です。

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