
参考レート 87.82円 7/1 1:43
パラボリック 86.20円 (実勢レートが上回れば買い・下回れば売り示唆)
移動平均線・MA(各レベルで短期が長期を上回れば買い・下回れば売り示唆)
5日移動平均線 87.52円 (前営業日87.43円)
21日移動平均線 87.14円 (前営業日87.05円)
90日移動平均線 85.62円 (前営業日85.60円)
200日移動平均線 87.57円 (前営業日87.58円)
RSI[相体力指数・14日]
60.13% (売られすぎ目安30%・買われすぎ目安70%)
ボリンジャーバンド(買われすぎ・売られすぎ水準目安 周期20日)
2σシグマ[標準偏差]上限 88.11円
2σシグマ[標準偏差]下限 86.27円
MACD指数平滑移動平均・収束拡散指標
MACD[12、26] 0.40 vs 0.40 MACDシグナル [かい離幅 0.00]
(MACDがシグナルを上回れば買い・下回れば売り示唆。かい離幅も反発・反落の目安)
注;テクニカル指標の解釈の説明は一般例のひとつで、同一の指標でも上記以外に様々な判断基準があります。
(関口)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
テクニカル NZドル円テクニカル一覧MACDかい離 マイナスから中立水準へ回帰
市場センチメントの全般 – 通貨ヒートマップをみると、5月第2週はリスク選好通貨が強く、安全通貨が弱い構図が鮮明です。例えば5月8日~12日の対ドル騰落率を見ると、カナダドルや豪ドルが上位に位置し、円とスイスフランが下位でした。対円の通貨強弱でも、ポンド・豪ドル・加ドルが円に対し週初から2~3%高い一方、スイスフランは円に対しても弱含みです。このヒートマップは、米中協議の進展や各国株高という「リスクオンの色合い」を帯びています。通貨強弱チャートでは、前週まで一貫してトップだった円が急落し、代わって商品通貨のラインが上昇に転じました。これはセンチメントの転換点を示唆するもので、投資マインドが防御から攻勢に変わったことを物語ります。ただし、為替市場ではセンチメントの振れ幅が大きくなると、当局による口先介入など思わぬ変数が出ることもあります(実際、5月12日の円急落局面では財務省高官が「市場を注視」とコメントする場面がありました)。また、IMMポジションで触れたように市場参加者のポジションが依然片側に寄っている部分も残存しており、それが解消しきるまでは変動が増幅されやすい点に留意です。
インフレ指標と金融政策観測 – 翌13日(火)は、米4月消費者物価指数(CPI)が前年比+2.3%(予想下回り)と発表され、市場予想よりインフレ鎮静化が進んだとの解釈から利下げ観測が継続しました。これにより前日の株価急騰で高まっていた利上げ懸念が後退し、長期金利が低下、株式市場には追い風となりました。S&P500指数は前日比+0.16%と小幅続伸し、終値は年初来高値(1月23日終値)に僅かに届かない水準まで上昇。ダウ平均も+0.86%(約359ドル高)と5営業日続伸し、史上最高値に迫る水準です。一方、ハイテク株中心のナスダック総合は-0.38%と4日続落しました。これは前日の長期金利急騰の影響や、半導体・IT株に利益確定売りが出たためで、テスラやエヌビディアなど一部成長株が上昇する一方、マイクロソフトやアマゾンが軟調で高安まちまちとなったためです。
セクター動向 – 月曜は景気敏感株からディフェンシブ株まで幅広く買われ、特に通商摩擦の影響を受けやすい工業株や資本財セクターが大きく上昇しました。また、「関税引き下げ=コスト減少」の恩恵期待から消費関連や自動車株も買われています(例:ダウ構成のキャタピラーやボーイングが上昇)。火曜は長期金利が前日の急騰後に4.4%台から低下したことで、景気敏感な金融株や資本財株に加え、不動産や公益など金利低下メリットを受けるセクターにも買い戻しが入りました。半面、直近上昇の大きかったハイテク主力株には一部利食い売りが出て、ナスダック系の一角が軟調でした。それでもアップルやエヌビディアなど一部の大型ハイテクは買われており、市場全体としては循環物色の様相です。投資家の視線は今後のFRB政策にも注がれており、CME FedWatchによれば9月FOMCでの25bp利下げ確率は高い(約70%)ままです。これは米中関税引き下げが景気下支え要因となり、FRBが年後半にも金融緩和に踏み切れるとの観測を支えているためです。もっとも利下げ織り込みの行き過ぎに対する指摘もあり、インフレに再加速の兆しが出れば金融政策の不透明感が戻りうる点には注意が必要です。
業種セクターの明暗 – 外需株を中心に幅広い業種が上昇しました。海運株や銀行株、精密機器など景気敏感セクターが引き続き堅調で、医薬品など守りの業種にも買いが波及しました。一方で、内需の一部には利益確定売りも見られ、水産・農林や建設、石油石炭製品などは軟調推移となっています。これは日銀の金融政策正常化観測(後述)から金利上昇を警戒する向きが不動産・建設株を売る動きにつながった面があります。また個別では、前日まで上昇を牽引したハイテク株に一服感があり、例えばファーストリテイリング(ユニクロ)は2%超の上昇でしたが、シャープは決算失望から12%超の急落となるなど銘柄間で明暗が分かれました。企業の2025年3月期通期決算発表がほぼ出揃い、好業績銘柄への見直し買いが入りやすい半面、業績不振銘柄への失望売りが集中するなど、個別物色の傾向も強まっています。
通商合意への期待と株価急騰 – 週明け12日(月)の米株市場は米中両国が関税引き下げで合意した報道を好感し、主要指数が揃って急騰しました。ダウ平均は終値で前週末比1,160ドル高と大幅上昇し、S&P500も10営業日続いた上昇が一時ストップしていた流れを断ち切って上昇に転じました(約2.8%の上昇)。ナスダック総合もハイテク株主導で上昇し、この日は主要3指数とも4月9日以来の大幅上昇率を記録しました。米中の相互関税115%分の引き下げ合意(90日間の追加関税停止と協議メカニズム構築)により、世界経済への悪影響懸念が和らいだことが背景です。投資家心理の不安指数であるVIXは、このリスク選好の高まりにより3月下旬以来初めて20を下回り、4月に記録した一時60という水準から急低下しました。
株式市場のセンチメントでは、投資家の強気・弱気マインドを測るAAII個人投資家センチメント調査で、強気比率が直近で50%台に上昇し弱気比率が30%割れまで低下しました。これは昨年末とは対照的に強気派が優勢になっていることを示します。ただしコントラリアン的には強気偏重は短期天井を警戒するサインともなり得ます。恐怖と欲望指数(CNN MoneyのFear & Greed Index)も70(Greed=強欲)近辺へ上昇しており、やや楽観に傾斜しています。一方で出来高などを見ると、米株市場では急騰時にも出来高が平時並みで、フロー主導と言うよりポジション調整主導の上昇との見方もあり、全面的な強気相場入りかどうかは判断が分かれます。日経平均VI(ボラティリティ・インデックス)は20を割り込み、投資家心理が安定していることを示します。ただ日本市場特有の事情として、海外勢の買い戻しが相場を押し上げているため、これが一巡した際の反動には備える必要があります。
コメント