午前の為替予想は… 次期FRB議長の早期指名検討でドル売り 7月利下げを巡りPCEデフレーターに注目
作成日時 :2025年6月27日7時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
ドル円予想レンジ
143.500-145.500円
前日の振り返りとドル円予想
昨日のドル/円は終値ベースで約0.6%下落。「トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)議長の早期指名を検討」との報道を受けドル売りが先行すると欧州時間序盤には143.75円前後まで下値を拡大した。その後、急ピッチで下落した反動で買い戻される場面も見られたが、米1-3月期国内総生産(GDP)・確報値が下方修正されたことなどもあり戻りは限定的だった。
先週から複数のFRB高官が7月利下げの可能性に言及していることから、市場の関心は米国のインフレや労働市場の状況に移っている。昨日発表された米失業保険継続受給者数が2021年11月以来の高水準だったことは、労働市場の軟化を示唆している。本日はFRBが注視する米5月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表される。市場予想(前年比+2.3%)ほど前月(+2.1%)から加速していなかった場合には、FRBの7月利下げへの期待からドル売りが強まりそうだ。
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外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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ドル円午前の為替予想 次期FRB議長の早期指名検討でドル売り 7月利下げを巡りPCEデフレーターに注目
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は日本時間26日早朝、トランプ大統領が「次期FRB議長について早期指名を検討している」などと報じた。次期FRB議長がトランプ氏の意向をくみ、金融緩和に積極的な「ハト派」的人物になるとの思惑もドル売りを促した。
トランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長の早期指名を検討していると伝わったことで、中央銀行の独立性が揺らぐとの懸念が広がり、ドルを売って円を買う動きが優勢となった。
欧州勢が参加する取引時間帯に入ると円買い・ドル売りの勢いが増し、対ドルの円相場は1ドル=143円台後半まで上昇している。市場では「欧州勢が前日に織り込んでいなかった次期FRB議長を巡るニュースを確認し、ドル売りが一段と増えた」(あおぞら銀行の諸我晃チーフ・マーケット・ストラテジスト)との見方があった。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が「トランプ米大統領が次期米連邦準備制度理事会(FRB)議長の早期指名を検討」「パウエルFRB議長の後任に元FRB理事のウォーシュ氏や現国家経済会議(NEC)委員長のハセット氏を検討」などと報じた。ドルが全般的に売られてドル/円が下落。クロス円もドル/円の下落につれた。
午前9時現在は前日比41銭円高ドル安の1ドル=144円89~90銭。ユーロは73銭円安ユーロ高の1ユーロ=169円27~30銭。
ユーロは対ドルで3日続伸した。17時時点は同0.0109ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1707〜08ドルで推移している。17時過ぎには1.1724ドル近辺と2021年9月下旬以来のユーロ高・ドル安水準を付ける場面があった。
ドル売りは対ユーロが中心だった。損失覚悟(ストップロス)のドル売り・ユーロ買い注文を巻き込みつつ、対円でもドルの売りが増えた。
昨日のドル/円は終値ベースで約0.6%下落。「トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)議長の早期指名を検討」との報道を受けドル売りが先行すると欧州時間序盤には143.75円前後まで下値を拡大した。その後、急ピッチで下落した反動で買い戻される場面も見られたが、米1-3月期国内総生産(GDP)・確報値が下方修正されたことなどもあり戻りは限定的だった。先週から複数のFRB高官が7月利下げの可能性に言及していることから、市場の関心は米国のインフレや労働市場の状況に移っている。昨日発表された米失業保険継続受給者数が2021年11月以来の高水準だったことは、労働市場の軟化を示唆している。本日はFRBが注視する米5月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表される。市場予想(前年比+2.3%)ほど前月(+2.1%)から加速していなかった場合には、FRBの7月利下げへの期待からドル売りが強まりそうだ。
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